空色の明日
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2019年03月31日(日) ダンボ

実写版「ダンボ」見てきました。

ダンボってよく知らなかった。
それはなんでか。
子供の頃パラパラと絵本を開いたときに
どう考えても可哀そうな展開が待っているような
そんな泣いてるダンボの絵が見えたから
「可哀そうなお話、無理!」って避けてきたのだ。
そりゃ知らんはずだ。そして想定通り。

映画を観始めたらもう号泣。
ずっと号泣。
声を上げて泣きそうになってこらえるのに必死。

そうだった。昔の物語って結構ひどいよね。
動物愛護って本当に歴史がまだまだ浅い思想だよね。
でも確実に根付いてるからこんなに観ていて涙が止まらないのね。
ティム・バートンはそういうところを
オブラートに包んだりする人じゃない。
あの時代のあのままをきちんと実写化。

それでもやっぱりディズニー映画。
ちゃんと着地点まで持って行ってくれる。

映画であんなに泣いたことないわ。
っていうか動物系の映画みたの南極物語以来だわ。
ま、CGなんだけどね。

なんせダンボだからね。

ダンボを実写にできる時代が来たってことだね。

予告ではアラジンも実写化らしいぞ。
カーペットで飛ぶんだ、間違いなく。

それにしても今回のキャスト!
コリン ファレルは初めてだけど
まさかのマイケル キートン!!
そしてエヴァ グリーン!!
ティム・バートン監督の初期作品の常連マイケルと
ペレグリンで見事なキャラを演じたエヴァさん。

ティム・バートンのお気に入り俳優さんをつかうシステム好き。
他にもあんな人こんな人。

コリン・ファレルもファンタスティック・ビーストとか
いろいろと怪しい役をよくやる人だし
サーカスという設定はあの監督にはお似合いすぎる。
もちろん映像は最高に美しかったです。

あー、心がズキズキ。
でももう一度見たい。

春は動物のベビーラッシュなだけに
あの子やこの子がオーバーラップして泣けすぎる。


2019年03月28日(木) 音楽とサルたちと

先週の話をまとめて。
祝日だった木曜日は王子動物園の
チンパンジー飼育員さんの講演に。
1月に69歳で他界したジョニーさんという
日本最高齢チンパンジーの担当を
30年近くなさっていた方で
まだ今でもジョニーさんの話になると
言葉が詰まってしまわれるほどで
私も涙なしには聞けませんでした。
30年というと家族と変わらないくらい
長いお付き合いですからその喪失感は
とてつもなく深いものでしょう。
それでもきちんと講演でジョニーさんの生涯を
お話されることでジョニーさんが生きた証が
こうして私たちに伝えられたことは
きっとジョニーさんも喜んでいると思います。


土曜日は去年にすっかり魅力にハマってしまった
浜田真理子さんのうどん屋の二階LIVEに。

行きつけのうどん屋さんでライブがあるなんて
何か自分のテリトリーにゲストで来てもらえたような
そんな特別なリラックス感と嬉しさがある。

もちろんまた例のごとく少人数でアットホームな
気持ちの良すぎるライブでした。
今の私には本当にこういう規模のライブしか
ちょっと行きづらいのでありがたいです。
また来年も来ていただきたいです。

そして日曜日はまたしても類人猿愛。

近頃とても気になっている愛知県犬山市の
日本モンキーセンターのTwitter。
ヒヒのエサ投げがバズって大いにTwitterに力が入り
この日は開園から閉園までの間、Twitter上と現地で
連動した「飼育員のガイドツアー」が開催されました。

これが面白いのなんの!
飼育員さんたちの普段のツイートも猛烈に面白いのですが
いつもは猿の画像にツイートです。
その飼育員さんたちが実際に登場して動画で
いろんな担当の猿を紹介します。
これがまたいろいろと面白く作りこまれていて
笑いが止まらず7時間ぶっ通しで見入ってしまい
結局昼ご飯を作ることはおろか食べる暇もなく参加してしまいました。

今年の目標は犬山へ行くことです。
Twitterだけでそう思わせてしまった
Twitter担当者の方、大成功です!


2019年03月17日(日) 類人猿愛

朝イチで美容院に行く。
ササっと終わったのが11時半。

我が家はバスが昼間は1時間に1本しかないという
とても不便な町にあり出かけるとなると
どうせなら1度であれやこれや済ませて
夕方のバスの多い時刻に帰りたくなるのである。

11時半ならもう一つ何かできるなと。
この前からずっと行きたかった京都市動物園に
ニシゴリラを見に行けるんじゃないか。
電車に飛び乗り1時間半。

最近のインバウンドの影響であまりに京都が
混みすぎてしまってもうずいぶん何年もご無沙汰しているが
昔は平日が休みの仕事だったのでよく
気軽に京都に行っていたのだった。
乗ってしまえば今はバスの路線図をもたずとも
スマホがなんとかしてくれる。

