空色の明日
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2001年04月27日(金) メッセージ

先日、私は友達とミナミをぶらぶら歩いていた。
普段は、あまり歩かない道をおしゃべりしながら進むと一軒の店が目に止まる。
お世辞にも大きくないその店のショーウィンドウもガラスの扉もたくさんの
チラシやポスターで埋め尽くされていた。
デビルマンとか仮面ライダーとかそのポスターからたぶんフィギュアの店と
わかるが、とにかくベタベタと貼られたポスターで店の中は全然見えない。

ちょうど適度に小さめのチラシをたくさん貼ったドアに、これまたちょうど
目の高さにすき間を発見。
そこからわずかに中が見える。

人はたぶん興味を示した店は必ず横目でもその店の外観より、中を見るはずだ。
私もそのすき間からわずかに見える中をうかがおうとした。
その時その目に飛び込んできたもの。
それはそのすき間のすぐ下にあった手書きの紙切れ。
(お世辞にもpopなんて言えるような丁寧なものではない。)
汚いなぐり書きのような字で1行。

「のぞくな、きしょいねん!」

おそらくこの怪しげな店に多くの人が興味を示し、そして埋め尽くされた
ポスターのわずかなすき間の中でこの位置が一番覗きやすく、そして
店内から見ると、このすき間から2個の目玉が動く姿は、店内のどんなフィギュアより不気味だったんだろう。
ちなみに関西で「きしょい」とは「気色わるい」の崩れたものである。

それにしてもフィギュアのような細かいものを作る人はなんて緻密なんだろう。
もし、これがちょっとでも大きな字でかかれていたら、
たまたま通り掛かってそっちを向いてしまった人の目にもそれが読めてしまう。
そして「ふん、こんな訳のわかんない店、誰が覗くもんですか!」と
逆に反感をかってしまいかねない。
興味を示し、やや近寄ってあきらかに「覗こうとしている人」の目にしか
触れないように時間と距離を計算し尽くされているのである。
緻密な彼らにしかできない完璧な仕組みによってなりたつ「メッセージ」である。

結局私はそのメッセージに負け、かつそのドアをあける勇気もなく
後ろ髪ひかれる思いでその場を去った。
一度勇気を出して、その緻密なメッセージの主を見てみたいものである。


2001年04月25日(水) 方向音痴

私は、自分が絶対に方向音痴じゃない自信があった。
一度行ったところには必ず1人で行けるし、どこか初めての所に行っても
自力で元の場所まで帰れる犬みたいなヤツだったからだ。

でも大阪に来てからこの自信がガックリなくなった。
私が方向音痴じゃなかったのではなく、それまで住んでいた神戸が
わかりやすすぎただけだったのだ。

神戸は海と山がとても近くその隙間に東西に街が広がっている。
南は海、北は山。
空き缶でも転がせば転がった方が南なわけ。
道路も電車も主要なものは全部東西に走っている。
私鉄の山陽電鉄なんかは扉の横の非常用の手動でドアがあけられる
ボックスのところに「海側」「山側」と書いてある。
つまり電車は東西にしか走らないので南側に面したドアは、永遠に
「海側」で北側は「山側」なわけだ。

神戸市民は地図を書く時も方角のマークなんか書かない。
「こっちが海でしょ」「こっちが山でしょ」で南と北は確定。

そんなあまりにも単純な街で生まれ育っては道に迷う方が難しい。
それが大阪はどこまでも街。
おまけに大阪湾に面しているこの街は街自体が南西から北東に
主要道路が走っている。
つまり地図に書くと街が斜めなわけ。
これでまず私の方位磁石はクルクル回り始めた。
おまけに海は西にある。
しかもこれがちょうど大阪湾のカーブに引っかかっていて
2〜3キロも走ればこの海が南になったり北西になったりするのだ。
うわー!!もうお手上げ!!
山なんかどこにも見えないし方角のめじるしになるものがなんにもない。

