西方見聞録...マルコ

 

 

女よ自己を肯定せよ「女の一生」(伊藤比呂美著)を読んで - 2014年10月16日(木)

この一回り年上の女性の導きのもと私は子育てを、思春期不機嫌育児を、そして自らの老いと対峙してきたのだな〜としみじみと自らの激闘する青春を振り返りながら読みました。どの場面でもどんな経験でも(たとえそれが摂食障害でも、リスカであっても)その経験に無駄はなく(それはさけられたらさけてもいいけど)自らの生や性や時には死さえ、ありのまま肯定せよという力強いメッセージを受け取りました。と同時に自分とは異なる生き方もまた他者と割り切ることで受け入れるのだ、と「自分は自分、人は人」のキメ台詞に諭されました。

それにしても女の人生にはなんと多くの横やりやら「お前はそれではだめだ」というメッセージが満ちていることかと、そういう降るような横槍や駄目だしの中であるからがゆえに、自分や他者の在り様を受け入れ、肯定せよ、という著者の女たちへのメッセージは貴重なのです。さてわたしも更年期障害なお年頃「私の人生はなんだった!」とガタガタになるってのもアリだけど、ダメはダメなりに面白かったじゃないの、と言える自分でありたいと思いました。

幼きから老いまで、女の人生が網羅されている本書ですから、どこに引っかかるかは、読者が持っているエッジな部分によると思いますが、私が一番ツボに入って面白かったのは、他者のリプロダクティブライツに口を出す人々(=2人目はまだ?とか結婚しないの?とか口出す人々)のことを「他人のパンツに頭を突っ込むような人々」という表現がなかなかに爽快でした。これからそういう声に出会ったら「人のパンツに頭突っ込んで何言ってやがる」と啖呵を切ろうと思いました。まだまだ長い人生ですが、私にも私に関わる女たち・男たちにもたとえそれがかなり困った状態であっても「それは良い刺激である、うむ常ならなくて面白い」とド〜ンと肯定して生きていく心構えをいただきました。


...



 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home