西方見聞録...マルコ

 

 

3歳と7歳と8歳と13歳でした。 - 2005年05月24日(火)


今週、ちょっとだけ息が抜けたので、奈良県の先生たちがやっている外国籍児童の学校での受け入れに関する勉強会にオブザーバー参加してみた。
そのなかで中国残留日本人孤児の孫にあたる少女の日本移住とその後の暮らしを等身大で淡々と語る作文が本人によって読み上げられた。ついで中国残留孤児として国家賠償訴訟を係争中のもと残留孤児の老人たちが自らの体験を語るセッションがあった。今学校にやってきている残留孤児子弟の来日の背景を理解するためだと思う。

数名の元残留孤児の人がすわり、中心となる語り手さんが「中国残留日本人孤児」国家賠償訴訟大阪原告団の弁護士を聞き手にとつとつとその体験が語った。

 大地の子がドラマ化されたり、または親戚の引揚経験者の体験を又聞きで聞いたりして、なんとなく情報のあった「中国残留孤児」の体験談とは言え、本人が語るそれはなんだか凄かった。

 強行軍の中、母の背中におぶわれたまま餓死する弟。まだ暑い時期にみんな夏物の着物を着て始まった逃避行が冬の極寒の収容所の暮らしで暗転するさま。弟と妹に食料を分けて餓死するやさしかった姉。子の死のたびに嘆き悲しみやがて自分も死んでいく母。母に残された幼い姉妹を託されながら失踪する兄。死のうとして生き残った幼い姉と二人、収容所の外に出てめぐり合った中国の養父母。与えてもらえた小学校教育を元に必死で努力して得た農業共同組合の会計職。結婚。幸せな日々。すべてが暗転する文化大革命。革命の迫害の中の妻の死、養父母の死。日本帝国主義の批判を一身に浴びて自己批判を強いられる日々。応えぬ祖国。そしてようやく実現する帰国。再適応の苦悩。子どもたちの教育をめぐる葛籐。そしてあまりにも冷たく無理解な日本社会。やがて訴訟を決意するがそれへの新たなる非難中傷。

 話が終わり、退席するときずっと黙ってきいていた孤児の人の一人がマイクをまわしてもらい一言いった。

「そのときわたしたちは3歳と7歳と8歳と13歳だったです。」

 その声を聞いてはじめて実年齢よりもずっとふけて見える老人たちの後ろにあどけない彼らの子ども時代の残像が浮かんだ。そんなにも幼くして国家と国家のはざまでいかなる権利も剥奪され、一方的に与えられた苦難の中を生きることを強いられたということがはじめて実感できた。

 国家と国家のはざまで祖父母世代が奪われた教育の権利をその子やその孫の世代での日本再適応の過程で再び奪ってはならないというメッセージがとても強く響いた。





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世界がすっきりした日 - 2005年05月23日(月)



マルコはめがねデストロイヤーである。
そりゃあ子ども諸君にばっきり壊されることもあるが、マルコ本人が元気に踏み潰したりもしている。めがねやさんに再三行って修理してもらったり買い替えたりするときはひたすら『子どもが小さくてすぐ壊しちゃうんです〜』と子らの責任にしていたが、まあ私本人もかなり粗忽なのである。子らよ、罪を擦り付けて大変申し訳ないことをしたよ。

それで本日マルコは隣町でコンタクトレンズを購入した。コンタクトレンズは壊れないけど、なくしやすい。マルコのような粗忽ものには鬼門中の鬼門なのだ。そこで1日こっきりの使い捨てのものを購入した。30日間で左右合わせて5,000円ほどのを購入した。毎日装着する必要もないので講演会を聞きに行ったり、フィールドワークに行ったり、行楽に行ったりするときのみ着用する予定。30日分のコンタクトで半年は持たせようと思う。

そして早速装着してみる。世界がクリアである。

めがね無しの自分の顔を二十年ぶりにクリアに見たのだが、

「、、、年取ったな。」

というのが素直な感想である。めがねもあんまりかけずにソフトフォーカスな世界を生きていたわけだが、ソフトフォーカスな私はもっとしわも白髪も目立たなかったのだが。ちゃんと年相応につかれた顔になってるじゃないか。

クリアな自己認識っていうのはクリアな世界認識の基本だな、とつぶやいてみる。JR駅ビルのトイレで。



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のだめでさっぱり〜少女漫画及びお伽噺に見るジェンダーの刷り込みとそれへの拒否〜 - 2005年05月17日(火)

