空色の明日
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2001年06月29日(金) 浮気の代償

私の髪は10年ずっと「大根田さん」という人が切り続けている。
東京に本店のある「IMAI」の神戸店にいた時に彼と出会い
震災でしばらく他で営業してた時もそこまで行き、その後
彼が独立してからもついていった。
(というか今まで北野だったのが元町になって坂を
登らなくてよくなったので私としては助かってる、すごく)

結婚するまで神戸に住んでいたので神戸の美容室に行くのは
当然だけれど、結婚して大阪に来てからも神戸まで髪を
切る為だけに通っていた。
なかなか神戸に出かける機会もないのでいい理由になるし
ついでに中華街に行ったりあちこちウロウロして帰っていた。
なんといってもホームタウンなのだから。

けれど、そんな私も大阪に暮らして5年。
だんだんと神戸での用事が減ってきた。
大阪で暮らせるだけの街の情報がインプットされてきたからだ。
欲しいものがどこに行けば買えるかもわかってきた。
美味しいお店もそこそこ見つかった。
そうなると神戸がだんだん遠ざかる。
そしてとうとう、最後の理由だった美容院までも「遠い」と
感じるようになってしまったのは、たぶんこの暑さが加わったせいだ。

以前から趣味の似ている友人が「いい美容院があるのよ」と
話していて彼女の担当者が梅田にお店を出した。
ちょうど髪を切りたかった時にその話を聞き、とうとう私の
浮気心に火がついてしまったのであります。
思い立ったら吉日とばかり、即日で予約を入れ行きました。

そしてその有名美容師さんとカウンセリングして初めて
気付いた大根田さんへの愛・・ではなく彼との相性。
今まで10年も切ってもらっていただけに、もう私がなにも
言わなくても大体の長さだけ伝えれば私好みに必ず仕上てくれた。

だけど初めての人ではそうは行かない。
まず私を知らないからどのくらいやっていいかもわからない。
おまけにとどめをさしたのは「パーマかけるといいかんじなんだけど」
というその人のセリフ。
私はクセ毛。かなり。
でも大根田さんはそれをちゃんとうまく利用してカットだけの
オーダーの時でも綺麗に仕上げてくれた。
なのにその美容師さんはパーマで逃げないとこの髪を
うまくまとめられないと言うのである。
パーマが得意な人、カットが得意な人、いろいろいるだろうが
今までそんな逃げを言われたことは一度もなかったぞ!!!!!

仕上がってみたがやっぱりダメだった。
有名な人だけによけいムカついた。
そして大根田さん、あなたの偉大さに気付いたのよ。
浮気してごめんなさい・・・。
ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません。
だからこんなになってしまった私の髪をあなたの腕で生まれ変わらせて!


2001年06月24日(日) 休日の民

同じコンビニでも立地によっていろんな苦労があります。

オフィス街にあるお店は、ある程度固定客がいるけれどお客の波に
落差がありすぎて朝や昼はめっちゃくちゃ忙しいけど
夜中や休日はめっちゃくちゃ暇だったりする。

行楽地のお店は休日と平日の差が激しい。
しかも雨なんか降ったら目も当てられない。
近頃の天気予報はとってもはずれやすいのでヘタすると
軽トラック一杯分の廃棄をだす店もあるらしい。

うちの店はどっちかというと上記の二つの中間。
周りは工場街なので普段はそこのお客さん。
休日はUSJと舞洲スポーツアイランドという行楽地のお客さん。

両方がわかるだけにどっちの方が面倒くさいかをお話しよう。
忙しくてもお客さんが常連さんで勝手がわかっていれば
少々並んでもスムーズに運ぶので、そうしんどくはないのです。
むしろ休日の「普段そんなにコンビニを利用しない人」なんかが
いっぱい来ちゃう時が一番ややこしい。

