読書の日記 --- READING DIARY
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 反乱―2099恐怖の年〈4〉/ジョン・ピール

『反乱―2099恐怖の年〈4〉 2099恐怖の年 (Book4)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 190 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445409 ; 4 巻 (2003/03)
内容(「MARC」データベースより)
トリスタンは、クワイエタスが育てた三体目のクローンだった。次第に明らかになるクワイエタスの恐ろしい人類滅亡計画。トリスタンは世界を救えるのか。近未来SFシリーズ第4巻。

カバーより
ジュニアとともに、氷の要塞、南極刑務所アイスから脱走したトリスタンは、無法地帯アンダーで、もと恋人のモラと再会する。そして、クワイエタスの恐るべき人類撲滅計画を知ることになる。そのころ、火星では、クワイエタスが不穏な動きを見せていた。


2005年07月31日(日)
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 脱走―2099恐怖の年〈3〉/ジョン・ピール

『脱走―2099恐怖の年〈3〉 2099恐怖の年 (Book3)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 192 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445301 ; 3 巻 (2003/03)
内容(「MARC」データベースより)
ウィルス作成の犯人として逮捕されたトリスタンは南極刑務所へ送られるが、脱出をはかる。その間にも謎の組織クワイエタスは火星へ侵攻を始めていた。2099年を舞台にしたSFシリーズ第3巻。

カバーより
デヴォンとの対決のため、宇宙ステーション・オーバールックにむかったトリスタン。だが、ニューヨークを壊滅させたウィルス<終末の日>の作成者として逮捕されてしまう。デヴォンは、クワイエタスの支配を抜け出し、月の住民を恐怖で征服した。ウィルス<終末の日>への唯一の対抗手段をもつトリスタンが、南極刑務所アイスに投獄された今、デヴォンの凶行はもはや誰にも止められないのか?


2005年07月30日(土)
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 裏切り―2099恐怖の年〈2〉/ジョン・ピール

『裏切り―2099恐怖の年〈2〉 2099恐怖の年 (Book2)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 182 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445204 ; 2 巻 (2003/03)
内容(「MARC」データベースより)
コンピュータウイルス「終末の日」により、世界は大混乱に。犯人として警察に追われるトリスタンは、たった一人で謎の組織に立ち向かう。2099年を舞台にしたSFシリーズ第2巻。

カバーより
デヴォンの作成したコンピュータウィルス<終末の日>がはなたれ、ニューヨークの街は一瞬に壊滅した。驚くべきことに、デヴォンとトリスタンは、まったく同じ容姿をしたクローンだった。デヴォンの暴走を止めることができるのは、同じ遺伝子の頭脳を持つトリスタンしかいない。ところが、思わぬ裏切りがトリスタンを待ち受けていた。


2005年07月29日(金)
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 終末の日─2099恐怖の年〈1〉/ジョン・ピール

『終末の日─2099恐怖の年〈1〉 2099恐怖の年 (Book1)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 217 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445107 ; 1 巻 (2003/02)
内容(「MARC」データベースより)
全世界がコンピュータ管理されている2099年。トリスタンは自分の出生の秘密を探るうち、謎の組織の陰謀に巻き込まれていく。未知のウィルス「終末の日」とは? 近未来SFシリーズ第1巻。

カバーより
政治、経済、交通機関、食糧など、すべてが、コンピュータのネットワークでむすばれた2099年の地球。人類は永遠の平和を手に入れたかに見えたが・・・。世界各地で異常な大事故が起こる。原因は、プログラムへの未知のウィルスの侵入。いずれも天才的な少年ハッカー、デヴォンのしわざだった。ニューヨークに住む14歳のトリスタンは、ある日、自らの出生の謎を追ううち、「クワイエタス」という言葉にたどりつく。時を同じくして、デヴォンの作成した破滅のウィルス<終末の日>が起動の瞬間を待っていた・・・。


2005年07月28日(木)
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 Harry Potter and the Half-Blood Prince (Harry Potter 6) (US)/J.K.Rowling

『Harry Potter and the Half-Blood Prince (Harry Potter 6) (US)』/J.K. Rowling
ハードカバー: 出版社: Scholastic ; ASIN:0439784549 ; (2005/07/16)
From the Publisher
In the fifth and most recent book, Harry Potter and the Order of the Phoenix, the last chapter, titled "The Second War Begins," started:

'In a brief statement Friday night, Minister of Magic Cornelius Fudge confirmed that He-Who-Must-Not-Be-Named has returned to this country and is active once more.
"It is with great regret that I must confirm that the wizard styling himself Lord - well, you know who I mean - is alive among us again," said Fudge.'

Harry Potter and the Half-Blood Prince takes up the story of Harry Potter's sixth year at Hogwarts School of Witchcraft and Wizardry at this point in the midst of the storm of this battle of good and evil.

The author has already said that the Half-Blood Prince is neither Harry nor Voldemort. And most importantly, the opening chapter of Harry Potter and the Half-Blood Prince has been brewing in J.K. Rowling's mind for 13 years.


