東南アジアサッカー調査メモ...ogaoga2k

 

 

これぞアジアン・クラシコ - シンガポール・マレーシア - 2005年05月24日(火)


さて、シンガポールとマレーシアは、どっかの東アジアの2国
のようにお互い「ばーか、ばーか」と言い合うライバル関係にあるのは、
僕も色々読んで理解できてきたのですが、そんな2カ国も、いざ離れて
みるとお互い寂しいということに気づいたようです(笑)


というわけで、ここ数年で代表の定期戦に加え、クラブの伝統の一戦も
復活しました。

それが、今回取り上げるスルタン・オブ・スランゴール・カップで
あります。



以下を読む前に…


 スランゴールとは、マレーシアの州の名前です。
 クアラルンプールのすぐ隣です。

 The-afc.comではセランゴール、と書かれています。


 文中のマレーシアカップとはここの歴史を参照。

 マレーシアとシンガポールサッカーの歴史のおさらいはコチラ



それでは、マレーシアのスランゴール州とシンガポールとの
伝統の一戦に関する記事をどうぞ。


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■大いなる歴史

SOCCER: A rich history

2005/05/22


スランゴールとシンガポールとのプライドを賭けた戦いは、今夜
第4回スルタン・オブ・スランゴール(SOS)カップでまた燃え
上がることになる。


このライバル関係は1921年にさかのぼり、1980年代初めに
頂点に達した。

だが、シンガポールがマレーシアリーグから撤退してこのカードは
突然消滅、その後10年間も観る事はできなくなった。


当然、このライバル関係を復活させるアイディアがスルタン・
シャラフディン・イドリス・シャーから2001年にリージェント
カップとして提案され、それはコーズウェイベイ(※マレーシアと
シンガポールの国境)を超えてシンガポールに伝わった。




オールドサッカーファンは、スランゴールとシンガポールとの
対決を素晴らしい伝統の一戦として捉え、その熱狂と感情の
揺さぶりはある種独特の雰囲気を作り出していたのを覚えて
いるだろう。



この試合では主催者達は当然、自身の優位を証明するために
先鋭を選び出してムルデカ・スタジアム(※マレーシア)、
そしてカランの国立競技場(シンガポール)という舞台に
向かったものだった。



スランゴールとシンガポールとの激突は、リオデジャネイロや
ブエノス・アイレス、アンフィールドやノウ・カンプ、それに
サン・シーロの様なライバル同士のぶつかり合いではないかも
しれない。



だが、今はマレーシアカップとなっているが当時のマレイ・
カップの大注目カードであり、今回の試合では素晴らしい要素
足りえるものだ。


SOSカップは、現状のチームによるこの対戦を不朽のものに
するとともに、ベテラン選手や引退した選手達のチームも試合
を行い、古き良き時代を懐かしむことも出来る。



シンガポールのジャラン・ベサール・スタジアム、プリンス・
ロードスタジアム(現ラジャ・ムダ・スタジアム)、そして
カランの国立競技場、ムルデカスタジアム、シャー・アラム・
スタジアム…これらのスタジアムは、南のライオン(※シンガ
ポールの当時の愛称)と赤い巨人(スランゴールの愛称)との
戦いを見てきた証人だ。



スランゴールとシンガポールは、マラヤ・カップ決勝戦で17回、
マレーシアカップで6回の対戦を数え、また多くのリーグやカップ
戦でも対戦してきた。



1921年と1940年までの間に、この2チームは15回対戦し、
シンガポールは8勝、スランゴールは5勝している。1928年と
90年は同時優勝だった。


シンガポールが1995年にMリーグを去ってその後独自の
リーグを創立し、マレーシアのサッカーにおける重要なイベントは
終わりを告げた。


だが、SOSカップは、単なる古き良きドラマや情熱の復活を
目指しているだけでなく、オールド・サッカーファンと若い
ファンにとっての新たなる船出をも目指しているのだ。

                                                                                                   (以下略)

The Malay Mail(05/22)
-----

この試合、外国人を4人まで出していいのであります。

シンガポールはSリーグ選抜ということで、日本の中村選手も
出場しておりました。


が、結果は3−1でスランゴールが勝利。インドネシア代表の
バンバンとエリ・アイボイが大活躍したのであります。


ちなみに、この試合8万人から9万人が集まったそうで、
試合を観に来たスランゴールのオネーちゃんも、イングランドの
FAカップみてーだった、と喜んでいる記事も出ました。



でも、スランゴールは今はプレミア1(2部リーグ)に居ます。
来期は昇格すると思いますが。




それにしてもウラヤマシイのは、1921年から繋がる因縁の対決、
ですね。


うーむ、これぞアジアン・クラシコ。


第1回天皇杯から延々とお互い"サッカー"でバカヤロウ!と言える
関係を持っていた、というのは、なかなか凄いんじゃないで
しょうか。



あと、さすがだなー、と思うのは、マレーシアとシンガポールって、
結構前座試合で、往年の選手同士の対戦やったりするのです。

両国のサカヲタ・オッサンは結構嬉しいんじゃないかなー、と思います。




ま、ウラヤマシイとか言ってみても、どうひっくり返ったって、絶対に
追いつくことが出来ないのは歴史。

でも、僕らはそれを作っていくことができるわけで、そう考えると僕が
かもめ野郎!と罵るのは、ある意味サッカー的には正しいのだ!