とくに休日になると人は開放的になる。
そう、理性がなくなる時があるのです。
バーベキューなんかをして酔っ払った集団は、もちろん
集団デートなんかで若者が固まってきた時は、むっちゃくちゃしやがります。
調子に乗ってるのです、はっきりいって。
そういう時に普段は恥ずかしくてしないようなことを平気でやるのです。
レジの子からかったり、商品投げたり・・・・。

なによりも仕事のある時にはみんなエネルギー半分くらいの
感覚でお店にやってきますが、休日はエネルギー全開なのです!!!
加減をしないのです。

今の仕事に限らず以前レクリエーション関係の仕事をしていた時にも
休日イベントなんかをやると信じられないパワーでお客さんが
しかも束で来るもんだからこっちのエネルギーが持たないのです。

コンサートスタッフなんかの人の気持ちが痛いくらいわかります。
休日の民ははっきりいって暴徒です(笑)

今、店でUSJと掛け持ちでバイトしている子がいます。
あんなところで働いてると毎日がパワー全開の暴徒との戦いでしょう。

旅の恥は掻き捨てという言葉がありますが、旅に限らず初めて行く所で
調子に乗るのはやめましょう。
見てるほうが恥ずかしいです。


2001年06月23日(土) 贅沢の国

やっと雨が続いてますが今年の梅雨は雨が少ないですね。
おそらく夏に水不足になるんでしょうね。

大阪や神戸は琵琶湖という日本最大の湖を水源としているので
私が生まれてからこれまで水不足による断水ってものを
経験した事がありませんでした。

だから震災で水道が3ヶ月ストップした時には本当に参りました。
といっても私は通勤ラインがストップしてしまったため
震災1週間後から大阪に仮住まいしてたんですが・・・・。

とにかくその1週間でもすっかり参ってしまいました。
トイレはもちろんお風呂にも入れない。
今までジャンジャン平気で水を使っていたのに突然1滴の水も
蛇口から出なくなるということは本当に恐怖です。

顔を洗うのも歯を磨くのも蛇口をひねってジャージャー流しながら
だったのがコップ一杯の水をこぼさないようにしながら
1滴も無駄にすることなく使うわけです。
なくなって初めて大切さをしるとはこういうことです。

幸運にも父の職場は同じ神戸市でも端の方の水の出る地域だったので
洗濯や水汲みには助かりました。
それでもタンクの水でお皿を洗ったり体を拭いたり、それは井戸水で
生活をしていた時代と同じです。
まさかこの歳でその生活を味わう事になろうとは夢にも思いませんでした。

そして大阪に初めて出てきた日の夜、お風呂で私は蛇口をひねる事が
出来ませんでした。
そう、一杯の洗面器のお湯で全てを行おうとするのです。
ジャージャー流す事に罪悪感を感じるのです。
今まで平気でやっていた事がたった1週間の生活でそんなふうに
価値観を変化させるものなのです。
無駄遣いしても「お金を払えばいいんでしょ?」って思ってた自分が
恥ずかしくてしかたなかったのです。

でものど元過ぎればなんとかで今ではまた元に戻ってしまいました。
贅沢というのは雪崩のごとくです。
水に限らず水道もガスもみんなジャンジャン使いまくる日本。
一度身についた贅沢を引き戻すのは不可能に近い・・・・。


2001年06月22日(金) ハッピーエンド

私はかなり意地になりやすい性格らしい。
この前のパンもそう。
今回はコーヒー。

ここに何度か登場したデロンギのエスプレッソマシン。
アイスコーヒーによって汚名挽回しましたが、夏が終わるとまた
お蔵入りするおそれあり。
しかしそこにまたさらなる救世主登場!

