[ 月刊・夢の図書館 ] * 読書特集 & ブックトーク *


☆1月の本:きっかけ。の本

 昨年、一番のきっかけになった本は、「カエテミル」
ほんのちょっと、部屋に手を加えるだけで、とても住み心地よく変えて
いくことができることに気づきました。

 部屋の明かりを暖色系の明かりにするだけで、なんだか懐かしいような
暖かい空間になりました。それだけのことで、今まで冷え冷えとしてい
て落ち着かなかった場所が、生活の中で一番大切な場所となり、大切な
場所だから、鉢植えを買ってきたり、もっと、住み心地が良くなるよう
なにか工夫はできないかと、この部屋に関心を持つようになりました。

 もっと、良い本を読みたい。そう思うきっかけになったのは「家守綺譚」
もっともっと、良い本に触れて、言葉をもっと大切にしようと、しんみり
とした気持ちになりました。その後読んだ「村田エフェンディ滞土録」 でも、
切なくて涙をこぼしながら、言葉の力に深く揺さぶられました。
そうは思っても、良い本を読むときには、私は「時」を選ぶタイプなので、
あわただしい時間を埋める本は相も変わらず乱読状態ですが。

 「ガラクタ捨てれば自分が見える」 強烈なタイトルですが、ものにあふれた
生活を見直すきっかけになったのは風水の観点からの整理術の本。ガラクタ
が正しい「気」の流れを妨げるという説に、強い危機感を感じました。

 ロザムンド・ピルチャー は、豊かさについて考えるきっかけをくれました。
英国の豊かさ、自然の豊かさ、小説が与えてくれる想像力の豊かさ。
平易な文章から生み出される飾りのない心に響く豊かさ。
あと未読の本は「帰郷」 と「双子座の星のもとに」
読む「時」を選んでいるのもあるけれど、もったいなくてなかなか手に取れ
ないのです。

 白洲正子 さんの本や、そこから知った青山二郎 さんの本。
これも今まであまり読まなかった少し前の日本の作家の本を読むきっかけに
なっています。最近よく考える「言葉の力」の強さを存分に味わうことがで
きました。

 2005年、これからも多くのきっかけと出会えることを楽しみにしています。(シィアル)

050109
by お天気猫や
2005年02月11日(金)

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