きまぐれがき
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2003年12月28日(日) グズモードからの脱却

つつがなくクリスマスを迎え(といっても各々が、それぞれの
お約束のディナーに出かけて行った家族離散の宵だったのだ)、
翌日からは、家の片付けにとりかかろうと思ってはみたものの、
どうも気合が入らずPC周りだけで、まる1日かかっても整理が
つかない。

雑誌やパンフレットや通販カタログ、それに数多の紙ゴミを前に
、捨てるべきかとって置くべきか悩む私はハムレットだ。

結局積んである本を、ただ積みなおしただけのようなもの。
でも、この本たちの間から1万円札がのっぺりと出てきた時は
嬉しかった。 何故ここから? の疑問などどうでもいい。
札束だったらもっと感激したかしら?
札束がさらに束になっていたら、私も気持ちが舞い上がり
どこかのタワーの展望台からヒラヒラとお札をまき散らしたり
しちゃうのかしら?

と、脱線してしまったが、私はほんとに片づけることが苦手だ。
これはきっとグズな性格に起因しているのではと、帯の文字
「グズにつける特効薬!」に吸い寄せられて「いま やろうと
思ったのに」という本を読んでみたりした。

それによると、どうも完璧さに対するこだわりが、私をグズに
しているらしいのだが、教えてほしい。
いったい何時、私が完璧などというものにこだわったりしたの
だろうか。思いもよらぬことではないか。

グズ克服完全マニュアルには、ゴミ箱と友達になれとも書いて
ある。とにかく溜め込むな捨てろ捨てろと。
物を捨てられないから、常にグズモードで生きているのだぞと。
ならばと、大きなゴミ箱を買いに出かける。

昨日はデパート今日はスーパと、歩き回って探したが気に入った
ゴミ箱が見つからない。
あら、これって完璧を求めているのかしら?
お正月を迎えるというのに、ゴミ箱ゴミ箱と、ゴミ箱のことしか
頭になくて困っている。


スーパーまで、40分かけて徒歩で行ってみた。
車で出かける何時もとは違って、周囲の風景を眺めながら
のんびりと遊歩道を歩いて。


2003年12月22日(月) ラスト・サムライ

「ラスト・サムライ」をやっと見て来た。

トム・クルーズの袴や鎧姿が、日本人の中にいても違和感なく
馴染んでいるので、見ているうちに彼ではなく、日本の役者が
演じているとばかりの錯覚をおこしてしまいそう。
軍服姿で出て来たのを見て「そうだった貴方はトム・クルーズ
だったのね」とハッと我に返る。
それにあの結末、まぎれもなくトム・クルーズ!お星様キラキラ〜
やっぱりハリウッドったら、と毎度のことを感じる。

オールグレン(トム・クルーズ)と勝元(渡辺謙)が固い絆で
結ばれていく過程が冗長となっているせいか、共に戦うまでになる
オールグレンの心情がよく伝わってこないことや、武家の女性の
描き方に不満が残るけれど、いいのだ。
オールグレンの最後の台詞にもあったように、またこの映画の
タイトルともなっているラスト・サムライ、勝元の生きざまだけを
見せてくれた映画だと思えば、う〜ん違うな...勝元を演じる渡辺謙
だけを見に行ったような私なのだから、不満なんか消え去ったという
ものだ。


スクリーンを見つめている目の端に、しばしば妙に明るい光を
感じるなと思っていたら、お隣の席の女性が携帯電話の画面を
眺めているのだった。
そのうちバッグにしまい席を立って行く。戻ってくるやまた
ごそごそとバッグから携帯電話を出してきて画面を眺める、席を
立って消える。
この繰り返しをエンドクレジットがスクリーンの下から立ち昇って
来ても続けていた。
そんなにこみ入った事情があるのなら、映画を見るの止めれば。
と、言ってやりたかったが、とうとう言えなかった。



2003年12月20日(土) かけらたち

キュリオケースの室内灯を交換するのに邪魔な器をとり出そう
として、手を滑らせ割ってしまった。



かけらを集めて、購入者である小まめの許しを請う。
「ほんとだ」
この一言に、拍子抜けする。


かけらといえばもう一つ、引き出しの奥でプチプチパッキンに
包まれて、眠っているのがある。

ここに寄らなければ京都に行った気がしないとばかりに、必ず
立ち寄る骨董通り。
なかでも「てっさい堂」はとくに好きで、店内に足を踏み入れ
たが最後、店主にとっては迷惑なことだろうが、私は帰りたく
ならない。

染付けに魅せられ、京都に出かけるたびにふえてきた古伊万里。
その中の一枚を、それは古伊万里ほど古いものではないけれど、
春先にやっぱり手を滑らせて割ったのだ。

自分で買った磁器なので、誰かに許しを請う必要もないだろうが、
この磁器の100余年に亘る長い旅路をここで終わらせてしまった
ことと、これを作った名も知れぬ陶工にたいしては申し訳ない
気持ちだ。でも多分大量生産品だ。

だけど、あの通りの建ち並ぶ骨董店をめぐって、どれか一つの
染付けを選ぶことに心をときめかせ、手にとっては戻し、その繰り
返しの中からやっと私のものとなった磁器だけに、諦めがつかず
引き出しに忍ばせておいたのだった。