私は前にも書いた通りカフェインに強い方ではないので
コーヒーは好きだけどあんまり執着しないようにしていた。
実際、家でいれてもなんか不味くて気に入らなかった。
豆を変えたり、カップを温めたりいろいろやってみたが
ブラックならまだしも、ミルクを入れると断然不味くなる。

そこでわざわざミルクフォーマー付きのエスプレッソマシンを
購入したにもかかわらずどうも上手く泡立たない。
カフェをしている人に何人か聞いたが、
「ああ、あれはね我々がやっても上手くいかないのよ。
結局は手でやるのが一番なの。」と口を揃えて言われた。

手動のミルクフォーマーというのがある。
見た目は喫茶店なんかでよく出てくる紅茶サーバーと同じ。
ごく目の細かいフィルターをビーカーの中で上下させることによって
泡立てるというもの。

それをこの前スタバで発見しました。
その時は買わなかったのですが、もう私のコーヒーの改良点で
思いつくのはそのミルクフォームの段階以外に残っていなかったので
この前、自転車で近所のスタバにとうとう買いに行った。

さっそく使ってみると、なんと!!!!お店の味です!!!!!
豆もスタバで買ってるのでまさにスタバの味がご家庭で!!!
そりゃそうですな。
豆もマシンもフォーマーもお店とほとんど同じなんだから。
やれるもんです、家庭でも。
そのまま牛乳をいれるのとは明らかに違う。
ミルク臭さがなくなってクリーミー。

でも私は持ってるものが機能しなくなるのは嫌いなんです。
つまり今まで使っていたマシンについてるフォーマーが役立たずに。
とおもったら、あいつは他にも蒸気でミルクを温めるという
重要な仕事をこなせるという立派な活路が残っていました。
そうフォーマーには暖めたミルクを入れないと上手くいかないのです。

せっかく自転車で行ける処にスタバが出来たと喜んでましたがもう用無しです。
豆だけ買いに時々行くだけになるでしょう。
それにしてもスタバの人ってほんと丁寧よね。
フォーマーや豆を買う時も積極的に嫌味なく丁寧な説明をしてくれる。
しばらくコーヒー党でいくことになるでしょう。
これで私のエスプレッソマシン物語はひとまずハッピーエンド。


2001年06月21日(木) 素敵なお宿

神戸市に有馬という温泉地がある。
神戸市内から30分、大阪からでも40分で行けるとっても便利な場所。
でもちょっと敷居が高い。

歴史は古く、日本最古の温泉で、かの太閤秀吉が温泉地として
再興したと言われる由緒正しき温泉地だ。

つまりものすごく古い。
だから私たち世代には「ジジババの楽園」ぐらいのイメージしかなかった。

その有馬温泉で最も古い「御所坊」という旅館がある。
ここの今の主人がこの、ジジババ天国に新風を吹き込んだ。

一番古い(鎌倉時代からあって、秀吉も泊まったとか)ハード(建物)に
一番新しいソフトを組み込み見事融合させた画期的なお宿。

震災をきっかけに部屋の古いよいところを残しつつバリアフリーに
するなど改良を加え、お風呂もお年寄りが座っても立ちやすい
ちょっと高めの椅子を導入したり、手すりをつけたり。

そしてここの温泉は「金泉」といって赤くて全く透明感のない
お湯なのだが、これを上手く利用し、男湯と女湯のしきりに工夫を加えた。
つまりお湯に入る所はしきりを高く、そして首まで浸かれる深さに
なったところでしきりを目の高さまでさげる。
そう、夫婦やカップルで温泉に行くとお風呂に一人ぼっちで
はいらなければいけないという弱点を克服してるわけ。
お湯が不透明だから全く見えないので、混浴とは違うのに
お話しながら、顔を見ながら男湯と女湯で一緒にお風呂に入れるの。

ご飯だってものすごいこだわり。
魚は明石、肉は神戸牛。
朝なんか湯豆腐に載せる鰹節を仲居さんが目の前で削ってくれちゃう!!
そして謎の木箱登場!
2段の引出しがついてる長方形の箱。
下の段に炭が、上の段に海苔が入っていて炙りたての海苔が食べられる!
日本古来の便利グッズってやつですな。

