西方見聞録...マルコ

 

 

お財布を忘れたらサザエさんだってきっと泣くわ - 2006年09月29日(金)

 えーっとお財布を忘れた話。

 マルコの暮らす町から片道2時間半はかかる某D大学での後期最初の講義。マルコはこの日3コマぶっ通しで何事か語るので(しかも3コマとも異なるテーマの講義で、何人かの学生さんは複数コマに顔を出されているので同じギャグも飛ばせないというつらい日なのです)1日が終わるころにはヘロヘロデございます。そんでおわったんではふ〜終わった〜とぶったるんだ心根でD大から最寄り駅までのバスに乗りました。(D大から最寄り駅まではバスで20分ほど)でバスに10分ほど乗ってたでしょうかね?マルコははっと気づきました。

「お財布や携帯や鍵やいろいろ入れたショルダーポーチがない」

 どうも講義室に忘れてきた模様。あわてて「次のバス停で降りますボタン」を押して、運転手さんに「すいませんお財布を忘れてきてしまったので、大学までとりにいきます。必ず後でお返ししますので、今はお支払いを待っていただけませんか?」
運転手さんはちょっと驚いたようですが
「あ、いいですよ。はい」
と許してくれました。
そんで反対方向のバス停でバスを待ちます。もう午後5時半を過ぎ、日もとっぷりくれ、今から大学に向かうバスもまばらです。

 20分ほど待ってようやくバスが来ました。バスに乗って運転手さんに「すいませんお財布を大学に忘れてしまったのでただで乗せてください。後で必ずお返しします。」と再び涙のお願い。

 運転手さんここでも寛大に許してくれました。ありがと〜ありがと〜。

 んで、講義室に走って戻りますがポーチはありません。事務に走っていくともう閉まってましたが残業中のいつも頼りになる青年学務担当が周辺の講義室管理の担当部署に電話をかけてくれました。

 ありました〜。

 もうほんとに安心して腰が抜けました。

 帰りにバスで運転手さんに事情を話し、ただで乗せてもらった480円分のお金を返し、運転手さんにありがとうございましたとしつこくお礼を言って帰ってきました。

 この上記騒動中ずっと頭の中で「買い物しようと町まで出かけたら〜財布を忘れて愉快なさざえ〜さん♪」の歌が頭でぐるぐる回り、さざ〜えさんのところで「愉快じゃないワイ!」と不毛に一人突っ込みをしておりました。

 まあサザエさんは徒歩圏だったかもしれないけどさ、他人の失敗を笑うものは自分の失敗に泣く、という人生の真理を学んだ1日でした。


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こいつがわるいやっちゃ!! - 2006年09月28日(木)

 むか〜しマルコが1号さんとか、おKさんくらいだったころ、実家から徒歩5分くらいのところに位置していた生母エルザさんの実家でよく夕方過ごしていると、エルザ父(つまりマルコ祖父)がTVの衆院予算会議とかみながら、画面に映ってる政治家を指差して「こいつがわるいやっちゃ!」と吼えておられました。

 ふ〜ん、そうか。わるいんか。と冷静に見ておりました。

 さて月日は流れて今回の組閣人事を見て思わず私はあの祖父が憑依したんじゃないのって感じでTV画面にむかって「こいつがわるいやっちゃ!!」ってさけんじゃうんですけど。

 なんかサブカルチャーでいた方が世間のためって方々がものすごい勢いで主流化している2006年秋の日本でした。


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何で私がと思いながら地域統合論 - 2006年09月26日(火)

 なんかね。ときどきなんで私がこんなことを講義するのかな〜と思うようなお題が非常勤講師先の演目に含まれちゃうんですよね。前任者との兼ね合いだったりするんですけど。来年あたりからさっくり自分好みの演題に取り替えちゃおうとおもいつつ、昨年からちょっと追っかけてるのに「地域統合論」ってのがあります。国民国家の限界説がおおぴらに語られて、なんか楽しいので。