2005年07月26日(火)
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 Black and Blue/Anna Quindlen

『Black and Blue』/Anna Quindlen (著)
マスマーケット: 384 p ; 出版社: Dell Pub Co ; ISBN: 0440226104 ; Reissue 版 (1999/02/02)
Amazon.co.jp
学童期の少年の母であり、看護婦という職業を持つフランは、警察官である夫から日々、暴力を受けていた。夫のもとを離れなかったのは、息子から父親を取り上げられなかったから。家を手放したくなかったから。そして、夫をまだ愛していたから。しかしついに、名前を変え、見知らぬ場所で暮らすことを決心した。発覚することにおびえ、息子が時折見せる暴力的な性質に戸惑う。新たな生活もまた、彼女にとって平穏なものではなかった。

夫や恋人からの暴力「ドメスティック・バイオレンス(DV)」の深刻さを、被害女性の逃亡生活を通してドキュメンタリータッチにつづった社会派小説。本書では、暴力への恐怖、被害者である羞恥、分割しがたい愛情と憎悪、母としての責任など、被害を受けた女性の複雑な心境が過不足なく語られている。悲惨な暴力とは裏腹に、淡々とした文章で紡がれる主人公の日常は、DVが特別な場所・特定の人物にのみ降りかかるものではなく、誰の日常にも起こり得る身近な問題であることを認識させる。そして、そばから「なぜ逃げないの?」と言えるほど単純ではない、問題の根深さを知らされるのだ。

著者は、1992年にピューリッツァー賞を受賞したコラムニストで、かつ、日本でも前作『幸せへの扉 世界一小さなアドバイス』が話題となった女性作家である。

出版社/著者からの内容紹介
NYに住む看護婦のフランは警察官の夫の暴力に耐えきれず、息子を連れフロリダに移り、別人として生活を始める。DV=ドメスティック・バイオレンスの悲劇。ピュリッツァー賞受賞作家のベストセラー。

2005年07月22日(金)
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 The Last Time They Met/Anita Shreve

『The Last Time They Met』/Anita Shreve (著)
ペーパーバック: 14 p ; 出版社: Back Bay Books ; ISBN: 0316781266 ; (2002/01/22)
出版社より
52歳の詩人として活躍するリンダとトーマス。久方ぶりに文学フェスティバルの会場でトーマスは過去を思い起こす。共に過ごした月日、離れていた月日を語り合う2人。26歳の2人のアフリカの地での出会い、そして17歳の2人。全米280万部ベストセラー『パイロットの妻』の作家が描く、純粋無比の恋愛小説!



Anita Shreve の『The Last Time They Met』を読み終えたが、恋愛小説とはあるものの、大部分は不倫の話だから、そもそもがあまり好きではない内容なのだが、しかしこの小説にはとんでもない仕掛けがしてある。最後の最後に、えっ!と思わせる。

話は52歳から始まり、どんどん時を遡る。最後が17歳である。17歳のとき、二人は確かに恋愛をしていた。そうして時が過ぎて行ったかのように見えるが、実は・・・。話を始める主人公は女性だが、そこにも謎があるといった具合。

アニータ・シュリーヴは、以前にも 『The Pilot's Wife』 を読んでいる。そういえば、これも不倫の話だったか。特別好きな作家でもないのだが、なんとなく買ってしまう。気が付けば、好みでもない不倫話を読んでいる羽目に陥っている。「恋愛小説」としてくくられてしまうと、何か違うような気がする。それだけではない、もっと深い内容だと思うのだが、「恋愛小説」としたほうが、売れるのか。

でも、『The Pilot's Wife』は当初ミステリとして紹介され、なんだこれは?と、ミステリファンから失望の声が上がったが、実は恋愛小説なのだ。とそんな風な状況だと、恋愛小説だと言ったほうがいいように思うが、ロマンス小説とはまた違って・・・と、ややこしい。

まあ、良くも悪くもない、適当な小説ってところだろう。次にアニータ・シュリーヴの本を読むときには、不倫話じゃないものを読みたい。私の場合、不倫てだけでマイナスになってしまうから。それがどんなにきれいに描かれていようとも、けして美しい小説だとは思わないし、純粋とも思わない。自分たちが良くても、そのせいで泣いている人が必ずいるわけだから、私個人はそういう話はどうしても好きになれないのだ。

しかし今回の小説に関しては、とんでもなく純粋だったんだなあと驚く。おそらく女性のほうが強いから、文字通り女性が主人公だった場合には、ここまでの話にはならないだろうけれど。でも、恋愛のピークの時にあのような状況に陥れば、男女ともにありうることかも。

わけのわからない文章で、なんとも・・・という感じだが、これは種明かしの出来ない小説の部類だから、ハリポタ同様、黙して語らずのほうがいいだろう。「ハリポタ6」と違って新作というわけではないし、翻訳も出ているから、今さらどうということもないだろうが、沈黙は金なりだ。余計なことは言わないほうがいい。