でもね、このお宿はやっぱり諭吉3枚くらい用意しないと泊まれないです。
そこはやっぱり老舗旅館。

でもご主人のすごいところはこっからです!
「もっと若い人が気軽に来れないとだめだ!」とプチホテルを
作ってしまいました。

古い古い朽ちかけた、それこそ昔の文豪が滞在してたような和風の
旅館を買い取り、レトロな洋館風の内装を施し、全室ベッドの
小さな「ホテル花小宿」をオープン。
食事は別で、これまた棟続きのものすごいお食事処。
なんとオープンキッチンの中にあるのはガスコンロじゃなく「かまど」。
つまり焼き物や蒸し物はそのかまどの炭の火で調理される。
ここで炊き上げたご飯のおいしい事ったら!!!!

お風呂も家族風呂2つ。
つまりお風呂に入る時、鍵をかけて貸し切りにするシステム。
だから男湯も女湯もなし。部屋数が少ないからできること。
もちろんすぐ近くにあるさっき述べた「御所坊」のお風呂にも行ける。
その時には名産品の竹細工でつくった籠を貸してくれて、
浴衣に下駄をカラコロいわせ、竹籠もって・・・・。
あー、温泉気分満喫!!!!!
これで1泊2食で1人だいたい1万7000円。贅沢過ぎます!

昨日はその「花小宿」のお食事処にお昼を食べに行きました。
神戸市内ということを忘れるほどのんびり。
私の周りにはこのお宿のファンがすごく多い。
大阪に住んでるくせに新婚旅行代わりに「御所坊」3泊した夫婦さえ(笑)
こんな素敵なお宿を1つでも知ってるってかなり幸せかも。

そんなにいうならHPのURLくらい載せとけよとお思いのあなた。
いえいえ、このお宿予約とるの大変なんです、大人気で。
だから内緒です。がんばって探してください。
もしUSJに行くなら直通バスもでてますからゴミゴミした
大阪市内になんかとまらずにこのお宿をオススメします。


2001年06月11日(月) 昨日の掘り出し物

昨日ひさしぶりに梅田LOFTに行った。
人に贈り物があったので目的は1つだったんだけど
あそこは絶対に手ぶらで帰れない恐ろしい場所だ(笑)

まだ、手ぶらで帰れるハンズとの最大の違いは
上の階に上がるにつれ、誘惑度の高いものが売られているということ。
(いや、これは私に限ってですけど・・・)

まず3階の食器売り場の和食器にひっかかる。
そして目的の文具コーナーでペンのネーム入れを頼んでる間に
1つ上のWAVEへフラフラと・・・・(笑)←目をつぶってても足が勝手に
ここが最も危険地帯!!!!
試聴なんかしてしまえば確実にお買い上げ・・・。
前にも書きましたがWAVEの試聴コーナーはホントに私に新しい
エッセンスをガンガン投げかけてくる。
しかも直球じゃないのに思いっきりストライクゾーンばっかり。

また、見つけてしまいました、すごいのを。
EGO-WRAPPIN'っていうユニットです。
どうもFM局なんかでは、かなり注目され始めてるみたいですが
私は夜中にTVチャンネルをガチャガチャやってる時に2回ほど
チラリとみてに気になってて、名前を覚えてたらやっぱり
WAVEで、昨日平積み&試聴してたので「さすがだねー」と
独り言しながら試聴→即買い・・・・。
(ほんとWAVEでああいうコーナーを作ってる人に一度会ってみたい)

ブルースとかジャズとかのテイストなんだけど、たぶんUAとか
椎名林檎とかLOVE PSYCHEDELICOが好きだと好きになるかも。
場末のクラブで歌ってる風の痛さが売りですな。
泥臭いというか・・サウンドはものすごくクールなんだけど。
(もしかしてと思ったらやっぱり大阪のバンドだった。)