すっかり方向音痴になってしまった私。
この街で迷わなくなるにはまだまだ時間が必要みたい。


2001年04月24日(火) 春眠

眠い!!眠いよ。
どんなに寝ても眠い!!
春眠暁を覚えずってやつだね。

だいたい私は小さかった頃は全然寝ない子だったくせに
学生になった途端眠り姫のように睡魔に襲われ始めた。
中高生の頃は5〜6時間目なんてのは必ず寝てたし、短大生になって
1時限が90分になってからは必ず90分内に1回寝るようになってしまった。

救いは「生活環境学科」というわけのわからん学科だったので、
製図とか実験とか工作とか実習が多かったこと。
これがなければ私は一日何回居眠りしていただろう。
もちろん新入社員研修でも眠り姫は眠り続けた。

さっきも店で発注しながらコックリコックリ。
目の前においていた麦茶の1リットルパックをこの頭で倒さん勢いで
船をこいでしまった。

みんな1日何時間ぐらい寝てるんですか?
小泉&岸田今日子さんは10時間ぐらい寝るとまえに「いいとも」で
言ってましたけど私もたぶん10時間寝れば全然大丈夫だと思う。
以前なにかで大人は6時間ぐらい寝れば大丈夫だと読んだことがあるけど
6時間で、この舟漕ぎ状態。
たまに8時間寝ると目覚ましがなくても自主的に目覚められるくらい。
これと言ってエネルギーを消耗するような生活も送ってないのですが
これも体内時計の1つなんでしょうか?


漢詩で思い出したけど、友達がこの前の「知ってるつもり〜孔子〜」で
コメンテーターの人が
「美味しいものをたべることと美味しくものを食べることは違うんです」
っていってたのを見て
「みかげちゃんは美味しいものを美味しく食べるやつだよね」とメールしてきた。

はい、美味しいもの好きです。
その美味しいやつをどれだけ美味しく食べられるか考えるのも好きです。
生きた車えびなんか手に入れたら容赦なく皮をむいて氷水で締めて食べて
頭は素揚げして塩振ってたべます。たとえそれがたった3匹くらいでも。

まずいものを美味しく食べる努力はある程度しますが
やっぱりどうしてもダメなのは見限っちゃうから私は孔子にはなれません(笑)
って、そういう意味じゃないか。

それにしてもそのコメンテーターの人(私は見てないので誰か知らないけど)
いいこと言うよなー。


2001年04月20日(金) 占い

今週の雑誌「SPA!」の見出し。

『ビジネス部門別[星座×血液型48パターン]で占う
2001年度最強&最弱サラリーマン!
営業最高は獅子座A型、ヒット商品開発なら水瓶座B型、
すてきな中間管理職は乙女座A型、そして今年最強は双子座A型だ!』

ちなみに私は水瓶座B型です。
昔から占い本なんかを見ると「最適な職業」のコーナーには
水瓶座で見ても、B型で見ても決まってでてくる職業がある。

歌手・作詞家・小説家・芸術家・プロデューサー

どれもこれも、まともにご飯食べられそうな仕事じゃないじゃん!!!!!
しかも全然現実味ないじゃん!!!!!
確かに作詞したり歌ったりしてましたし、今も日記バカですよ。
でもそれって普通、職業になるわけないじゃん!!

子供ながらに「あり得へん!」って思いながら読んだ経験がある。
いまだにどんな本みてもやっぱりそう書いてある。
でも芸能界を見渡してみて水瓶座のB型の比率がそんなに高いとも
思えないのでやっぱりしょせん占いは占いだな(笑)

でも面白いと思うのは歌手はあっても、絶対俳優って書いてないの。
おんなじような気がするんだけど、確かに私がもしも運がよくて
おまけに美人で声が綺麗に生まれてても俳優は性格的にムリだと思う。
努力も必要だし忍耐も必要だもんね。
その辺はきっと「インスピレーション型」っていう枠の上で
歌手と俳優の区別をしてるんだろうな。
そう考えるとあたってる気もする。
でもまあ、どっちにしてもあり得ない(笑)

さて、それから考えれば「SPA!」の「ヒット商品開発」なんてのは
かなり現実的で好感が持てる。
確かに「こんな商品あったら売れるだろうな」とひらめいたりする時は
たまーにある。