2005年07月21日(木)
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 Neverwhere/Neil Gaiman

Neverwhere/Neil Gaiman (著)
ペーパーバック: 352 p ; 出版社: Headline Book Publishing Ltd ; ISBN: 0747266689 ; (2000/11/02)
内容(「BOOK」データベースより)
善良な一市民であるリチャード・メイヒューは、ロンドンの道ばたで怪我をした少女を助けたときから、彼のごく普通の暮らしは一変してしまう。その瞬間から、彼は夢にも見たことのない世界へ投げ込まれ、そこでは闇のサブカルチャーが、町の下にある廃線となった地下駅や下水の中で栄えたのだ。彼が知る世界よりはるかに奇妙で危険な世界が…。

※画像は Amazon.co.uk のものなので、割引率が違います。


2005年07月20日(水)
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 エデンの東(上・下)/ジョン・スタインベック

『エデンの東(上)』/ジョン・スタインベック (著), 土屋 政雄 (訳)
単行本: 397 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152086327 ; 新訳版 版 上 巻 (2005/04/21)
内容(「BOOK」データベースより)
20世紀アメリカのもっとも偉大な語り部が、冷徹な筆致と装だなスケールで描く父と子、家族、そして人間の自由の物語。

時は19世紀。厳しくも雄大な自然に囲まれた開拓地カリフォルニア州サリーナスは、限りない希望を胸に抱く人々で溢れていた。その一人、厳格な父の命で心ならずも参加した戦争に疲弊した男アダム・トラスク。美女キャシーとの結婚にみずからの幸せを見出したアダムは、妻と生まれてくる子どものために永遠の楽園を建設しようと決意し、農夫にして鍛冶屋、天才発明家でもあるサミュエル・ハミルトンに手助けを求めた。

だが、キャシーを一目見たサミュエルは、彼女の冷たい眼差しと奇怪な振る舞いに気づき、その得体のしれない邪悪の影に身震いするのだった──

アメリカ文学史上に燦然と輝くノーベル賞作家畢生の大作が新訳で登場。


『エデンの東(下)』/ジョン・スタインベック (著), 土屋 政雄 (訳)
単行本: 493 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152086335 ; 新訳版 版 下 巻 (2005/04/21)
内容(「BOOK」データベースより)
父と子の葛藤はなぜ繰り返されるのか?人間の自由な心とは何か?瑞々しい新訳で蘇るスタインベック文学の集大成。

妻キャシーが家を去り、失意の深い底に沈んだアダム。懸命な中国人の召使リーによってトラスク家の生活は守られていたが、アダムの心は楽園への夢から遠く離れ、生まれてきた双子さえ目に入らないまま長い年月が過ぎた。だがやがて、自らの死期を悟ったサミュエルは、凍てついた友人の心を絶望から救うためキャシーの邪悪な真実を明かしてしまう・・・。

一方、双子は父親の愛なく思春期を迎えた。愛らしく純真なアロンとひねくれ者のキャル。町育ちの美しい少女アブラと仲睦まじくなっていくアロンを横目に、孤独なキャルは自分でも分からない何かを探し求め、深夜の街を徘徊しはじめる──


『エデンの東』を読み終えた。上下に分冊されている本の常で、下巻は一気に読み終えた。前にも書いたが、さすがノーベル賞作家だ。とはいえ、ノーベル賞作家が、どれもいいと思うとは限らない。というより、さすが!と思ったのは、おそらくスタインベックが初めてだと思う。小説として完璧だと思った。

この本を読みながら、何度涙したことか。この作品には、人間が経験するほとんどの感情が込められているのではないかとさえ思った。愛する喜び、愛されない悲しみ、拒絶の痛み、罪の意識、嫉妬、憎しみ、生きることの苦悩などなど、私の言葉では表しきれないが、そういう意味で、なんと豊かな作品だろうと思った。

それに、物語の作りや章の切り方など、心憎いほどだ。特に人が死ぬところなど、「死」という言葉をあからさまに出さなくても、いくらでも表現は可能なのだと知った。例えば、「トムは雄々しい男だった」。これだけで、トムという人間が死を選んだことがわかるなんて、いかにそれまでの文章が緻密に書かれているかがわかる。

もちろん、そのあとに葬式やら何やらの話があって、いかにぼんくらな人間でも、前後合わせて考えれば、トムが死んだことくらいはわかるのだが、余計な言葉を出さないというのが、どれだけ効果的か、改めて学んだ気がする。

この作品は名作だし、現代の他の作家の作品と比べるのもどうかと思うが、この前に 『The Secret Life of Bees』 を読み、これもたまた親の愛を感じたいという話であった。私は正直、それにはあまりはまれなかった。主人公リリィの悲しみがわからないなんて・・・みたいなことも言われたが、こりゃしょうがないやと思った。だって、作家が下手なんだもの。スタインベックの作品に比べたら、あれはファンタジーだと思った。といって、けしてファンタジーを馬鹿にしているわけではないが。