ただ、弱点も私は発見してるんです。
詞がね、弱いの。長いの、無駄に。
それと英語がヘタ。
それが解決されればヒット間違いなしなんだけど、
これはちょっと微妙な線です。
声とサウンドはビックリするくらいかっこいいんだけどな。

まあ、たぶんそのうち少しは浮上してくるでしょうから
一度気に留めて聴いてみてくださいな。
あ、もしアルバム聴く時は「満ち汐のロマンス」ってやつにしてね。
一緒に買った他のアルバムはダメだったので。
あつーい夏の夕暮れに聴きたい感じです。


2001年06月10日(日) 訪問者

我が家は建物の3階。
1階のインターホンをピンポーンとやると、上のモニターで
訪問者が見える仕組みになっている。
つまり画面を見て「会いたくない」人なら居留守が使えるわけです。

先日ピンポーンとなったので画面を見ると『薬物被害』という
文字がデカデカと映っていてそのすみっこにまじめそうな
メガネの若者が映っている。
そう、おそらく彼はこの『薬物被害』に関する本を売って歩く
なにかの団体の青年なのだ。

しかし普通はこういうのって別の話題からスタートして
最終的に「本買って」へ繋げていくパターンだと思うのだけれど
彼はインターホンの真ん中の丸い所がカメラなのも、ちゃんと
把握していて、しかも正々堂々とその本をカメラに向けて
掲げているのだ。
なんて真正面からくる素直な青年なんだろう。

どうせ買わないんだからそこで居留守を使えばいいものを
なぜかその真正面さ加減にちょっと引かれてしまって
ついインターホンに出てしまった。

案の定彼は「このあたりを回らせてもらっている○○と申します。」
と自己紹介(いや、でも何の目的でとかいわないで自分の名前を
言うあたりがすごくやばそう・・・)を爽やかな口調でした。
そして「薬物被害に関する本をお読み頂きたいと思ってまいりました。」と言う。

ま、はっきりいってこの手のやつはここで本を買うと次から
「この人は少しでも勧誘の見込みがある」などと思われて
おそらくバックに控えているであろうなにかの団体の
強気で口のうまい上司と共に、後日やってくるというのがお約束なので
「いえ、結構です」と断ると、以外にもあっさりと
「そうですか。失礼しました。」と彼は引き下がった。

そのあっさり加減が以外な展開だったので(絶対あれこれと
食い下がってくると思っていたので)拍子抜けしてしまい、
それが逆にインパクトとなってこうして日記に書くくらいに彼のことが
気にかかっている。
「あんなことでは1冊も売れずにかえらなきゃならないよ。
マッチ売りの少女みたいに帰ってからどやされるんだろうな」
と余計な心配をしてしまうのです。(笑)

いや、ちょっと待てよ。
これが彼等の新しい戦略で、この気持ちが消えないくらいの後日に
またインターホンのモニターに『薬物被害』の文字が浮かんで、
つい買ってしまう気持ちにさせるという手だったりして・・・。

そういうことを考えててずーっとそのことが頭を離れないのです(笑)

あ、ちなみに彼が帰った後、郵便受けをのぞいたら「大川○法」の
パンフレットが入ってました・・・。


2001年06月04日(月) 角館の魅力

両親が秋田への旅行から帰ってきた。

私もおととし行ったんだけどすっかり東北の魅力にとりつかれて
しまったらしい。

秋田に角館という小さな街がある。
この10年ほどですっかり観光名所のひとつになってしまったが
たくさんの武家屋敷が町並みとして残っていて、しかも未だに
そこには人が暮らしている。
だからそれぞれの武家屋敷はみんな「○○家」と呼ばれご先祖の
残した屋敷を維持しつづけている。

小学校の同級生に石黒さんという人がいる。
(あえて今日は実名で書きます。)
弟同士も同級生だったので親同士も結構仲が良かったんだけど
彼女のお父さんはこの角館の出身。
もちろんお家は『国の重要伝統的建造物』の武家屋敷「石黒家」。

神戸でずっとサラリーマンをなさってたのですが上の代が亡くなられて
急遽この武家屋敷を継がなくてはならなくなった。

それでマンション暮らしからいきなり『国の重要伝統的建造物』暮らしに。
この「石黒家」は角館の武家屋敷でも最古の建造物。
維持するだけでも大変なことです。
おまけに場所は秋田。
今まで暖かい関西で生まれ育った子供たちはいきなり東北のしかも
地域最古の木造家屋で暮らさなくてはならない。
はっきりいって過酷!!!!!!