それが歴史なのじゃい!

……と言ってみても、毎度全く相手にされていない気もするが。



つーわけで、明日はPSMマカッサル戦じゃー!

レッドフィッシュがカモメやろうを水の中に引きずりこんだる。
もちろん、ハンデを4点差もらった上でだ。


...

ドラゴン、ちょっとだけ微笑んでみる - タイ - 2005年05月22日(日)

数時間ほどバンコク市内に行ってきたので、W杯最終予選で
日本代表と北朝鮮代表が戦う、スパチャラサイ・スタジアムを
見てきました。

スパチャラサイ・スタジアムは、高架電車の駅から歩いて数分、
という素晴らしい環境にあります。んで、駅からスタジアムが
見えるぜ!と思ってカクテルライトを頼りにそこに行ったら、
それはテニス場でした。ぎゃふん。



というわけで、こりゃ違うと思い歩いていくと、スタジアムのバック
スタンド側に出てきました。



横にはアジア大会1970の入賞者の名前が並んでいます。日本人の
名前もちらほら。



そこで、どっかのスタッフかなんかが出てきたので、色々話をすると
メインスタンドから中には入れるかもしれないから行ってみろ、という
ことでテコテコ歩いていくと・・・。




素晴らしいツラがまえである。といっても、このツラは横顔で、
ホーム側ゴール裏に当たるゲートとなります。オメガってのが
ダンディーですね。




スパチャラサイにくっついているFAT(タイサッカー協会)。



今回は本当に時間が無かった上に、お土産ももっていなかったので
入るのは断念。



やはりスタジアムにサッカー協会がくっついているというのは
東南アジアでは一般的なんですね。



そしてこれがメインゲートになるんじゃないかと思いますが、



タイ国観光スポーツ省のオフィスの看板があることからすると、
違うかもしれません。



あー、中も観てえなぁ、と思い、個人的に写真を撮りたいとか
オフィスで聞いてみたところ、ココじゃなくて他のとこで聞いて
と言われました。

というわけで言われたゲート7にあるオフィスで聞いて見ると、
いいよーとのことなので、お礼をして中に入ってみました。


ホーム側ゴール裏方向からメイン席を撮影したもの。
トラックはあるものの、結構立派です。




貴賓席が豪華なのが、王国を彷彿させます。



そんで、これが全体の雰囲気。合成してみました。




メイン以外は、アジアでよく見かける座席なしで階段上に座る
形式のものだと思います。

むかしACLでこのスタジアムに遠征した、とある鹿サポさんに
言わせると、この座席なしの観客席を見たとき

”アジアだー、アウェイだー”

と思って結構感動したそうです。ちょっと座りたかったんですが、
まあしょうがない。


あと、なぜか樹木が植えてあるのもちょっとナイス。
ちょっと庭園風味。




お次は、サカヲタがタイの街を歩くと目に飛び込んでくるものをば。



・BECテロ・ホール



ご存知、タイの強豪BECテロサーサナ、の親会社BECテロ
グループの保有するコンサート会場のようです。

BECテロはTV局は持っているわ、Sony Music BEC TEROという
音楽レーベルもあるので、CD屋じゃすごーく名前を目にしました。

日本のイメージだと、東芝EMIと日テレとホリプロがくっついた
ような感じなのかも。



・クルン・タイ・バンク



ACLに出場しているクルン・タイ・バンクさん。

街のATMでよく目にしたのは、このクルン・タイ・バンク
(KTB)と、サイアム・コマーシャル・バンク。

KTBのマークはカッコイイです。

サッカーで有名なのは、このKTBとバンコク・バンク、そして
タイ・ファーマーズバンクがありますが、後者2社は目にする機会は
あまりありませんでした。(見落としている可能性大)



・オーソットスパ



清水エスパルスが戦ったことがあるオーソットスパ。オソスパとか
書かれる場合もあります。見た目の通り、栄養ドリンクを生産している
メーカーであります。とはいっても、味はちょっと液状風邪薬っぽい、
甘ったるいシロップみたいな感じ(毎日飲んだ)。