人間の犯す罪や感情に真摯に向き合う姿勢が、『The Secret Life of Bees』には足りないのだと思った。衝撃的な恐ろしい罪を抱えながら、夢のような世界に逃避している姿でしかない。自分の抱えている問題に、正面から向き合えない女の子の話だと思った。そのエピソード自体はかわいそうだと思える。けれども、同情では感動しない。

『エデンの東』にもこういう記述があった。


子供にとって最大の恐怖は、愛されないことでしょう。拒絶されることこそ、子供の恐れる地獄です。しかし、拒絶は、世界中の誰もが多かれ少なかれ経験することでもあります。拒絶は怒りを呼び、怒りは拒絶への報復としての犯罪を呼び、犯罪は罪悪感を生じさせます。これが人類不変の物語でしょう。もし拒絶を無くせば、人間はいまとは違う生き物になれるでしょうね。たぶん、頭が変になる人も少なくなるでしょうし、牢屋もきっとあまりいらなくなります。すべての出発点は、ここ、拒絶です。


子供だけでなく、大人でも拒絶されることには傷つく。絶望すらする。拒絶する側に罪の意識はなくても、誰しもが傷つくことであると思う。だが、上の文章にも、「拒絶は、世界中の誰もが多かれ少なかれ経験することでもあります」とある。「あなたはそんな経験をしたことがないでしょう」とはけして言えないのだ。誰しもが、その悲しみ、苦しみを知っているのだ。もっとも、拒絶する側も愉快な気持ちではないはずだ。

しかし、愛されていない悲しみもあるが、愛されていたのに気づかなかったという悲しみもある。愛していても、どう表現したらいいかよくわからないという苦悩もあるのだ。そういう様々な悲しみや苦しみを、スタインベックはあまさず表現している。そのたびに、自分がそれを経験していなくても、涙が出るのだ。

『The Secret Life of Bees』と共通している点がもうひとつある。キリスト教である。『The Secret Life of Bees』は、聖母マリアについての記述だが、『エデンの東』では、創世記のカインとアベルの話である。壮大なファミリー・サーガは、このカインとアベルの物語をテーマに書かれている。「拒絶」の問題も、神に拒絶されたカインから生じている。人類はすべて「カインの末裔」であるから、それは誰しもが抱える問題でもあるのだ。

だからこの物語は、ある部分では宗教的で、かつ哲学的でもある。それは『The Secret Life of Bees』でも同様で、その部分はもしかしたら日本人にはあまり馴染めない部分かもしれないが、非常に大事な部分だと思う。

さて、この『エデンの東』だが、ジェームス・ディーン主演の映画『エデンの東』のアロンとキャルの話は、原作のわずか4分の1である。物語は、アロンとキャルの両親であるアダムとキャシー、アダムの兄弟であるチャールズ、さらにその両親であるサイラス・トラスクとアリス・トラスクまで遡り、そこにトラスク家に深く関わるサミュエル・ハミルトンの一家の物語が重なる。また、トラスク家の召使として長年仕えるリーという中国人(生まれも育ちもアメリカだが)の人生も関わってくる。そして、サミュエル・ハミルトンの娘オリーブの息子が、ジョン・スタインベックなのである。これは、スタインベックが自ら語った、彼の周辺の物語なのだ。

2005年07月19日(火)
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 Walk Two Moons/Sharon Creech

『Walk Two Moons (Trophy Newbery)』/Sharon Creech (著)
ペーパーバック: 280 p ; 出版社: Trophy Pr ; ISBN: 0064405176 ; Reprint 版 (1996/09/01)
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカのオハイオ州ユークリッドから、アイダホ州ルーイストンまで、およそ3000キロのアメリカ横断のドライブ―13歳の少女サラマンカは、祖父母といっしょに、家を出たまま帰らない母親に会いに旅にでます。サラマンカは、旅の退屈しのぎに、親友のフィービーをめぐるミステリアスな事件を祖父母に語ります。語りながら、サラマンカは、自分にもフィービーにも新しい発見をしていき、自分の物語は、たくみに綾なされた3つの物語だったことに気づきます。アメリカ的なストーリーのなかで、ひとりの少女が自己にめざめていく過程を、希望をこめて描く、ニューベリー賞受賞作。



なんだか似たような本を読んでしまった。もちろん内容は全然違うのだが、 『The Secret Life of Bees』 にしても、『Walk Two Moons』にしても、女の子が「帰らない母親に会いに旅に出る」といったテーマは同じ。

もっとも、『The Secret Life of Bees』のほうは、原書にしても翻訳書にしても、あのほんわかした表紙からは想像できない、非常に重たい主題が潜んでおり、主人公リリィは、死ぬまでその重荷を背負っていくのだなと思うと、気の毒でやりきれない気持ちにもなるのだが。また、こちらは非常に宗教色が強い。そのあたりを、日本人はどう受け止めるのかなと思う。

