日々の泡

2002年02月27日(水) くじら

この前の鹿児島に続いて茨城でも大量のクジラが打ち上げられたそうで
今回はなんでも食べちゃった人もいたそうですが
クジラの種類では鹿児島のときの抹香鯨のほうが美味いそうです。
…や、そういう話でなくて。

前回の報道のとき、クジラ救助のために海に入って
危険そうな現場で頑張ってる方たちを見て「なぜそこまで」と思ったのですが、
クジラに死なれちゃった場合、屍骸の処理がとても大変で
その町の負担になるんだそうですね。
ほんとに、当事者の町は気の毒だ…たいした量だし。
これが『古事記』の時代だったら(敦賀でしたっけあれはイルカでしたっけ)
神様からの贈り物として戴いただろうに。
余った肉も干したりして、近隣の村じゅう総出で
無駄のないよう利用しただろうに。ああもったいない。
と思いつつ
一応「死んだクジラは食べてもいい」らしいんだけど
助かるクジラも(鮮度いいほうが良いし)食われてしまうのではと
たぶん無用のところまで気を回してみたりですね…
いや、いちばん心配すべきなのはもちろん
なんでクジラたちがこんなに迷子になってしまうのか、なんですが。

まじめな話。クジラの故障の原因がわからない上に
活きが悪くなってるだろうから
衛生上あまり良くないことなんでしょうが。
でも、私が昔の人間だったらきっと有難く戴いただろうなあ。
病気のクジラかもしれなくても、神様からのプレゼントだもん。
それ食べておかしくなっても、きっと神様の思し召しだもん。

「くじら食べたことありますか」「給食に出ましたか」なんて
調査結果を探しに行きたくなってしまった、竜田揚げ世代です。
(竜田揚げ…小学生当時はその雅な名前の由来などには縁がなかったのに
給食の献立表などでみんなが知っている言葉だったなあ。)

‐‐
くじら座は見えるかなと思ったけど、
どうやら今の季節は天の反対側を泳いでるようです。
今夜の満月は今年いちばんの(でかくて明るい)
満月だそうですが、よりによってどんより曇って見えません。
つまんないなあ。



2002年02月01日(金) なつかしの抒情画

年が明けてしまい何も書かないうちに一月が終わってしまった…(汗)。
気がつくと梅の第一陣が咲き始めています。
私にとっては、梅の春→そろそろ花粉の到来、という
まことに残念な季節の感じ方をする時期になってまいりました。

 * * *
偶然広げた雑誌に懐かしい画が並んでいたので珍しく買ってしまった…
『person』3月号には、
小さいころ少女雑誌の口絵や着せ替えやぬりえで見かけた
別世界のようなお姫様が並んでいました。
メルヘン描いて半世紀、ということで
『暮らしの手帖』やTVの「木馬座アワー」でなじんだ藤城清治、
中原淳一の弟子でちょっと不思議な感覚の内藤ルネとともに
3人で特集されていた高橋真琴画伯、御健在なのですね。
一度見たら忘れられない大きな星目と正面向きの特徴のある鼻、
お菓子の飾りのように綺麗にデフォルメされた花々、美しい彩色、
ほとんど変わらぬ絵柄で憧れの美少女を描き続けて50年というところに
凄味さえ感じます。
少女漫画の絵柄って、こういうおじさんたちが原型を作っていたのですよね。

掲載されていた『デラックスマーガレット』の表紙が
全体のデザインも印刷の色も惹句も(「すてきなお嬢さんの雑誌」!)
すばらしく時代がかって見えたのに、載っている漫画家の名前を見ると
(私にとっては)思ったほどすごく昔のものではないことがわかって驚きました。
雑誌の表紙のデザインって、意外と早く老けるというか、時代を感じさせるものなんですね。


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蟻塔

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