 地域統合のもりあがりには2つの波があるんだって〜へえ〜

 第1波1950〜60年代の、欧州石炭鉄鋼度共同体の成立とアジアアフリカラテンアメリカが経済発展の夢と希望にあふれてたときの地域連携ブームなんだって。このころは基本的には戦争への反省から、国民国家では戦争の抑止には限界があるから超国家的統治機能が作られるべきって考えから地域統合が進んだんだって。

 第2波が東西冷戦終結から現在。経済のグローバリズムの進展の中で完全なグローバル化への中間プロセスとして地域統合、通貨統合、FTA(自由貿易協定)のネットワーク化が進んでいくんだってさ。ふう〜ん。まあそういう状況下、国家を超えた広い範囲で人やモノやサービスや情報の流れが激化して国民国家が相対化されてくるわけだ。

 そんでこの地域統合を語る理論は結構現実に追い越されちゃったりしてるんだけど、その中でひとつ面白い理論があったのでご紹介。

[交流主義]とか[コミュニケーション理論]とかよばれていてアメリカのドルチェさんとかが唱えてるらしいんだが、こんな感じ(以下は「国際関係論のパラダイム」初瀬龍平編、有信堂から引用です。)

「国境を越えて移動する人びとのコミュニケーションの量的増大が域内の人々に意識変化を引き起こす。移動するモノ・カネ・ヒト・サービスの増大は相互理解と信頼醸成をよび、軍事力による紛争処理を必要としない安全保障共同体を形成する。国境を越える広い範囲の地域意識はナショナリズムを克服し共同体内での紛争の懸念を払拭する。」

 まちょっと楽観的なキライはあるけど、国家より個人の価値が重くなれば「親しいあの人の故郷の人たちとけんかするのいや〜」という気持ちは確かに強まるよね。

 国民国家がグローバリズム化の流れの中で、相対化していくことに抵抗して愛国心とか叫んじゃって、国民国家意識のリバイバルをもくろむ人が首相になりそうだけど、もちっと現実的にグローバル化の流れをいかにプラスに作用させるかってのも考えて良いんでないかね。

 そういうわけでそろそろ大学は新学期ですね。講師・教員仲間の皆様、そろそろ舞台化粧を始めないとね〜。(ちなみに専門学校はもうとっくに始まってて、舞台度胸がまだお休みモードなのに教壇に立たねばならなくて非常に疲れましたわ、ワタクシ。)


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報告します - 2006年09月14日(木)

 昨日おKさんの保育園のパパ友のノロさんが口から蟲が出るというナイスな躾を奥様のネルさんがなさったと言うブログを書いておられたので、ワタクシ、うちの悪女おKさんに是非是非この言説を使ってびびらせてやろうと決意いたしました。そんでその旨ノロさんのブログにコメントし、コメントから10時間ほど経過した本日朝、おKさんに向かっていってみました。

 本日もおKさん朝ご飯中にねっころがったリ、ぶらぶら歩いたり口のなかのものをマルコに見せたりたいへん不真面目な朝食態度です。そこで

「おKさんや、そんなに不真面目にいつまでもご飯を食べてると口から蟲がでるよ。」

 おKさんは一瞬きょとんとして
「蟲って虫歯の虫?」
ときくので

「ちがうよ、芋虫とか。カブトムシの幼虫とかうじゃうじゃ出るんだよ。」

と思い切り怖い雰囲気を演出しながら言って見ました。

するとおKさんはそのお地藏さんのような神々しいお顔を邪悪に歪まして

「あはははは〜Kちゃんのお口から芋虫毛虫げじげじ毒虫〜♪」と唄いながらあめでおさんのところに行ってあめでおさんに向かって口の中を大きくあけ中に残るご飯を見せながら
「Kちゃんの口から芋虫や毛虫がうじゃうじゃ出るんだよ〜」