シャロン・クリーチは何冊か読んでいて、そのたびに期待を抱いて読むものの、どうも私には合わない作家のようで、毎回失望している。だいたい雰囲気がどれも一緒という感じだし、話に寓意性を感じるのが嫌なのかもしれない。クリーチだけでなく、ニューベリー賞受賞作家は、だいたい合わないと言ってもいいかもしれないが。

しかしその中では、今回の本は一番良かったと言っておこう。ということで、再び失望を味合わないように、シャロン・クリーチはこれで卒業ということにしよう。何年も前に購入しておきながら、ずっと読まずにいたので時期を逸した感もあるが、ともあれ、「読まなくちゃ!」とずっと胸の中にひっかっかっていた本を読み終えて、これまたほっとしている。

上記2冊のような、まるで「これで感動しなきゃ人間じゃないよ」と暗黙のうちに言われているような本は、なんだか同じ感動を強制されているように感じてしまって、居心地が悪い。感想を書くのも非常に辛いのだ。皆と同じように、同じところで感動しましたと書くことも出来るが、そもそも自分の読んだ本の記録であるから、嘘を書いても仕方がないだろう。


2005年07月14日(木)
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 The Secret Life of Bees/Sue Monk Kidd

『The Secret Life of Bees』/Sue Monk Kidd (著)
ペーパーバック: 320 p ; 出版社: Penguin USA (P) ; ISBN: 0142001740 ; (2003/01/28)

<参考・翻訳書>
『リリィ、はちみつ色の夏』/スー・モンク・キッド (著), 小川 高義 (翻訳)
単行本: 381 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 世界文化社 ; ISBN: 4418055142 ; (2005/06/18)
出版社からのコメント(翻訳書)
2年前、原書を手にページをめくった瞬間、私は1964年サウスカロライナの美しい夏に連れて行かれました。木々から溢れる日の光、はちみつの甘い匂い、窓から流れるバイオリンの音色、風の心地よさ…。その瑞々しい世界の中、悲しみから出発したリリィの心になぞり、確かに10代の頃に感じていた痛み、焦燥感、憧憬をたどったのです。そして、深い悲しみから本当の愛を知るのだと読後、私は今までに感じたことのない暖かい気持ちが胸に広がっていきました。このじんわりとしみこむような愛の物語を、ぜひ日本でも読んで欲しいと思い、この一冊を編集したのです。読者の皆様には、小川高義さんの名訳で原書以上に美しく、悲しく、暖かさにあふれるサウスカロライナの夏の中、本物の愛を見つけることをお約束します。

※手元に翻訳書がないから確認はしていないのだが、上記のアンダーライン部分から推測すると、翻訳のほうは全訳ではないのかもしれない。原書が320ページ、翻訳が381ページとすれば、省略は有り得る。とすれば、原書と翻訳書の感想は当然違ってくるだろうし、編集の仕方によっては、作者の言いたかったテーマもずれてくるのでは?と思う。原書は非常にキリスト教色の強い作品である。


原書(PB)が出版されたとき、すぐに購入していたのだが、ついつい今まで読まずに来てしまった。翻訳は出ないのかなと思いつつ、翻訳が出ているのを知ったのは、原書を読み始めてから。その翻訳本の評判がすこぶるいいので、かなりの期待と、そういうのに限って期待はずれなんだよなという不安とがあり、複雑な思いのうちに読み進めた。

日記をご覧になっている方はわかるだろうが、読了までに、思いのほか日数がかかった。というのも、他にやることがあって・・・というのもあるが、正直言って、みなが絶賛するほどはまれなかったためでもある。

翻訳本を読んだほとんどの人が、「リリィの悲しみ」ということを言っているのだが、なぜ、皆が口をそろえてそう言うのだろう?本のオビにでも書いてあったのか?とも思った。いろんな感想があっていいはずなのに、一様に「リリィの悲しみ」と表現するのはどういうことなのか?Amazonの出版社からのコメントにも、「悲しみ」という言葉が使われている。

たしかに主人公リリィの悲しみはあった。おおまかに言えば、少女の成長物語、母の愛を探す物語であるのだが、実はそこには、母の死にまつわる複雑な問題がからんでいる。事実がわかってみると、この子は一体どんな思いを抱えて生きてきたのだろう?と戦慄さえ覚えた。精神的に大きなトラウマを抱えていたに違いない。

母の死という問題を考えたとき、宗方慶司の 『我が罪』 を思い出した。「母親の死はお前のせいだ」と父親に言われ(お産が重かったために母親が死亡した)、その責任という重荷を背負って生き続け、最後には自殺してしまう青年の話である。

ここで思うのは、父親の態度である。『我が罪』の父親は、たった一度、不用意に言ってしまっただけなのだが、それが長い時間をかけて、青年を自殺にまで追いやった。しかし、リリィの父親は、母親が死んだ真相を、けして口にはしなかったのだ。その真相は、リリィが自ら認識しており、しかし認識するのを拒みながら、自分の心の中に抱えていた爆弾だったのだ。