掲示板でいとなんとダイヤさんがディズニーの白雪姫をめぐってかくのごとき感慨を書いておられた。

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 投稿者: ダイヤ  投稿日: 5月16日(月)15時18分46秒
待ってるだけの存在ちゅーのが許せないんでしょうな。
でもって、4歳児のリクエストにより、今彼はスーパージェンダー古典映画「白雪姫」をまた見てます。姫の歌声が聞こえてくると微妙にむかつきますわ。


投稿者: いとなん  投稿日: 5月17日(火)14時22分33秒
>スーパージェンダー古典映画白雪姫
前にも申しましたが私は3歳のころにこれをみて
白雪姫キスで復活のシーンで突然拍手を始めたという、
すっかり刷り込まれた幼児でした。

今は野人(と私を呼ぶ者が少なからずいる)
のような人間になってしまったが、
どこかでなーんかが残っているような気がしますわ。
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「女の子が育っていく過程で出会う「物語」には幾重もの罠がいっぱいしかけられている。」みたいな話は お姫様とジェンダー女と恋愛──少女マンガのラブ・イリュージョン(藤本由香里)なんかの論考ですっぱり語られている。(ちなみに後者の藤本由香里論考はどらりんさんのHPでおしえてもらいました〜)

今大人になってそれらの『罠』満載メディアを読み返すと、いろいろわかってない子ども時代に深層心理に何事か刻まれちゃったな〜と思う。

白雪姫は王子さまと結ばれて幸せになって話は終わっている。あんなヤバイお后から娘1人守ってやれない父王が治める国がその後どうなっていくのか?姫は夫の軍勢を借りて祖国の立てなおしに乗り出さなくていいのか?とかそう言う懸念事項は姫個人の幸せの前に一切棚上げされる。

それぐらい女は王子と結婚さえすればすべてがうまく行く。という命題は『古典』の中で生き延びて、しつこく女の子が育っていく過程で語られるのだ。

前にFeliceさんちで紹介されていた世界史講義録『すべての女が望んでいるのは愛でも出世でもなく「自分の意志をもつこと」であるなんて言う泣かせるGOODな話をぜひディズニーはアニメ化していただきたいものだ。

さて、天下のベストセラーマンガ「のだめカンタービレ」の最新刊12巻が発売された。このまんがは才能あふれるのにキャリア形成がうまく行っていなかった千秋とのだめの男女の主人公を軸に展開される。千秋(男)が飛行機恐怖症というキャリア形成の阻害要因を克服すると同時にめざましく世界でみとめられていくのに、のだめ(女)は相変わらずそのあふれる才能を他者に表現する方法が見つからず苦悩を続けている。

今回、世界演奏旅行から帰ってきた千秋が、あせりで迸ってしまう情熱の行き場を見失い苦悩するのだめに「きす」して「俺はおまえの音楽が好きだから!」という場面があった。

これにたいするのだめの返答が出色だった。

(以下引用)
「千秋先輩ひとりが好きだって仕方ないんですよ!もお的はずれなことばっかり!!同情するなら金をくれって言うんデスよ!!」

最後の一文は今ひとつ意味不明だが、のだめがほしいのはたった一人の愛と理解ではなくて自分の中にある才能をちゃんと表現する事で得られる正当な評価だ、という事がとてもよくわかる場面だった。

愛なんかですべてをチャラにされてはたまらない。

そういうメッセージがベストセラーとして広く発信された事をひとまず喜びたい。今後の展開に期待。




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弟に2つ妹に1つ - 2005年05月15日(日)

なぞなぞです。
「弟に2つ、妹に1つあるものな〜んだ?」

日曜朝7時からやってるアニメ「怪傑ゾロリ」で出題されたなぞなぞです。
さあ、こたえはなんざんしょ?

1号さんはしばらく考えたのち
「たま」
とお答えになられました。
た、たま??