これが一番栄養ドリンクでメジャーなのか、と現地の人に聞いたら、
一番人気は日本のリポビタンDだ、と言っておりました。



・タイ・タバコ・モノポリー



今季タイリーグで優勝したタイ・タバコ公社です。もちろんタイの
タバコについています。んでも、タイのタバコは、ジャケに肺の生体
写真とか、ヤニだらけの歯とかを見せつけ、買う気をなくさせます。
買ったけど。



・タイガービール



我らがご存知、シンガポール産のタイガービールは、結構タイでは
苦戦している模様で、象さんビール(チャンビール)やシン(ハ)
ビールの前では、マイナー扱いです。


ちなみに、チャンビールはエヴァートンのスポンサーでもあります。
TVでは、テーラテップ”リーソウ”(多分)とエヴァートンを起用した
CMが打たれたりしておりました。


また、現地のタイ人は、タイガービールは不味いよー、と言って
おりました。それを聞いて、なぜかムッとする俺(笑)。




というわけで、短い時間のバンコクレポでございました。


PS.

あ、あとどーでもいいですが、元タイ代表で、現在ベトナムの
ホアン・アインジャライでプレイするMF、ドゥシット・チャラム
サーンは、すげー大酒飲みだそうです(笑)


...

ACL2005グループF 横浜Fマリノス-BECテロサーサナ - タイ - 2005年05月07日(土)



4月20日に三ツ沢で横浜FM対タイのBECテロサーサナ、
を観に行ってきました。もちろん試合はAFCチャンピオンズ
リーグ2005であります。


前に行ったACL第1戦の中国・山東魯能戦


「これは日・中王者同士の対決である!
 つまり、席が込むに決まっておる!」


と2時間前に行ったら、メイン席はガラガラだったので、
まー平日&ACL&タイのチーム、なら30分前でも
良いだろう、と思いそうしたらやっぱり好きなところに
座れたのでした。



すでにピッチでは、ウォーミングアップを開始していた
BECテロサーサナ。実は、BECテロサーサナを生で
見るのはこれが3度目です。





以前はシーマッカや、ドゥシットなどなど、デカイだの
ウマイだの居て、結構タマランばい、ハァハァ状態だった
のですが、今回のメンバーでそういった華があるというか、
わかりやすい選手は個人的にダッサコーンくらいしかおらず、
チームが小粒といえば小粒な面子のイメージでありました。


まあ、当時のナイス選手はみんな国外のリーグに移籍
してしまったので、仕方が無いといえば仕方が無いですが。



その上、報道によると国内リーグ開幕時はアルゼンチン人だの
パラグアイ人だの入れまくり、こりゃあすげぇや、とか思って
いたのですが・・・

でも、あれよあれよと不振が続き、今や(4月20日当時)
国内リーグでは降格争いをやっているわ、監督交代するわ、
外国人はタイ人より使えネー、と監督がみんなクビにして
しまうわで、

 かなりヤバイ状態なんすよ

ということばっかり伝わってきており、今回はあんまり
アップセットは期待できないかなーと思ってました。



んでも、この試合の俺の注目は、テーラテプ”リーソウ”
ウィノチャイ。



彼は、昨年も磐田戦にちょびっと出ていた選手でしたが、
イングランドのクリスタル・パレスのユースでプレイ
しており、最近はエヴァートンにも留学していた上に、
タイのギャルサポに大人気、な選手でもあります。

(エヴァートンからクラブの対応が好かん、と怒って
 帰ってきましたが)


どんな選手なのであろうか、とか思っていたら、またもやカモメ
やろう達が傘をグリグリまわし始めて、コーヒールンバかなんか
がスタジアムに響き始めます。




そして選手入場。コレがBECテロサーサナスタメンだッ!
いけ、ファイヤー・ドラゴン(愛称)!



カモメやろうなんざ、やっつけたれ!

コーヒーにココナツミルク入れて、ルンバなんぞ歌えん
ようにしたれ!


(なぜ俺が横浜FMに敵意むき出しなのかは、
 昔の日記を読んでください)

ちなみに、メンバー表だけ見ると、
 

 
2−3−5、というとんでもない構成なのですが、
実際はこーでした。
 
 
        11        8
      チャクリット     テーラテップ
 
 
   21     13    26     22
ワチャラコーン  タナット  ジャカプン  パナイ
 
 
    10     6    15    24
  ジャトゥポン タノンサク パイサル ピヤタス
 
 
            18
            マナ


普通、東南アジアのチームが日本に来ると、押されまくって
無茶苦茶になるか、引いてトップが残る、という場合が多く、
フォーメーションを探るにはキックオフ直後とか、点を入れ
られてリスタートのときぐらいしか把握しづらいのですが、
非常にテロ・サーサナはわかりやすかったのであります。