電車会社に勤めていた時、「ゲーム開発しよう!」という企画が上がって
「じゃ、運転シュミレーションゲーム作ったらいいじゃん!」と
言ったら鼻で笑われて終わった。
次の年「電車でGO!」が発売され爆発ヒットしそれから数年遅れて
その会社は自社線版「電車でGO!」みたいなパクリ商品を発売した。

そう、いくら水瓶座B型が「ヒット商品開発」出来たとしても
それを受け入れられる環境がなかなかないのですよ。
だいたい私は会社にいた時も古い頭のおっさん上司に
「君のファッションは会社にふさわしくない」と注意され
困った社員としてマークされてたぐらいだ。
ジャケット着てなかったぐらいで、シャツの第1ボタンがとまらなくて
いつもネクタイ緩めてるおっさんに言われたくない(笑)
その部署の名前は「クリエイティブ○○部」という名前だった。
どこがクリエイティブなのか聞いてみたい。

だいたい私が入社した時の同期がたまたま半分以上B型だという
日本的比率を無視した人事採用だったために、
「今年の新入社員は前代未聞だ」を連発され、挙句の果てに
採用した人事幹部が次の異動で総入れ替えされたような会社だ。

昔から水瓶座B型のおかげで「変わってるね」といわれるのが
当たり前になってるので私はそのくらいのことでは微動だにしないが
水瓶座B型の「ヒット商品開発」はありそうだけど、おそらく
なかなか存在しえないだろう。
企画会議を突破できるガッツある人ならまだしも、俳優になれないくらい
根気のない水瓶座B型にはそれはかなり困難な気がする。
本当に水瓶座B型を商品開発部門で泳がせられるような太っ腹な会社が
今時存在するなら私が入社したいよ。

そんなわけで私は占いを信じたくても現実的に考えたら信じられないのでありまする。


2001年04月15日(日) 休憩場所

本屋さんが好きです。
もしちょっと時間があまったら必ず本屋さんに入ります。
棚を見て気に入っている本が3冊まとめてすぐにみつかる店は
相性がいい店です。

そんな私が大好きな本屋さんがあります。
愛知を中心に全国にチェーン展開してるヴィレッジ・ヴァンガードという本屋さん。
関西にもたくさんお店がありますが私が一番好きな品揃えの店は
神戸のハーバーランド店です。

ご存知のない方の為にちょっと説明しますとこの本屋さんには
ジャンプとかマガジンがない。
ベストセラーの本もない。
ターゲットは10代後半から20代前半とものすごく狭くて
そのあたりの人のツボにはいりそうな本が深く深く掘り下げて
品揃えされています。
といっても私のツボにはまりまくってるということは、
そのターゲットもいい加減なもんですが(笑)

その本屋に行くと新商品が少ないのでそのうち飽きてくる。
何度いっても同じ本しかないから(笑)
でもつい行ってしまう。
それは単に好きな本に囲まれる幸せ感に包まれるためだけに。
でも、これってなかなかできないことでしょ?
全てがものすごいエネルギーを放ってる本ばっかりで、
そういうものに囲まれると世界がすごく輝いて感じるのです。

松本大洋のマンガとか、ネコぢるのぬいぐるみとか
つげ義春の本がきれいに並べられた棚とか、小島麻由美のBGMとか
なにもかもが私にとっては洗練された空間(やばいか・・これって)
初めてこの本屋に出会った時真剣にバイトしようかと考えたくらいです。

私が音楽や映画や文学やマンガや写真のコーナーをうろつき
同居人はずっと車のコーナーにいる。
私たちの休日はこの本屋にはじまり終わる(笑)

お気に入りの空間がいくつありますか?
気持ちが「イーッ!」となったら逃げ込める場所をいくつ持ってますか?
大人になればなるほどそんな場所をたくさん手に入れられる気がする。
図書館、公園、川原、家、カフェ、そして本屋。
お出かけ好きの私は今日もそんな場所でぼんやり。
留守がちでごめんなさい(笑)


2001年04月14日(土) ケチ

姪のメイちゃんが言葉を覚え始めた頃のこと。
メイママが何かある度に「大変!大変!メイちゃんどうしよう!」と
言っていたので、横にいた母が「『大変!』って教えるかわりに
『ま、いっか』って教えたら?」と口をはさんだ。