「1号や、“たま”とは?そのお答えのココロはいかに?」

とお伺いを立ててみますと
「弟はキOタマが2つでしょ?妹はオマタがあるからマタを反対にしてタマ」

そ、そうきましたか。どうでもいいけどその可憐なお顔で全編しもねたでせめてきましたな。ふっ、おそろしい子。

 夕方、博多出張から帰ってきたあめでおさんにも訊いてみました。
すると答えはまたもや「たま」。

、、あんたらの血のつながりもギャグのセンスも超強固な事はよくわかりました。
でもあめでおさんは1号さんほど妹が持ってる1つの「たま」はナニか論証できませんでした。

 さてなぞなぞの答えですがそれは「と」の字でした。

いもう


 ねえ、まったく。日曜の朝もはよからそんなあからさまなしもねたが公共の電波に乗ってるわけないやん。


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京都府立植物園にいく - 2005年05月14日(土)

京都府立植物園に行った。京都と大阪に住んでいる友人家族といったので3家族で合計6人のこども+3人のハハオヤが大集合した。植物園の中の広い芝生広場でまずお弁当にし、(お弁当は植物園前にある神戸屋でパンを買った。)そのあとこの植物園の誇る大温室にいった。

 大温室の売り物は『ラフレシア』の花。その他バナナやパンノキ、パパイヤなど食べられる実がなった樹がたくさんあり、そのたびにわたしとしてはおKさんがつかみかからないかひやひやした。

 ブーゲンビリアの花もあった。アフリカ滞在時代、ブーゲンビリアは私の天敵だった。ショッキングピンクの花を咲かせるやつが最も繁殖力が強く、私の家に巻き付いて電話線を切りそうになり、隣の家のおじさんに手伝ってもらってブーゲンビリア駆逐作戦なんてしたなー。と懐かしく思う。切っても切っても伸びてきて、根絶やしにしても切り株から伸びて家に巻きつく、ちょっとホラーなブーゲンビリアも、この温室ではいい子にしているのだろうか?あるいはとなりの珍しい樹に巻きついて植物園の職員さんに夜な夜な剪定されたりしているのだろうか。

 その温室で軽く男の子2名(6歳と4歳)が迷子になり、西原理恵子「毎日かあさんで描いている『男の子育児は大変』という命題は真である、という印象を参加者各位に抱かせる。

 その後温室となりの遊具スペースに行く。遊具は木で出来たシーソーくらいなのだが、所々にあるキノコの形の巨大オブジェがなかなかよい。このキノコのオブジェ、実は本棚になっておりレバーを引いて扉になっている部分をあけるとそのなかには名作絵本と児童図書がぎっちり詰まっているのである。森の中に所々置かれたベンチで子どもたちはゆっくり読書に親しめる。

 地元のライオンズクラブが本は寄贈したらしい。さすが文教都市京都。やることがにくい。斑鳩のロータリークラブも『ようこそ斑鳩へ』なんて巨大看板つくって満足していないでこういう文化の匂う次世代のための社会貢献をしたらどうだね、と軽く思う。

 『男の子育児は大変』という印象を与えた2人の男の子は本が大好きなようで、いきなり二人とも本読みにはまる。『男の子も本好きの子は、ちょっとの休息を母に与える』という新しい命題が参加者の胸に刻まれた。

 ここでしばらく子どもが本にはまっている間に母同士おしゃべり。そろそろ帰ろうかと言う時間になったところ木製のシーソーがあいたので、子どもたちが飛びつく。いろんな組み合わせで乗ってみる。何しろ2歳から、7歳まで、体重もさまざまなこどもが6人いるのでどういう組み合わせで乗るとシーソーの釣り合いが取れるか考えるだけでも面白い。子ども同士一通り乗ってみたところで6歳の少年が『お母さん同士で乗って重さを比べてごらんよ。』と提案する。嫌だよ。そんなおそろしいこと。

 そこになぜか通りすがりの老人が現われ、子どもたちをあやしてくれる。老人は子どもの喜ぶつぼを熟知しているようで、くりかえし、同じギャグ(って言ってもいないいないばあのレベル)を繰り返す。とくにうちのおKさん@3歳児ともう一人の3歳の女の子と2歳の女の子が老人のギャグにはまってものすごい大爆笑している。3人の女の子が1つ方向を向いて爆笑しているさまはまるで笑顔の花束のようだ。子どもと老人はものすごい勢いでヒートアップしていき、老人が子どもをくすぐると、子どもは大喜びで『次は私をくすぐって』、と身を投げ出す。

 老人とわかれた後も子どもたちの躁状態は治まらず、なぜかお互いくすぐり合いになってしまう。そしてさらにヒートアップした彼らは子ども集団の中で最も年長なうちの1号さんをみんなでくすぐる、という遊びをはじめる。1号さんが逃げるのを、他の子どもが追いかける。『1号!出口の方に向かって走って!』というと1号さんはくすぐられながら他の子どもたちを出口の方に向かって誘導してくれる。さすが牧羊犬の異名を持つ女。こうしてやっと私たちは帰路につくことが出来た。