初めてテロサーサナを観た時、同席した方が

 「ものすごく綺麗なDFラインだ!」

と感動しておられていたのだが、今回初めて自分もそう思いました。
当時はわからんかったけど。




んで、試合は横浜FMの調子が悪かったのと、テロサーサナが
組織的でナイスなディフェンスを繰り出す上に、右サイドから
前に美しいスルーパスが何度も出たりして、

「こ、これが降格圏のチームなのか・・・」

とかなりビビらされました。


メインで座っていたので、前半はテロサーサナの右は奥の方と
なっており、誰かわからんかったのだが、どうも22番の
パナイの様であります。



後で調べると、どうも彼もクリスタル・パレスでの留学経験が
あるらしく、タイU20、U23の代表でございました。



そんな彼を経由してボールが動くことが多かったのですが、
今回のテロサーサナは少し攻撃に迫力がなく、ACL03の
ときとかのように、

 MFターサックのダイナモっぷりが効くぜ!とか、
 大型哺乳類のシーマッカに当てるんじゃー、

というような、得点の匂いというか、ゴールへ向かう迫力が薄い
とこが不振につながってるんだろうなぁ・・・と感じさせられたので
あります。



それでも、11番FWチャクリットの運動量はすばらしい。
小さいトコも、ちょっと鹿島の深井を感じさせる。
(右の写真は沙悟浄みたいだが)




そして、キャプテンでセンターバックのタノンサックも
何度も横浜の攻撃をつぶし、キャプテンシーを発揮していた。



イカス指示っぷり。こーいう手の動きが似合う選手が俺は好み。




期待していたテーラテプは、個人能力みたいなのは感じたけど、
うーむ、少しチームで目立っていなかったです。
顔は確かにカワイイけど。。




前半はかなーり頑張っていたテロサーサナでしたが、前半終了
間際に決められ、後半はじめにも許してしまったので、


 あちゃー、先制されるとアセアンのチーム崩れるからなー。
 0−4とか行っちゃうかもなー


とか思っていたのですが、GKマナのすばらしい反応(マジで
スバラシイかった)&横浜の不調で、なんとか0−2で
終わらせました。



まあ、アウェイで東アジアのチームに2点差というのはかなり
いい方だったと思います。



このチームが降格争い、つーんだったら、来年のACLは期待
できるぞ、タイ!





・AFCチャンピオンズリーグ2005予選グループF

 2005/04/20 横浜FM 2-0 BECテロサーサナ(タイ)
 
 得点者:44' 坂田大輔(横浜FM)、56' 安貞桓(横浜FM)
 
 
●BECテロサーサナ・スタメン

GK: 18 マナ Mana Nopnad
DF: 6 タノンサク Thanongsak Pajakkta (Capt)
24 ピヤタス Piyatas Vongviboon
MF: 13 タナット Tanat Wongsupphalak
15 パイサル Paisal Pona
26 ジャカプン Jakkaphun Kaewprom
FW: 8 ティーラテップ Teerathep Winothai
10 ジャトゥポン Jatupong Thongsukh
11 チャクリット Chakrit Buathong
21 ワチャラコーン Watcharakorn Klaitin
22 パナイ Panai Kongpaphan

SUB:
GK: 14 チャラームキアット Chalermkiat Sombatpan
MF: 7 ダトサコン   Datsakorn Thonglao
: 16 サクチャイ Sakchai Yuntasri
DF: 30 ポーンプロム Pornprom Chankrachang



●対戦データ

YFM : : BEC
----------------
17 :SHT: 2
6 :GK : 16
10 :CK : 0
16 :CFK: 15
2 :KFK: 11
2 :OFS: 10
0 :PK : 0



●ペヨン監督代行(BECテロサーサナ)記者会見コメント


 ペヨン監督代行(BECテロサーサナ):

「一言でいって、いいサッカーができたと思う。実は、今日は若手主体のメンバーだった。主力の選手たちはタイの国内リーグでケガをしていた。また若い選手に、この舞台で経験を積ませたいという狙いもあった。」

 http://www.jsgoal.jp/club/2005-04/00018427.html


●岡田武史監督(横浜FM)記者会見コメント

 岡田武史監督(横浜FM):

「前半、久しぶりに試合に出た選手たちが多いこともあって、なかなかボールが収まらず、相手がしっかりラインを引いて組織で守ってきたので、ロングボールで攻めてもこぼれ球を拾うことができなかった(以下略)」

 http://www.jsgoal.jp/club/2005-04/00018426.html


●試合後の横浜FM選手コメント

 坂田大輔選手(横浜FM)

 Q:相手のBECテロサーサナについては?

「ウチのほうが戦力的にまさっているので、頭を使ってサイドから攻めれば大丈夫だと思っていた」

 http://www.jsgoal.jp/club/2005-04/00018428.html


●ゲームレポート

順当な勝利、連戦の起用もプランどおりに [ J's GOAL ]
横浜Fマリノス公式




...



 

 

 

 

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