だがリリィの父親は、本当に暴力をふるう酷い父親だったのだろうか?父親に対しては、まるで自分に愛情がないと決めてかかっているリリィ。それゆえ、家出をして、ブラック・マドンナ印(リリィの母がその絵を持っていた)のハチミツを作っている養蜂家のもとへと行くわけだが、そこでの暮らしは、たしかに楽しいものであっただろうし、母親の実像を知るにも適切な場所であった。ここでの情景描写は美しく、詩的である。

しかし、愛する妻を失った父親の気持ちを考えたことはあるだろうか?たしかに、リリィに対してのおしおきは、時に度を越していたこともあったかもしれない。だが、子どもに対する親のしつけとして、特に母親がいない場合の父親の立場として、それは愛情の裏返しであったかもしれないと思う。父親には女の子の扱い方がよくわからなかったのだろう。

そこには、リリィが母を失った悲しみよりも、愛する妻を失った男の悲しみのほうを強く感じる。まして、妻が死んだのは、不慮の事故とはいえ、まさに娘のせいであったわけだし。だから、リリィが不当だと思う父親の仕打ちも、わからないではない。この父親の胸中ほど複雑なものはないだろう。リリィのトラウマも、救いがたい同情すべきものではあるのだが、他人と違って、娘を罰することのできない父親の苦しみは、それが血を分けた娘であるがゆえに、計り知れない。

そしてリリィの気持ちはというと、これは「悲しみ」などという言葉では済まないものだろう。むしろ「痛み」である。それも一生背負っていかなければならない絶望的な「痛み」である。心に思い浮かべるだけで、鋭い痛みを伴う思いである。さらに、彼女の嘘のうまさは、母親の死から始まったといってもいいだろう。その記憶を違った事実にしたいがために、彼女は嘘をつき始めたのではないだろうか。彼女を救えるものは、もうマリア様くらいしかいない。

父親は、事の真実をリリィが知らないもの(というか、幼すぎて理解していない、あるいは覚えていない)と思っていた。だから余計に、娘に真実を知らせることを避けていたのだろう。娘が苦しむことは十分すぎるほどわかっているから、けして知らせまいとしたに違いない。だが、娘はどんどん母親に似てくる。父親の苦しみは増すばかりといった具合であったに違いない。親の愛を求めるリリィと、苦悩する父親の間の溝が深まるのは、いたし方のないことだったのかもしれない。二人にとって、背負ってしまった運命は、非常に残酷である。

さてこの本には、何年の話であるという記述は一切ないが、実際の歴史的な出来事が書かれているので、いつの話かが特定ができる。そして、南部らしさといえば、もちろん地名は書かれているのでサウス・カロライナであることはわかっているが、中に出てくる食べ物などに、南部らしさが表れている。しかし、風景からは南部というイメージはわかない。これはカリフォルニアでもいいだろうし、中西部あたりのアイオワとかでも通用する情景にも思える。ただ、その描写は非常に美しい。

もうひとつの南部らしさというと、黒人に対する主人公の気持ちである。まだ人種差別による理不尽な不公平さがあった時代で、そうしたエピソードも盛り込まれているが、刑務所に入れられてしまった乳母のロザリーンを、リリィがどうしても助けなきゃと思う場面で、特に何部らしさを感じた。南部では、黒人差別はあるものの、自分の家で働いている黒人は家族同然という気持ちがあるからで、リリィがロザリーンに抱いていた気持ちは、まさにそういうものだったからだ。

リリィが家出した先のブラック・マドンナ印の蜂蜜を作っている家も、黒人の家庭だ。オーガスト、ジューン、メイ、エイプリルといったカレンダー姉妹の家である。彼女たちと暮らすリリィに、ふとトルーカン・カポーティの姿を重ね合わせてしまった。周囲からは偏見の目で見られても、自然の恩恵のもとで暮らすリリィやカポーティは、幸福そうである。その中でも不幸は起こるのだが、概してその日常は満たされているように思える。

この話の一番の主題は、母=マリア様ということだろう。母親の持っていた黒いマリア様の絵をもとに、母親の痕跡を探しにいき、行った先でマリア様の愛を知ったといってもいいかもしれない。聖母マリアに関する記述は、大きなウェイトを占めている。果たして、実際の母親の愛は見つかったのだろうか?私にはわからない。

読後の正直な感想としては、お願いだから、お父さんのところに帰ってあげて!という一言かも。本当はとても愛しているのに、それをうまく表現できないのが父親なんだからと。自分の悲しみのほかに、お父さんの悲しみも考えてあげて欲しいと思った。

2005年07月13日(水)
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 ユダヤを知る辞典/滝川義人

『ユダヤを知る事典』/滝川 義人 (著)
単行本: 291 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 東京堂出版 ; ISBN: 4490103638 ; (1994/05)
内容(「MARC」データベースより)
世界史のなかで精神文化や芸術・科学に多大な貢献をしながら、さまざまな差別を受けてきたユダヤ人。その民族の2000年の流浪と迫害の歴史、ユダヤ教とユダヤ人、現代のイスラエルについて語る。