 子どもたちは団子状態になってくすぐったり逃げたりしている。1号さんより体格のよい6歳少年だけはくすぐり軍団に加わらず、あんまり他の子どもがヒートアップして1号さんをくすぐったり、きついボディコンタクトをするようだとそういう子を後ろから止めて、けん制してくれていた。つまりリード役の牧羊犬(1号)とフォロー役の牧羊犬(6歳少年)がその他の子どもたち(羊)を誘導しながら駅に向かうような形となった。

 いままでも他家の何人かの子どもたちと一緒にあそばせる機会はあったが、それに比すと、今回のは「放牧」と呼ぶにふさわしい集まりであった。子どもが年々大きくなるにしたがって放牧の自立度は高まり、親は楽が出来、子ども集団のダイナミズムは増すのであろう。

 またやりましょ〜。みなさん。






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母の日でした - 2005年05月08日(日)

 母の日です。
 前日1号さんとおKさんとあめでおさんが3人で行った春日大社の神苑『万葉植物園』にて藤の花を描いた『一筆便箋』を買ってきてくれて『お手伝い券』とともにプレゼントしていただきました〜。ぱふぱふ。

 買って来たその晩からプレゼントのことを言いたくてたまらない1号さんは「ねえ、知りたい〜?明日までいえないんだ〜。でもいっちゃおうかな〜。」とたいへんな盛り上がり様でした。

 そんで朝6時起床とともにマルコにプレゼントを下さいました。マルコ寝ぼけ眼で感激。

 しかし、夕方近所のドラッグストアで買い物中「ねえねえ、プレゼント上げたんだから、このペン買って〜」とおねだりしちゃうところがまだまだ詰めが甘いです。

「1号さんや、物のやり取りには人間関係が表されます。等価交換を短期間で行うほど人間関係は遠いのです。長い時間をかけ、貸しを作ったり借りを作ったりする。そういう不平等な時間が長いほど人間関係は濃密なのです。プレゼントを上げたからといってそのひのうちに等価のお返しをもらうなんてそんな水臭い関係では私たちはありません。」

 マルセル・モースの贈与論をベースに説教してみましたが7歳児にはちと難しかったかな。

 ところでマルコ自分の母や姑についうっかりしてプレゼントの手配が遅れました。「遅れてごめんキャンペーン」というのがネットでやってたのでそれにしました。遅れてごめん。まじで。


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私待つわ - 2005年05月07日(土)

 今日は神戸の先のほうで用事があってお出かけ。娘X2は夫@あめでおとともに奈良の喘息医に行き、春日大社の神苑の万葉植物園に藤を見に行くという。
 4人で一緒に自転車で最寄駅まで行き、彼らは奈良行きの電車に私は大阪行きの電車に乗る。
 「帰りは夜7時ころになるだろう」といっておいたのだけど意外と早く、5時過ぎに帰ってくることが出来た。自転車置き場に行くとまだ夫の自転車が置いてある。これから奈良から帰ってくるらしい。先に帰って夕食作りでもしているかと思ったが、夕食のカレーはすでに夫が仕込んであるので帰っても取り立ててする事はない。ならばすぐに帰ってくるだろう夫と娘を駅で待ってて一緒に帰る方が助かるだろうと思い、駅舎で3人の帰りを待つ。

 奈良からの電車は10分に1本あるのだが、最初の1台に3人は乗っていない。10分後を待つかと思い、駅で「婦人公論」を買って母と娘の葛藤が特集されている記事なんかを読む。次の電車にも3人は乗っていない。次こそは来るだろうと、さらに待つがこない。

 10分ごとにやってくる電車に期待と失望を交互に織り交ぜながらついに1時間待ってしまった。そして1時間後の6時の電車で彼らはやって来た。おKさんの異様なうれしがり方にまあ待ってて良かったかなと思う。

 婦人公論も読み終わった事ですし。


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自転車で薬師寺、法話三昧のち写経 - 2005年05月03日(火)

 さて晴れて気持ちのいい憲法記念日。私どもは自転車で西ノ京の薬師寺を目指す事にしました。

 奈良には3つの自転車道が建設されており今年度中に3つとも建設が終了する予定。

 本日は現在建設中の明日香ー郡山線で家の近くから郡山までアプローチ。富雄川沿いを北東に進みます。



 
 そんで斑鳩ー奈良線の自転車道にクロスするのでそれに乗り換えます。自転車道は郡山市内をぬけて郡山城の横をとおり秋篠川沿いの自転車道路へ。川沿いも市内もこの自転車道路は緑色のアスファルトで利用者を導いてくれるんですが、郡山市内、この緑が途切れたりワープしたり結構フォローが難しかったですわ。