なんでもすぐ「大変!」とか「どうしよう!」って言う人ってどうも苦手です。
悩みって、悩まなきゃ悩みにならないんだよね。
なんでもすぐ不幸にとったり、悩みにとらえちゃう人ってすごく損してると思う。
どうせ考えるならできるだけ無駄なく幸せになれるような考えかたをした方が
得だよね。
私がそういう考え方をするようになったきっかけをちょっとお話します。

子供の時から結構神経質だった私。
それと正反対に猛烈におおらかな母。
「今ここで悩んでたって解決しないなら悩むだけ損だからやめなさい。」と
よく言われた。
学校で戦争のことを習った時、「もし今戦争が起こったらどうしよう!
水もガスもとまっちゃう!」と眠れないでいたら一言、
「今の爆弾はすごいから痛いも何もないうちに死んじゃうから大丈夫よ」。
なんか納得してすぐに眠れた。

あと、友達が言ってくれた言葉。
「夜になると人ってなんでも悪く考える。何か考え事をするなら昼考えろ。」
確かに夜考えるとろくなことを考えない。
なのに同じコトを昼間考えると結構ポジティブな答えがでたりする。

何か考え事をする時はその場からその考えを他の場所や時間に持ち越さない。
夜はなるべく考えない。
この二つが私の考え事のルールです。

悩んでる時の憂鬱って伝染する気がする。
悩んでると周りの人も不幸になる気がする。
だからといって相談にのらないことはないけど悩みの相談なんて
はっきりいって答えはもう悩んでる本人の中にあるから意味ない気がする。
ただ、聞いてあげて憂鬱を吹き飛ばすような話をしてあげたり
どこかに連れ出したげたり、そんなことしか私にはできないけど
それが悩んでる人には一番必要じゃないかな?

でも、私の友達はだいたいこんなような考え方の人が多いから
みんな悩まないんだけどね。
考えて考えて、悩まない。
悩むと何かにつけて損だからね。
そういうとこはどこまでもケチな人間でいたい。


2001年04月04日(水) お告げ

運命って信じる?
って、これ、前にも書いたっけ?
もう半年近く書いてると前に書いたこと忘れるのよね。

何かを決断する時、みなさんはどんなふうに決める?
いろんな未来を推定して一番ベストな選択をする?
周りにいっぱい相談する?

私はいつも『お告げ』に従うのです(笑)
誰のお告げ?
たぶん運命ってやつのお告げです。
だいたいいろんなケースを想定するとかそういう細かい計算が
とても苦手なのです。
途中で「えーい、クチャクチャ!!」と握りつぶしちゃう。
で、流れに身を任せてると向こうからお告げがやってくるのです。

受験だって就職だってそんな風でした。
自分で未来を切り開くということをしたことがない。
それってすごくノンポリっぽくてカッコ悪いかんじもしますが
実際やってみるとそうでもない。

まずこの『お告げ』をうまく受信できないといけないんだから。
アンテナ立ててピピッと来るやつをピョンと飛んで捕まえる。
で、「ああ、今このお告げが来たってことはこっちへ行けってことだな」
と決断してしまうのです。

半分は逃げです。
もしそっちの道が失敗でも「ああ、他人のお告げをキャッチしちゃった」
と、諦めがつくのです。
だから少々つらいことがあったとしても自分を責める事もないし
すぐに次のお告げ探しに切り換えられるのです。

何よりもこのお告げで何か素敵な出来事や物や人に出会ったら
とってもロマンティックな気分でしょ?
それが嬉しくていつも『お告げ』に身を任せる。

知らない街に行って、美味しそうなモノを見つけるとすぐに予定変更。
それも運命。
素敵なモノに出会うとまたまた予定変更。
これが出会い。
そしてそういうものに出会わせるのが『お告げ』の仕業。

さっき窓際でビデオを見ていたらカーテンの隙間から白いものが…。
その狭い狭い空間にポッカリ白い半月。
そんな狭いところにちょうどお月様がおさまった時に偶然にも
画面から目をはずした私。
これもお告げの仕業?
こういう瞬間、運命を感じるのです。


安藤みかげ