出版社より
ユダヤ民族2000年の流浪と迫害の歴史、ユダヤ教とユダヤ人また現代のイスラエルとユダヤ世界など、中東問題を知るために必要な知識も平易に解説し、日本人の誤ったユダヤ観をただす。


最初は馴染みのない言葉や固有名詞が頭に入らなくて困ったが、「アラブとイスラエル」の授業を聞いてから読んだら、すんなりと入ってきた。先生が言っていたのはこのことか、と再度確認できた。

それにしても、世界的なユダヤ人迫害は、一体何を根拠にしているのだろうか。それについては、いまだによく理解できないのだが、人類は少数、あるいは弱者を迫害する性格を持っているらしいから、根拠など何もないのかもしれない。そしてまた、弱者であるはずのマイノリティが、その能力を垣間見せたとき、強者であると思っている人間は恐怖におののき、それを排除しようとするのだろう。

現在のアラブとの戦いは、これもまた解決の糸口が見えない問題のようである。アラブの目的は、「イスラエルをつぶすこと」であり、けして和平ではない。「イスラエルをつぶすこと」は、今現在、上に書いたように、弱者であるはずのマイノリティが、大きなアラブよりも強かったりするので、とにかく気にいらないというわけなのだろう。どんなにイスラエルが譲歩しようとしても、アラブは頑なに拒否している。

パレスチナ紛争においては、日本のマスコミは、どちらかといえばアラブ側だが、この本はタイトル通り、イスラエル寄りの内容。しかし不公平感は全くない。むしろ、日本人がアラブ側の情報しか知らされていなかった部分を補うための文献として、読むべき本の1冊と思う。

建国以降、イスラエルの発展は目覚しいものがあるが、「今しなければ後はないかもしれない」、「負けたらおしまい」という、ユダヤ民族の持つ切羽詰った気持ちの表れとも思える。それは長い間、常に瀬戸際に立たされ続けてきたユダヤ民族に培われてきた、不屈の強さかもしれない。

しかし、同じ旧約聖書を元とするユダヤ教、キリスト教、イスラム教が、なぜ憎しみあって戦争をしなければならないのか。おおもとの神は一緒のはずなのに、「異端」とは何なのか。ユダヤ教に比べれば、キリスト教やイスラム教など新興宗教ではないのか?と思うのだが、神はそうした人類の迷いを正すすべを示してはくれないのだろうか。

2005年07月06日(水)
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 アイスウィンド・サーガ(3)水晶の戦争/R.A.サルバトーレ

『アイスウィンド・サーガ(3)水晶の戦争』/R.A.サルバトーレ (著), 風見 潤 (翻訳)
単行本: 255 p ; サイズ(cm): 19
出版社: エンターブレイン ; ISBN: 4757722842 ; 3 巻 (2005/06/24)
出版社 / 著者からの内容紹介
分裂した<十の町>へ、魔術師アカル・ケッセル率いるゴブリン、オーク、トロールらの邪悪な大軍勢が襲いかかる。圧倒的な大軍を前に人々はなすすべもなく・・・民衆を救うべく、英雄達は命をなげうつ。そのころドリッズトは、魔界の大悪魔(エルトゥ)との一騎打ちを迎えていた・・・。世界2000万部ファンタジー。ついに大軍同士が大激突!!魔法の武器や宝石、ワナやからくり仕掛けの塔など冒険小説の興奮を満載!正義のダークエルフと大悪魔の対決の行方は?<魔法の水晶>篇 完結!


2005年07月03日(日)
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 死のサハラを脱出せよ(上・下)/クライブ・カッスラー

『死のサハラを脱出せよ〈上〉』/クライブ・カッスラー (著), Clive Cussler (原著), 中山 善之 (翻訳)
文庫: 425 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4102170154 ; 上 巻 (1992/11)
内容(「BOOK」データベースより)
1865年、アメリカ南軍の甲鉄鑑が、バージニアの川霧の彼方へと姿を消した―。1931年、オーストラリアの女性飛行家の愛機は、サハラ砂漠の南西部に不時着した―。そして1996年、サファリに赴いたイギリスの一行がマリで殺戮の洗礼を受ける。おりしもサハラの南、大西洋では巨大な赤潮が発生していた―。ダーク・ピットが歴史の謎と人類の危機に挑む全米No.1の話題作。

『死のサハラを脱出せよ〈下〉』/クライブ・カッスラー (著), Clive Cussler (原著), 中山 善之 (翻訳)
文庫: 484 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4102170162 ; 下 巻 (1992/11)
内容(「BOOK」データベースより)
果てしなく増殖してゆく赤潮。マリの将軍と結託して事業の拡大に腐心するフランスの悪徳実業家。そして彼らに捕らえられ、強制労働を科せられる科学者たち。死神だけが待つ広大な砂漠の脱出行こそがピットの宿命となった。合衆国大統領が動き、国連事務総長も動く。援軍とともに引き返したピットは、旧外人部隊の砦に立てこもる。数千名に及ぶマリ軍との苛烈な闘いが火蓋を切る―。


映画もくだらなかったが、この原作がまた荒唐無稽で、思わず失笑。南北戦争時の南部連合の甲鉄艦が、どういうわけかはるばるサハラ砂漠まで流れ着き、なんとその中にリンカーンのミイラが横たわっていたという結末。映画の結末とは全然違うし、リンカーン暗殺は実は替え玉だったという、アメリカ史を根底から揺るがしてしまう話だ。途中でクライブ・カッスラー本人も登場してしまうし。ある意味すごい!