 はい。薬師寺。じゃじゃ〜ん。
私どもはこの寺を「仏教テーマパーク」と呼んでいます。とにかくすごいのよ。どうすごいかというと、、、。



 まず入ってすぐの金堂で若手僧侶が参観者を集めて10分ほどの簡単な講話をします。この10分講話は若手の坊さんが交代でやってる模様でした。薬師寺といえば名僧高田好胤さんが修学旅行相手に何千回も講話を続けた事で名高いのですがその伝統を汲んで一般参観者にも講話してくれちゃってるのです。(これはいつもなの?それともゴールデンウィークのキャンペーン期間のみ??)私は中学も高校も修学旅行で薬師寺を訪れ、坊さんの爆笑講話をきいたのですが「子ども『あの5重の塔はきれいだね。』父『ちがうよあれは6重の塔だよ』」という親子の会話が紹介され「あれは5重の塔でも6重の塔でもなく3重の塔です」という定例化し講話の笑わせどころは現在の10分間講話でも引き継がれておりました。

 そして講話の最後に『ご写経勧進』がおこなわれます。

 薬師寺の壮麗な白鳳建築は現在進行形で復元されつつあります。その巨額の工事費を薬師寺は写経勧進で捻出し、工事を遂行しているのです。くわしくはこちらこちら

 なんつうか薬師寺の経済力つうか営業力には圧倒されます。でもこういう民衆に分け入っていくパワーってのもこれからの時代必要なのかもしれません。我らが法隆寺は、ま、在り様の異なる寺ってことで。




 そんで奥の方の玄奘三蔵院伽藍

 ココには平山郁夫画伯が大唐西域壁画を奉納しており、いまは特別開廟期間でした。私たちと一緒のタイミングで中国からの3人の若者が伽藍を拝観したんですが、日本で玄奘三蔵がこうやって祀れてるのをとてもうれしそうにしてました。

 その後三蔵院近くのお写経道場で『20分ほどの三蔵についての講話をします。お寄りください〜』とまたもや呼び込みが!そこで聞きに行くことにしました。中国の若者も参加していました。ここでは生駒基達執事が三蔵の時代と三蔵の業績そしてその三蔵の教えがどのように薬師寺の法相宗へと引き継がれたかが語られました。お経(原本はサンスクリット語)を漢訳した中国の6大翻訳家のうち玄奘三蔵は一人で1300巻訳し、あとの5人は5人合わせて1200巻だった。という話なんかは聞いてたひとみんなでほえ〜と感心しました。中国の若者も一人日本語ができる青年がとても大きくうなづきながら聞き、後で他の2人に熱心に解説していました。

 そしてここでもお話のあとで『お写経のおすすめ』が!
でもなかなかいい話だったし、1号も『やりたい!』というので家族で1巻2000円の写経セットを購入し自宅でやることにしました。

 「坊さん肉弾法話営業の寺」、という気もしますが、とにかくお坊さんは拝観者にものすごくマメに話し掛けてきます。ただ営業するだけでなくこまやかに拝観者とコミュニケーションをとって仏教を理解し親しんでもらおうという一貫した哲学を感じました。






 そして帰りに薬師寺近くの九条公園に行き、アスレチックしたりなが〜い滑り台に乗ったりしました。




 でもマルコは木陰で寝ッ転がって若葉の影から覗く青空なんかを見てました。




 さて帰宅してお写経しようということでお写経セットを開きます。




 写経するのは般若心経。下に敷いた見本の上に和紙を乗っけて書き写すのです。1号さんさらさらやってました。あめでおもマルコも交代で写経させてもらいました。

 抹香臭くも楽しい1日でした。


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隣人 - 2005年05月02日(月)



 以前にもちょっこり触れたが韓流ドラマ「ほてりや〜」に相変わらず1号さんとマルコの二人組ははまっている。現在8巻9巻10巻のビデオを借りてきて、2人で暇さえあると巻き戻してみている。

 あめでおさんとおKさんはなんだかもう嫌になっているのが部屋の1部の空気がブルーなのでわかる。

 マルコは、首尾一貫よんさまにはまっているのだが1号さんはなんか様子が変だ。よんさまが珠玉の演技なさっているのに「ちょっと早送りしていい?」とか言って来るのだ。そしてなんだか良くわからないところで「ああ、も〜」とか身悶えしている。
「1号さん、あなたいったい何に、はまっているのです。」
ときいてみると
「いマネージャーと、おうマネージャーにはまっている」
という。