ちょうどいい具合に小雨も降っていて
ゆっくり動物園を見学するのはもってこいだ。

というわけで行きました。
リニューアルしてとてもきれいな動物園。
象がいっぱいいる!キリンも。

そしてお目当てのゴリラは公開時間が限定されていて
おまけに隠れる場所がいっぱいあるので
(子育てのナーバスな時期なので
公開を無理強いしないよう自分の意志で
見せに出て来たり隠れたりできるようにしてあげている)
なかなかお目にかかれない。
最初にうまく見ることができたけど
そのあとはずっと引きこもって寝ているようだった。

見せてもらえただけ行った甲斐がありました。
チンパンも去年夏に生まれたチビちゃんがかわいかった。
そしてシロテテナガザルのシロマティとクロマティも
たまらんかわいさ。

あぁ、私はなんて類人猿が好きなのだろう。
思えば、パンダ舎と類人猿舎にいるときは
時間が通常の3倍ぐらいの速さで進む。
まるで竜宮城である。
気が付いたらその3つの部屋をグルグルと何周も周り
あっという間に2時間ぐらいたっていた。
結局ほとんど類人猿舎で過ごして
夕方のラッシュを避けさっさと退却。

久しぶりの京都だけど何も食べず
帰りに高島屋の豆藤さんで卯の花と鯖煮を
晩御飯のおかずに買って、阿闍梨餅を買って
電車の中でお腹が空き過ぎて食べた。
お昼を食べることも忘れ類人猿に夢中になっていた。
私が食べることを忘れて何かをするのはこれぐらいだ。

母に久しぶりに電話して自分の類人猿好きぶりを
話すと「あんたは昔から猿が好きだ。
飼いたいとは思わないのか?」と聞かれたが
これが私、動物が怖くて触ることさえできない。
とかいいながら、過去に2回もシロテテナガザルの
赤ちゃんを抱っこさせてもらうという
貴重な体験をさせてもらってるのだが。
人でもなんでもワ〜ッと来られるのが怖い。
だからパンダを触りたいかと言われても
それはちょっと・・・なんだ、たぶん。

その行動をじっと観察するのが楽しい。
観ていて飽きない。
人類みな兄弟というが
私の場合は類人猿みな兄弟である。



2019年03月12日(火) 余震

昨日ひさしぶりに病院でMRI検査を受けた。
まぁ、あんなものはしょっちゅう受けるものではないが。

前回入院した時に受けた病院では
バイオリンがメインの音楽を聴かせてくれながらやった。
今回はオルゴールサウンドもの。
バイオリンのほうが音楽に集中できると思う。
もしくは今回のほうが検査音が大きいか。

あの音を聞くといつもテクノだなぁと思う。
音を聞きながら石野卓球の顔を思い浮かべていた。
今回の音は特に電気グルーヴっぽいなぁと思いながら。

そしたら今日、ピエール瀧が逮捕されてた。
あぁ、何やってんだ。
あんなにNHKでいろいろ出演できる位置に来たのに。
昨日の電グルが余震に思えてきた。


あ、地震。
南海トラフのエリア。
小出しに小出しにお願いします。
余震ではありませんように。


2019年03月09日(土) 簿記

日経土曜版に掲載される1週間テレビ欄を見ながら
毎週土曜日に1週間分の録画予約をする。

もちろんテレビに内蔵された番組表を見れるわけだが
アナログ世代の私にはあのスクロールが見づらい。

見落とすのがいやでついつい
赤ペンをもってテレビ欄に丸を付けてから
録画予約を始めることになる。

新聞のテレビ欄には文字数の都合上、内容がよくわからないくらい
省略されているものも多い。
特にEテレは1番組の時間が短いので
1時間枠に4番組詰め込みしたりするから
ほとんど内容などわからないもの。

先週予約をしていてEテレで
高校講座簿記という番組を見つけた。
最近のEテレの多様化の波はこんなところにも。
再放送なのか30分番組を1日2本連続放送で1週間。
気になって録画してみた。

私は30代の時転職のために簿記を勉強して資格を取った。
夫は経営学部出身なのでもちろん簿記を勉強している。

夫婦で晩御飯を食べながら簿記講座を観る二人。
しかもかなり盛り上がりながら。

高校生向けなのでPOPなテーマ曲とPOPな展開にしてある。
「Let's 簿記ing!目指せ決算!!」というテーマ曲。
わかる人にしかわからないがこの深い歌詞にまず大ウケ。 
結局1週間見てしまった。
面白過ぎる。

しかしそれにしても私のように社会人になってから
簿記を勉強したものはすべての授業が
実感として手に取るようにわかるが
高校生では本当に「覚えるだけ」だからつらいだろうな。
というか学生の頃の勉強ってみんなそうなのかも。

けれどそこで学んだと学ばないとで
その後の生き方の幅が広がるというのは間違いない。
特に理科は生活に直結する。
スイヘーリーベだって今となっては
健康に関するいろんなことをちょっと調べるとき
とても役に立っている。
糖質とは砂糖だけではないということは
学校で習ったから糖質制限で炭水化物を減らす意味がわかるのだ。