しかし、船や飛行機、クラシックカー、武器などに興味のある人には、クライブ・カッスラーは面白いだろうが、そういうのに興味がない人には退屈かも。BOOK・OFFで安かったので何冊か買ってしまったが、「サハラ」以外は、どうも読みそうにない。


映画「サハラ」の感想

新作映画が目白押しの今週。なんか観に行こうということになって、私は「スターウォーズ掘廚任睥匹ったのだが、結局怖いもの見たさで 「サハラ」 になってしまった。原作はまだ読書中。なんとなく自殺行為のような気もしたが、怖い、怖いと言って目隠ししながらも、指の間から見ちゃうといったような感じで、禁断の扉を開けてしまった。

はっきり言いましょう。「3大面白くない映画」のひとつでしょうかね、これ。原作がどうのとか、主人公ダーク・ピットのイメージがどうのといったレベルじゃないです。これじゃ原作者が訴訟を起こすのも無理はない。

そもそも原作も、かなり大胆な設定ではあるのだけれど、脚本が悪いのか、キャスティングがまるでなってないのか、結構アクションシーンはあるのに、とっても退屈。何と言っても、やっぱりマシュー・マコノヒーはヒーローの器じゃないし。


<マシュー・マコノヒーがヒーローに向いていない理由>

●目の間(眉間?)がくぼんでいない顔なので、口をぽかんと開けていることが多い(トム・クルーズ、ケビン・コスナーも同類。彼らは皆、蓄膿症っぽい)。→精悍なヒーローにあるまじき行為である。

●足が短い。というか胴が長い。→アクションヒーロー向きの体型ではない。

●動きにキレがない。トロくさい。→殺されていてもおかしくないのに、主人公なので死なないだけ。


まあ、あげればきりがないのだが、マコノヒー自ら、ぜひダーク・ピット役をやりたいと望んだそうで、シリーズ化されて人気のあるヒーローを演じようなんて、たいした度胸だ。アクション・ヒーローにしては足が短い(胴が長い)ってことに、気づいていないのだろうか?原作で人気のあるヒーローを演じるのは、ファンが厳しい目で観るから、かなり怖いことだと思うが、マコノヒーは自分がやれると勘違いしちゃったみたい。

この話には、ダーク・ピットのほかに、NUMA(国立海中海洋機関)のメンバーである、アル・ジョルディーノとルディ・ガンという人物が出てくるのだが、これが「おとぼけ3人組」といった感じで、気が抜ける。せめてダークだけでも精悍なヒーロータイプならいいのだが、残念ながら全員「おとぼけ」なので、困っちゃう。そういう映画なら、それはそれでいいのだが、これはダーク・ピットシリーズですよ。カッコつけるところは、カッコつけてくれないと。

アル・ジョルディーノ役は、なかなか面白いキャラではあったが、そこで笑いをとらなくてもいいんじゃないの?この場面てシリアスなんでしょ?という雰囲気。たしかに、原作もユーモアたっぷりではあるんだけど、ドタバタの笑いとは違う。それに、そういう場面展開を、マコノヒーが上手くこなしているとは思えない。いっそのことジョルディーノ役をダーク・ピットにしたほうが、まだましかも。

ダークの相手役(007のボンドガールみたいな立場)のエヴァは、ペネロペ・クロスが演じていたが、WHOの医師という役柄(原作とは違う)。メガネさえかければ、知的な医者に見えるのでは?という古典的な作り。彼女はあまりセクシーでもないし(角度によってはオバサンっぽい)、ましてや知的でもないので、ボンドガールのようなものを期待していた人には期待外れだろう。

とまあ、マシュー・マコノヒーのファンがいたら、ごめんね!という感じだけれど、幸いにも、この映画を観たせいで原作のイメージに支障が出るということはなさそう。それほどどうでもいい映画で、全くの別物。ストーリーもめちゃくちゃだし、ダーク・ピットシリーズじゃなくて、単発のお笑い映画だと思って観ればよい。マコノヒーも、あれはダーク・ピットではなく、マコノヒーなんだと思っていれば腹も立たない。

あえてカッコよかった人をあげれば、CIAの黒人の人かな。映画 「サイダーハウス・ルール」 で、リンゴ摘みをしていた季節労働者のボス役の人。

2005年07月01日(金)
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