 いマネージャーも、おうマネージャーも究極のサブキャラクターである。いマネージャーはヒロインの先輩で口が軽くて惚れっぽくて騒ぎを大きくしてしまうけど主人公がすごい悩んでるときは絶対そばにいてあげて二人で必ずぐてんぐてんに酔っ払ってくれる姉御なのだ。ヒロインがよんさまともうひとりの男主人公の間でぐらぐらしてたり、結構複雑な状況で悩んでいるのに横で「私なんてファーストキスもまだなのよ〜」とレベルの違う悩みを絶叫してたりするのがおかしいやらかわいいやらである。時々繰り広げられるヒロインとの取っ組み合いのけんかもなんつうか面白い。

 一方おうマネージャーのほうは意地悪なおじさんの役でヒロインやよんさまじゃない方の男主人公にこれでもかと嫌がらせをする。でも最後はいマネージャーへの愛に目覚めて突然いい人になる。そして最終回でいマネージャーと、おうマネージャーはすでに結婚しており子どもが出来ました〜なんて描写まである。

 1号さんはこの二人のサブキャラに夢中なんである。
 
 夜寝てても「ねえねえ」と横で寝ているマルコを起こし「いマネージャーとおうマネージャーはどんなところで結婚式を挙げたんだろう」とか文字通り「んなこと知るか!」な質問をなさる。

 韓流ドラマはやっぱり隣の国をものすごく身近にしたんだなと思わせる。きゃ〜と騒いで終わりじゃなくて、映像を通じて生き生きと伝わったお隣の国の断面は「おんなじだね〜」とか「へえそうか」とか「おもしろい」という身近な感慨を私たちに持たせ、「もっと知りたい」「どうしたら仲良くなれるだろうか」という気持ちを呼び起こしていく。

 私が生まれた国がかの国にもたらしたさまざまな不幸もそして今現在もそのときのことが原因で続いている不幸も理解し、かつ乗り越えていこうと強く思う。

 図書館で某S新聞の「産O抄」なんて読んじゃうと、かの国のことをものすごく嫌ってるんだな〜という暗いパッションが伝わってくる。そう言う人の論を聞いていると、なんだかこの度の中韓の反日行動をすごく喜んでいるように感じる。喜びにわく人々に「じゃあ、あなたは最終的にどうしたいの?」と問い掛けたい。

 誰にとっても最終目標は「和解」であり、「共生」なのではないだろうか。そのためのディスカッションを重ね、知恵を絞り、方策を探っているのではないのか。

 なんか聞いてるとどうもそうじゃない人がいるような気がするこのごろの日本なのでした。

 とココまで書いて投稿しようと思ったらまたしても内田樹先生が5月2日のエントリで「ナショナリスト(民族主義者)」と「ショーヴィニスト(排外主義者)」について書いていた。そうそうそういうことを言いたかったの。





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おKさんを取り巻く人々 - 2005年05月01日(日)

さてこのごろ話題に上りにくい次女おKさん。元気でむちむち太ってます。ついでにこの前誕生日で3歳になりました。最近の得意技は「なんてことするのよ〜」と「Kちゃん、いうこときかないよ!」と絶叫する事である。プリキュアのまねして姉と戦いながら「ぶらっくさんだ〜!いうこときかないわよ〜」と口で攻撃している。

 さて、その自称反抗期のむちむちおKさんは新年度担任は3年連続であのおKさんに母親以上に似ていると評判の保育士さんが就任してくださいました〜やんややんや。おKさんとそっくり担任のI先生はますますそっくりです。絶対どこかで血がつながってるとしか思えない似方をしています。

 他に担任は3名いて、計4名のスタッフが2歳児クラスを見てくれてるんですが1名、町内のアナザー保育園から転任してきた先生がいます。今日はじめてお目にかかったのですが、、、あ、あなたさまは!

 なんと1歳児クラスまでクラスメートやってたR君のままではありませんか。産育休で1歳児クラスの途中からお休みしてたR君。ままの転任とともに本人がアナザー保育園に転園になったそうです。

 R君のままにとっては以前の息子の担任が同僚になり、前の自分の同僚が今度は息子の先生になったわけですな。ついでにまま友がクライアントになり前のクライアントがまま友に早代わりと。なかなか忙しい意識変革な春だったことでしょう>Rまま。1年間よろしく〜。



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