宇佐美彰朗の雑記帳

2004年04月19日(月) 「かすみがうらマラソン大会」に参加して。

 4月18日(日)、久々に2時間以上を走る楽しい時間を持つことがで
きました。この日開催された「かすみがうらマラソン大会」で盲人ランナ
ーの伴走をする機会があり、無事にゴールできたからです。参加者も多く
とても素晴らしいレースで、気温・湿度も気持よく感じられたこともあり、
楽しい一日でした。

 フルマラソンの選手たちがトップ争いをしていた実況放送(茨城放送)が
ゴール後にあり、詰めかけた観衆がゴール付近に駆けつけ、人ごみで大変
な騒ぎになりました。

 その10数分後に、全盲(B―1)の高橋勇市選手が伴走者と飛び込んでき
たのです。なんと2時間37分台で、日本最高記録です。世界でもトップク
ラスです。彼はつい数日前に、今年の「アテネ・パラリンピック日本代表」
にマラソン、5000M、10000M選手としてノミネートされたとの連絡が、来
たばかりでした。

 実は、今回の高橋選手は、ゴールタイム2時間30分台を目指すために、
伴走者3〜4人でつないだそうです。つまり、日本ではその時間内をひと
りで伴走することは不可能なのです。単に伴走するだけでなく、道の状況
案内から給水までをロスなくこなせて、その上、伴走者自身も給水しなけ
ればならないのです。これを42KMの道程の中で、ひとりでこなし、ゴー
ルが2時間30分台ということは、不可能にちかいことを理解していただけ
ることと思います。

 この現実を目の当たりにして、ますますスポーツボランティアの役割が、
広がっただけでなく質やテクニックの上でも、レベルアップが要求されて
きたように思いました。これらについて「直接の関係者」が漏らしていた
言葉が、とても印象的でした。

 それは「高橋君は周囲の人たちに、とても恵まれている選手ですヨ!」
という言葉でした。宇佐美なりに彼に直接協力してくれている方々と時折
お会いするのですが、高橋選手が特別周囲の人に恵まれている、とは感じ
られないのです。高橋選手くらいの状況設定でよければ、NSVAなどの行動
によって、他の方々にも、高橋君に近い人的環境をサポートできるのでは
ないかとも考えているのです。

 今回の高橋選手の快挙は、宇佐美個人にとっても、スポーツボランティ
アの関係者としても、収穫のあった1日だと思いました。これからも、お気
づきの点があれば、どしどし「宇佐美サイト」まで情報を、お寄せください。                





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