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MILETが黒い古ぼけたトランクを開けた。 中からオレンジ色の分厚いファイルを取り出すと、 ページをめくり始めた。 好奇心に駆られて、俺様もファイルを覗き込んだ。 そこにはMILETが 書き溜めた小説もどきがしこたま収められていた。 ワープロ書きのものもあれば、 例の悪筆による肉筆もある。 どれも共通して「暗い内容」だった。 MILETはそれをニヤニヤ顔で読み返している。 「私も青かったなぁ」 などと呟いていた。 今もMILETは小説を書くのが好きなのだが、 昔の方が多作だったようである。 その証拠に古ぼけたトランクには びっしりとノートだのワープロ書きの原稿だのが 収まっていた。 MILETはオレンジのファイルを閉じると、 しばらく感慨に耽っていたようである。 おそらく最近は小説のネタか切れてきたので、 このファイルからネタを引っ張り出そうと思案しているのだ。 MILETは「青かった」のではなく 未だに「青い」ままなのだ。
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