久しぶりにかけらを出して眺めてみる。



未練がましいと言われようが何といわれようが、
やっぱり捨てられないよぉ。


「太陽の雫」で主人公のハンガリーユダヤ系の一族も、磁器のかけら
を捨てたりしなかった。
この映画は3世代に亘る物語(レイフ・ファインズ!愛!)なのだが、
現代を生きる若者によって過去を清算するかのように、古い家具たち
と一緒にかけらが捨てられるまで、そのブルーオニオンが効果的に
使われていた。





2003年12月14日(日) ふぅ〜

2ヶ月と少しの期間、ただ付き添っていただけとはいえ、ほとん
どの時間を静かな病室で過していた身としては、人ごみは恐怖だ。
なのに、母の用事、自分の買い物などでどうしてもデパートに
行かなくてはならず、この土・日、久しぶりに梅田を歩き回っ
てどっと疲れた。
年末のアメ横の雑踏が好きだったことなど今は昔、あの頃は
ただただ若かったのね。

ひと休みに入ったお店で「ここ、前からあったかしら?」と、
荷物持ちでついて来てもらった小まめに訊いてみる。
『「運命の女」を見に来た時にも入ったじゃない』
そうだった?まったく思い出せない。
それに「運命の女」を見たって?それはいったい何時のことよ?
バッグから手帳を出して過去へと頁をさかのぼるってみる。
ほ〜〜う
確かに記述があるけれど、う〜ん記憶からスポッと抜け落ちて
しまっているなぁ。
疲れやすくなった我が身に愕然とするだけではなく、痴呆に気
づく師走かな、だなんてコワイ。




最近はもっぱらアップルパイばかり。
目移りして迷うことなど決してない、可愛げのない女。


2003年12月11日(木) 忘却とはちがう?

先日やっと母が退院した。杖と手すりにしがみついての危なっ
かしい歩行、それも数歩で疲れてしまうらしい。
筋力が落ちないよう、せめてリハビリの時ぐらいの歩数は確保
させたいのに。




母を出迎えたのは、くまの天使を抱えるサンタさん。

デパートにでも行けばクリスマス関連グッズが溢れているだろう
けど、出かける時間がなくてネットで注文してみた。


入院中に、要介護認定の申請をしておいたので、早速、市の職員が
調査にみえる。
本人に心身の状態などをいろいろと質問されるのだが、「住所は?」
と訊かれて、母ってば「知りません。そもそもこちらの住所は覚えな
かったもので」なんて答えちゃってる。

そりゃぁそうだろう。
手紙を出す時には、同居をした際にさっさと自分で作った住所と名前
の入った判子をポンと押すだけで、そのたびに押された印の住所を
確認などしなかっただろうし。
電話でタクシーを呼ぶときや、お米などを注文する時には○○幼稚園
の隣の△△(苗字)です、と言えばすんだのだし、だいたい同居して
からというもの、母の手で何かに住所を記入することなどなかったの
ではないかしら。


それで思い出したのが、以前義父が脳外科で手術をした時のことだ。
術後の回復室というのか、病室に戻るまでの2.3日を過ごす部屋
では、義父の隣のベッドに事故で手術をされたばかりの中年の女性
がいらした。

ドクターや看護婦さんが、その女性に「名前は?」「ご住所は?」
「ここは何処なのかわかりますか?」など次々と質問をしていくのが
、義父のベッドの傍らにいた私の耳にも入ってくるので何とはなしに
訊いていたところ、それまでスラスラと答えていた女性が、
「ご主人の生年月日は?」で、「。。。。。。。」突然沈黙して
しまった。

ドクターも看護婦さんも、何度か同じ質問を繰り返していたが、
いくら考えても、考えても、「うぅぅぅぅぅぅ。。。。。。」と
声が詰まって答えられない。

私は全身が耳となって緊張した。

すると、それまでじっと黙っていたご主人がボソッと
「多分知らないんだと思います」と言ったので、「なぁんだ〜」と、
ドクターも看護婦さんも私も声をあげて笑ってしまったのだった。
最初から知らないものを思い出せるはずがないものね。

それにしても、ご主人の誕生日になどまったく関心なく過ごしてきた
結婚生活って、あっぱれでもあるよなぁ。チガウか (^^ゞ




2003年12月06日(土) そばの実がこんなふうに

北海道の友人から送って頂いたソバ茶を飲んでからという
もの、この香ばしい風味にすっかり虜となってしまった。
我が家に遊びに来る友人達にも「うちではね、お茶といえ
ばソバ茶のことなの〜♪」と、飲み干すそばから注ぎ足す
ものだから、みんなお腹をダブンダブンにして帰って行く。


木曜日のお友達と呼んでいる『週刊文春』を買って、真っ先
に見る頁でもある巻末の「私の取り寄せ便」。

ここを見ると私もすぐに取り寄せて、お味を確かめてみな
くてはとってもとっても気がすまない時期があった。
全国津々浦々からやってくる宅配便を楽しみに待っていた
ものだ。
なかには、なんだぁとガッカリしたものもあったけれど、
東海林さだおお薦めの南光梅をつかった梅干は、切らさず
に取り寄せを続けて5年になるだろうか。

はい今週のお取り寄せは?と、よだれを垂らさんばかりに
眺めた後、頁を前に繰るとやって来るのが「東西食遊記」。
もう食べ物のことしか目に入らないのぉ?と軽蔑されそう。

今週紹介されていたお店は東京・市谷の蕎楽亭。
お蕎麦屋さんにしては珍しく馬刺しやだし巻き玉子などの
メニューに並んでそば茶のアイスクリームが。



こういうものがあるなんて、知らなかった。
賞味!賞味!したい!


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