それでも渦中の学生には当然、そんな先のことなんて
想像もつかないわけで
「とにかく今は勉強しておけ」といわれたことを
素直に聞いてこなしていたことが
後々役に立ったということになる。

さて、調理師の夫がなぜ簿記なのか。
夫は肉屋さんを営む家の長男だった。
いずれ店を継ぐために経営学部に進んだ。
店では総菜なども出すし肉をさばくためにも
包丁になれるためにか親に紹介されたアルバイトは
飲食店の厨房ばかりだった。
就職するとき大手証券会社の内定を蹴って
アルバイト先だった飲食の道に進んでしまった。
(結局その大手証券会社は後にバブル崩壊で倒産する)

というわけで調理師学校を出たわけでもない人が
今は給食会社で調理師と管理職をしている。
けれども経営学部で学んだことが無駄になったかと言うと
そうではなくて、管理職に必要な予算や収支ができる
貴重な調理師として会社からは重宝されているのだ。
そりゃそうだ、料理ができる調理師はあまたいるが
経理ができる調理師はそうそういない。
会社にしてみればきちんと利益を出す調理師として
とても都合がいいのである。

勉強はして損はない。
かならず身を助けるのである。


2019年03月03日(日) 変わらないこと

私が子供の頃は今ほど食べ物の種類はたくさんなくて
ケーキは誕生日とクリスマスに食べるものだったし
ちょっと町へお買い物に行くと
お楽しみはパン屋さんで菓子パンを買ってもらうことだった。

パン屋さんといっても神戸である。
そのお店は今も創業70年の老舗として存在している。
ケルンというパン屋さん。

今はものすごい種類のパンがあるけれど
当時はせいぜい10種類くらいだった。
それでもトレイとトングを持って
「どれにする?」と母に言われて選ぶときの楽しさは
あの時代にはとてもワクワクする瞬間だった。

私と弟と母はいつも結局同じものを買う。
みかんが好きな弟はオレンジデニッシュ。
あんが好きな母はあんデニッシュ。
そして私はアップルという名のパン。
そして翌朝のためにレーズンの山食を1本

アップルは三角に折ったデニッシュ生地の中に
少し硬めに甘く煮たスライス林檎が入っていて
三角の真ん中にグラニュー糖が一か所載っている。

ちなみにあんデニッシュは同じ形状であんが入っていて
グラニュー糖のかわりにケシの実が載っていたように記憶している。


オレンジデニッシュだけはアルミトレイの上に載った
デニッシュ生地の上に缶みかんとカスタードクリームが
載っているという王道のスタイルだ。

なぜかアップルだけにはデニッシュの名がつかない。
ただアップルである。

先週45年ぶりにそのケルンに行った。

店舗はその当時と別の店舗だがレーズン山食と
オレンジデニッシュが当時のまま並んでいて
突然懐かしくなりアップルを探したが
アップルデニッシュというオレンジデニッシュの
みかんの部分に煮た林檎が載っているものはあったが
あの三角が見つからなかった。

考えてみれば上にトッピングしたほうが見栄えがいいのだ。
何が入っているかわからない三角はあまり見栄えがしない。

残念に思いながら他のパンも買って帰った。
どのパンもとても美味しかった。
店舗が増えた今でもお店が続いているのが納得できた。

その味がずーっと忘れられずまた食べたくなり
三宮に行ったので三宮店に行ってみた。
すると!あった!アップル!!あの地味な三角!!
アップルと書いていないと何かわからない中身!

飛びつくように買った。
そして美味しかった他のパンも。

家に帰ってコーヒーを淹れ厳かにほおばる。
あぁ、あの味。
デニッシュというものが当時の味覚としては
あまりに豪華だった時代。
甘く煮ていたと思っていた林檎は
おそらく砂糖をまぶした生の林檎を
生地に包むことで加熱され少し硬めのシャリっとした
食感を残しつつ甘くやわらかくなっているのだろうと
いまの私は感じる。
私も大人になったのである。
それにしてもあの味!
今食べてもやっぱりリッチな味。

インスタ映えからは程遠いそのスタイルは
その林檎の食感のために必要だったのだ。
ずっとそのパンを焼き続けてくれたそのお店の力。
目まぐるしく変わる流行に流されず
ひたむきに守り続けることを大切にしていること。
老舗とはそういうこと。
それはもちろん美味しさがあって
それを求めるお客さんがあって続くものだけど。

塩バターパンのよこにひっそりとたたずむ
三角のアップル。
きっと私のようにこれを愛した人が大勢いて
その人たちが買い続けるからこそ
ずっと焼き続けられてきたのだろう。

これからは私も買い続ける。
ずっと焼き続けてもらうために。


あ、今日の「いだてん」シベリア鉄道。
演出は大根仁監督!
クドカンと大根監督。
あのリズム感。
ベストタッグ!


安藤みかげ