と自慢していました。

ダメです。ノロさん。うちのおKさんにはデリカシーとか繊細さとかそういうものはまったく備わっていないようです。あるのは巨大な肝の据わった腹だけです。



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この夏一番輝いた日 - 2006年09月08日(金)

 そうっすね。いろいろ激しいなりに楽しい毎日でございました。
一番というと難しいんですが、私は割りと小心者なので遊んでばっかいるとその後たまった仕事に押しつぶされる予感に切なくなっちゃうんですわ。でも仕事してばっかだとそれはそれでこのまま走り続けて死んでいくのか〜って妄想スイッチ入っちゃうんですな。

 ま、そんなわけで今年の夏の一番すばらしき1日はあの日ですな。

以下追憶日記。

姑が500キロ東方のお江戸より来て去り、1号さんがその姑とともにお江戸にいちゃったお盆前のことでございます。私も3日ほどしたら、1号さん奪還のためにおKさんつれて、お江戸に向かうんですが、ま、しばし関西でぷらぷらしてたわけですよ。あめでおさんも次の日っから単身フィールドワークに行っちゃうので「今日は一つおKの子守りはワタシが致しましょう」と言うお申し出があり、マルコ1日単身フリーです。

そんでマルコは夏の間、神戸の小学校巡って結構ハードなインタビュー調査をしてたんですが、その日の午前中にこの夏最後の調査を予定してて、まあ予想通りの収穫を得てこの夏の調査を打ち上げました。そして夜は京都で掲示板重鎮のダイヤさん&さるとるさん幹事のオフ会がございました。引越し以来はじめての京都中枢部です。

 神戸から京都まで移動する間大阪で2時間くらい時間が空いたので、かねてから見たかった国立国際美術館の「3つの個展」にいきました。

 入ってすぐの今村源エリアはなんだか凄い不思議でした。まあ簡単に言うと「!わ、わからん!」ってかんじなんですがテレビとか事務用家具とかの日用品が不思議に変形して、なるほど〜というタイトルがついてるんですわ。一緒に順路回ってた中学生女児と祖母らしい2人組がいたんですが、中学生女児が「え?なに?わかんなあい!わはははおもしろい〜」と素直〜に感想を述べながら歩いており、ワタシは彼女をひそかに「ワタシの心の代弁者」と名づけました。アルミパイプをつなげたオブジェの「冬虫夏草」う〜むなるほどそう来るか。ってかんじでした。

 次の伊藤存エリアは基本的に刺繍なんですがこれも不思議でした。刺繍が映像になって動く刺繍と言うより「映像作品」があったんですが、これがマルコにはわからないなりにおもしろかったです。


 そんでラストが須田悦弘エリア。超絶木彫で「花」あるいは雑草を表現してるんですが、なんかこの「孤高の花園」に到達するためにワタシは2つの不思議空間を越えてきたのかっと言う感じがしました。
 凄かったです>超絶木彫。



 上記映像は「3つの個展」関係者の掲示板重鎮A様が掲示板に投稿してくださったのを拾ったんですが、拾って良かったかな?

 A様の強力プッシュがなかったらきっと出会わなかった不思議空間でした。でもおかげさまでこの夏最高の一日になりました。

 この日一緒に3つの個展鑑賞をしていた他の観覧者もなかなか個性的でした。全身黒いレオタードのおじさん、漫画から出てきたんかって感じのステレオタイプ的芸術家ファッションの若い男性。コインロッカーで一緒になった小学校2年生くらい(当社比)の女の子がおかあさんに向かって「3つの個展、すっごくおもしろかった〜」ってため息とともに語ってたのにも非常に印象深かったです。

 そんなわけで神戸の調査と京都の飲み会と大阪の不思議の旅ととってもバランスの取れたマルコ的に最も心豊かな一日でした。京都の飲み会もそりゃ筆舌に尽くしがたくおもしろかったですわ。

 3つの個展、次の週末で最後です。未見の方は是非是非れっつごう。


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