日々の泡・あるいは魚の寝言

2008年05月30日(金) じわっと九年目

☆今回の東京旅行の間、いろいろ仕事関係で、決まったことや進んだことがあるんですが、まだ公で話すには早いだろうことばかりなので、あとちょっとだけ、発表はごめんなさい。
いえるのは、とにかく、当分ずっと新刊が出そうだし、新シリーズもいろいろ始まりますよ、ってことです。

ああ、あれもこれも、いろいろ日記に書きたいんですが。
さすがにちょっとまだ早い。

えっと早すぎない情報は…というと、六月のポプラポケット文庫の新刊で、「ふしぎ探偵レミ2(前編)〜謎の少年と宝石泥棒」がでます。
直感少女レミの冒険第二話のその前半。
よろしくね♪

☆さて。おかげさまで、昨日、じわっとサイト開設から八年たちまして、九年目の歴史がスタートいたしました風の丘なのであります。
なんか今年は旅行とお仕事に重なっちゃって、感慨を味わう余裕があまりというかほとんどなかった(涙)。

まあでも、かもめ亭も紅茶の時間も、普通にそれぞれの掲示板らしく動いていますし、ここはいつでも変わらず風の丘で、今後も風の丘なんだろうなあ、と、ほのぼのしていたりします。
みなさまありがとう。
そして、今後ともよろしくお願いいたします。

☆<香水日記>今日はロクシタンのマートルとかつけています。この香りは…どう説明すればいいのか…お香のような…花のような…というよりやはり、まんま、ミルテ(=マートル)ですね。
タロットカードとか水晶売ってるお店の、マジックショップっていうのかなあ。ああいう不思議なお店の香りがします。
私の好みとしては、もっとフェミニンにわかりやすく甘い香りがいいんだけど、こういう摩訶不思議な香りも、たまにまといたくなったりします。



2008年05月28日(水) また旅支度〜♪

…という歌が昔あったなと。

長崎の自宅で、旅行の後のさまざまな後片付けをしながら、またすぐの次の上京の準備もしています。
より手早くかろやかに旅立てるように、荷物をまとめる算段をしたり。
6月は服はどれをもっていこうかな着ていこうかなとか。これがまた楽しい♪

今後月に一度以上は、東京ゆきになりそうなので、旅行好き新宿好きの私には、幸せな日々が続きそうです。
あとやはりあちらにいた方が、いろんなものの流れが、じかに感じられていいですね。

☆いろいろメールやメッセージのお返事をお待たせしているみなさま。ちょっと待っていてくださいね。
旅行あとでばたついたりしてますです。



2008年05月27日(火) 羽田より

☆羽田第一ターミナルエアポートラウンジ南からです。
窓の外には飛行機が並び、どんどん空に舞い上がっていっています。

ラウンジ南は、ゲートの「向こう」のラウンジ。新しくて静かで、きれいです。私みたいに、小さなパソコンを持ち込んでいるお兄さんやお父さんたちが何人かいて、あちこちで、キーボードをたたく音が響いています。
あとは、新聞よんでいる人とか、テレビのニュースを見ている人とか。ラウンジは飲み物無料なので、のどを潤しているひとたちもいますね。みなさんお仕事お疲れ様です。

窓の外で、飛行機の整備をしたり、荷物を積み込んでいるひとたちの姿もみえて、働く人々は美しいなあ、という感じです。
やっぱり、おとなは遊んでるところより、働いてるところが素敵だな。

☆仕事といえば。
昨日、ポプラさんとジャイブさんにつれられて、表参道のクレヨンハウスにご挨拶に行ってきました。
文庫のたそがれ堂のサイン本を十冊作って、なぜか猫の絵とか描いてきました。都内在住でサイン入りたそがれ堂(ジャイブ版)がほしい方は、クレヨンハウスさんへどうぞ。

実は、クレヨンハウスは、生涯で二度目の訪問でした。
前にいったときは、たしか椋賞の授賞式の時。
新人作家だった私は、当時のあかねの担当編集者Hさんに引率されて、びくびくしながら、表参道のあのきれいなお店に行ったのでした。
「このお店は、きちんと選書するから、質がいい児童文学しかおいてもらえないんだからね?」とか念を押され、お店の方々に挨拶をし、そして、「ちいさいえりちゃん」が、お店の棚にあるのをみて、感動したのでした。