しかも住んでるのに見学もさせてるもんだから盆も正月も関係なし。
観光バスで団体で乗りつけてくるもんだから年中落ち着かない。
「ある意味コンビニと同じだね(笑)」と肩を叩き合って笑う。

それにしても未だに人が住んでいるだけに家に生気があって
観光用になってしまった家とは違って町中がとてもあったかく
趣き深い、いい町です。
春は桜が、秋は紅葉が、冬は黒塀に雪が映えてとても綺麗だそうです。
秋田に行くことがあったら是非寄ってみてください。

あ、そうそう石黒さんは観光協会で地域の観光案内をしています。
予約すれば町の歴史や武家屋敷のしくみを丁寧に説明してくれます。
でも、なぜか関西なまりですけど・・・・(笑)


2001年06月03日(日) イタリア魂

以前大騒ぎして7掛けで買ったデロンギのエスプレッソマシンが
始めの1週間だけフル活用されてお蔵入りしてからもう半年近くたつ。

理由は簡単。とにかくめんどくさい。
フィルターでいれるやつはゴミの始末とか水の始末とかそういうのが
簡単になるようにと開発されたもの。

家でエスプレッソ飲みたいなんて人がこの手軽さを必要とするはずも
なく、豆はこぼれるわ、掃除はめんどうだわ、なにもかも不便。

そんなヤツがやっと復活の糸口をみつけました。
そう、夏といえばアイスコーヒー。

アイツの特技、それは『濃いコーヒーをいれること』
アイスコーヒーといえば普通のコーヒーを倍の濃さで入れて
氷の上に注ぐというテクニックを必要とする。
それにはアイツの特技が有効活用されるわけです。
よかったね、粗大ゴミになりさがらなくて。

で、ひさしぶりにあいつに注水しようとしたら水をいれるところから
5ミリくらいの黄色いプラスチックの玉がコロンと出てきた。
「なんじゃこりゃ?」

我が家にはお子様もいないし空気銃を趣味とする同居人もいない。
外からそんなものが混入されるはずはなく、どう考えても
マシンの中から出てきたとしか考えられない。

「そんなパーツあったっけ・・・」と取説の『各部の名称とはたらき』
というページをめくってみる。
そして私はそこにそいつの姿をみつけてしまった。
なんとそんなちっぽけなプラスチック玉にも名称とはたらきが!!!!!
そこに書かれていた言葉に私はイタリアの魂をみてしまった。

「水量計・・・黄色い浮きが水量を示す。」

ば・・・バカじゃないの?イタリア人。

でっかい水のタンクに窓は小さい。
窓の反対側でこの水量計なるプラスチック玉がプカプカ浮いてたって
こっちからは見えないのさ!!!

日本で6万近くするこの高価なコーヒーメーカーの水量計が
こんななくなってもわからないようなプラスチック玉ひとつ。
それも水タンクにセットされてるわけじゃなく、コロンと放りこまれてる
だけなんだよ!
転がってなくなったらこいつの水量を計るシステムはなくなっちゃうのよ。

これは日本人をバカにしてるのか、それともイタリア人は本当に
『いい加減な国民』なのか。
日本人の中でも『いい加減度ナンバー1』の大阪人も驚愕のこのシステム。
圧力を使うある意味危険なマシンだけに、いつこいつで爆死するかもしれない
という恐怖感をさらにあおる発見をしてしまった水量計事件でした。


安藤みかげ