あのとき、帰り道で、骨董品やさんに入って、古い青いガラスのブローチがたしか二万円くらいだったのかな?
当時の私には、贅沢で高くて、とても買えませんでした。

あれから、十数年もたって。
久しぶりに二度目でうかがったクレヨンハウス。
若い店員さんが、喜んで出迎えてくださって、「あの、よかったら本にサインをお願いします」と、いわれて。
「私なんかのサインでよければ。あ、猫の絵でもおいれしましょうか?」と、猫の絵入りサイン本を作成して。

で、その途中で、ふと、「私の本、ほんとにクレヨンハウスにあるんですか?」と、どきどきしながらきいたんですが…

なぜか怪訝そうな顔をする店員さん。
若い担当のお嬢さん二人。

…え? えーと?

いやだって、昔私の本をおいてくださってたのは知ってるけど、いまも私なんかの本があるかどうか、私は知らないし自信ないから…

…と思ったんだけど。

帰りがけ、ちゃんとシェーラが全巻そろってるところとか、見せていただいて(画像、あとでアップしますね)、これで文庫たそがれ堂も十冊並ぶし、よかったなあとか思いながら、お店を出たのですが。

表参道を歩きながら、担当のお嬢さんたちと会話しているうちに、ゆるゆると気づきました。

ああそうかあ。年月がたったんだ。
私が書いた本は、大きな児童書専門店なら、「あるのがあたりまえ」になっていたんだ。
「私の本、このお店にあるんですか?」って、真逆ないみでとると、すごい失礼な意味になる質問だったんだ…

担当さん二人に、言葉の意味を、いいわけ混じりで説明しながら、私は、十数年前に、この同じ道を歩いていただろう、新人作家だった自分が、いまもそこに見えるような気がして、不思議だったのでした。
時間はちょうどたそがれどき。
表参道には、街角にもケヤキ並木にも初夏の透明ないろの光と影が落ちていて。

まるで魔法のようだなあ、と、私は思いながら歩いていたのでした。



2008年05月24日(土) 雨の西新宿

☆いま正確には、二十五日に日付が変わったばかりの深夜なんですが、二時間ばかり前、神楽坂方面から帰ってきたところです。
日本児童文学者協会の総会と懇親会に出席して、そのあと、仲間内で二次会のお茶してきました。
楽しかった。
今年から協会の役員さんの末席あたりをお引き受けすることになり、本日めでたく総会で承認されましたので……ああ、私なんかがいいのかなとおもいつつ、大切な児童文学者協会と、何よりも子どもの本の世界を大事に守っていくために、やれるだけのことはがんばろう、と思っています。

懇親会は、友人や、お弟子筋のお嬢さんたちを引率していったので、自分も楽しかったですが、みんなの上気した笑顔をみているのが楽しかったです。
作家仲間のみなさんとあい、リアルでは久しぶりに会う担当さんたちと語り合い、初めてあう方々と名刺を交換し合い、笑ったりはしゃいだりしながら、子どもの本の業界は、いいもんだなあと、今夜もまたしみじみ思いました。
私はこの場の雰囲気がすき。

子どものころからの私の本の読者さんだったという若手の編集者のお嬢さんにお名刺をいただけたのは、じんときちゃいました。

☆二次会は神楽坂ロイヤルホスト。感じがよいお店でした。またいきたいなあ。昔書評を書いた本の作家さんと今日であって、その方も、うちの友人お弟子たちとなんだかうまがあったので、いっしょにお連れしちゃったのですが、いやほんと、コーギー犬から健康法、スターゲイザーまで、話題が広がる楽しいひとときでした。

☆宿に帰って、定例の風の丘の管理チャットの日なので、組合構成員の仲間たちとチャットしていたら、「風の丘ももう数日で八周年ですね」という話になって、ちょっと懐かしく思い返したりしました。
うちのサイトを背後で支えるメンバーのそれぞれに、いろいろ人生がありドラマがあったりしたのを、私もおぼえているし、みんなもおぼえてる。
いまはみんなが幸せなので、よかったと思っています。
よきかなよきかな。



2008年05月13日(火) 新刊ブログ更新しました

☆長崎に戻ってきました。
でもまたすぐに向こう(西新宿)に戻るので、荷物をホテルに預けて、人間だけ戻ってきましたよー

新刊日記
お久しぶりな感じですが(笑)、新刊情報です。
文庫版おとな向けグレードの「コンビニたそがれ堂」、ジャイブ、ピュアフル文庫より、好評発売中でございます。
詳しい話は、上のブログで。

☆本体の風の丘のサイトも更新したいのですが、またもいま時間がないのでした。多少おくれます。
いま何をしているかというと、来月刊行の「ふしぎ探偵レミ」二巻前編の再校ゲラがさっき夜に、手元に届いたところです。これを今週のうちには仕上げて、その直後からは、秋に出る、某出版社さんの長編を完成させる仕事が待っている…
それが六月下旬までのお仕事なんですが、あいまに、また西新宿に戻ります。
児童文学者協会の総会にも参加しますし、自分の児童文学サークルのお茶会もやらなきゃなのです。

西新宿は、五月六月と、二回連続していくかもです。
ホテル生活大好きだし(特にお気に入りのあのホテルは)、向こうで友達や仕事関係の人たちとあえるのは楽しいし、魔界都市のパワースポット(笑)にはいつもいたいので、嬉しいことなんですが。

☆それにしても。久しぶりに家に帰ってきて、家事とか楽しんでやってたんですが。気がつくと、鍋を洗うためのスポンジが一つ足りない。
おかーさん。どこにやったんですか…?

ホテルでの日々は大好きなんですが、猫がいないのと、金魚や植木の世話ができないのと、お料理ができないことだけが、ちょっとさみしいですね。なんだかんだいって、実は家事が嫌いではないので。
しかしなあ。猫金魚植木はともかく、調理ができる宿があるのは知ってますけれど、今のホテルを動く気はないしなあ。

☆「たそがれ堂」の話に戻りますが、今回、素敵な解説がついています。瀧晴巳先生の、透き通るような文章と鋭い分析が光る名文です。
ほんとうにありがたくて、ありがたいんですが…
前にも日記に書いたような気がするのですが、いやほんと、わたし、瀧先生が想像なさっているような、ピュアで繊細な善人ではない…と…あうあう(涙)。

いやまあ、なにもいいますまい(笑)。
ただ感謝して、今回の本に関わった、いろんな方々に感謝して、いまは静かに、読者のみなさまの感想をお待ちしていたいと思います。

ほんと、よいお仕事でした。
ありがとうございました。>all



2008年05月08日(木) 妖精のチェンバロ

…とかなんとかして、はーい、西新宿にきています。

今風の風水だかなんだかでいうと、この新宿の高層ビル群はパワースポットだという話があるわけですが、たしかにこのへんの宿で一晩すごすごとに、疲れが癒えていくというか、充電されていくような感覚があります。
気のせいかもしれないけど、そういう野暮なことは童話作家はいわないのです。職業柄。

さっき、夕方五時になったとき、どこかの時計が時を告げる音が聞こえました。それが、鐘の音のような、オルゴールのような、長めのメロディがついた時報で、そうちょうど、妖精が奏でるチェンバロのような感じに聞こえました。
私のいるホテルの近くの、どこかの空で、その音色は響いていました。

この宿の、そしてこのフロアのこの部屋に泊まるのは、もう何年目、何度目かのことで、だから、夕方のこの時間に、あんな素敵な時報が鳴っていたとしたら、いままでなんできづかなかったのか、ちょっと不思議なのですが…
優しい柔らかい音色に、しばしパソコンのキーをたたく手を止めて、耳を傾けました。

どこで鳴っている時報なのか、聞くことも調べることもできるでしょうけれど、あえて知らないままにいるのも、ロマンチックかなと思いました。
いい音楽を聴いた。

でも、きれいでよく通る音だったなあ。
最初、近くの部屋の誰かが、なにかアンティークな目覚まし時計でも鳴らしているのかと思ったくらい、とても近くで聞こえたのです。


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