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異空への旅 - 2003年11月16日(日)
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朝起きたときに思い立って、前々からやってみたいと思っていた鶴見線の旅に出ることに。

鶴見線っていうのは、川崎市の臨港地帯を走っているJR線で、
いろいろな意味で珍しい路線なので、鉄道マニアの間ではとても有名らしい。
(なにせファンサイトがあるくらいです。
 http://member.nifty.ne.jp/kintaro/t-line.html
 ここはかなり詳しいですので、興味のある方はどうぞ。)

僕は知る人ぞ知る「港・埋め立て地・工業地帯愛好家」なので、
その方面から鶴見線のことを知りました。
で、ネットでいろいろ調べてみると、おもしろいことおもしろいこと。
いつか暇を見て行ってみようと考えていたのです。


さて、今後の記述を分かりやすくするために鶴見線の路線図を。


       
鶴見線は、一つの路線にもかかわらず、途中に分岐があり、終点が3つあります。
なので、鶴見から海芝浦行き、大川行き、扇町行きという3タイプの電車が出ています。


家から京王線、南武線、京浜東北線を乗り継いで、
鶴見線の始発駅である鶴見に降り立ったのが11:20。
さあ、いよいよ鶴見線に乗車。
たまたまホームにいたのが海芝浦行きだったこともあって、最初の目的地は海芝浦に決定。
この海芝浦は、「海に最も近い駅」「改札から外に出られない駅」で有名。
ちなみに「関東の駅百選」にも選ばれています。

10分待ちで発車。
すごくトロトロと走ります。期待通り。
雰囲気は完全にローカル線。
電車は運河を渡り、工場を抜けて進んでいきます。
それぞれの駅で待っているお客さんは5人いるかいないか。
そもそも鶴見で乗ったお客さんが20人に満たないくらいだった。

4つめの浅野から電車は右方向(方角的には南東)へ展開。
すると、左手に運河が見えてきました。
そこから2駅で、終点の海芝浦。



たまげたね。たまげた。
本当に目の前が海だ。それどころか、海の上に浮かんでるような感覚。



この写真なんて、とても駅から撮ったとは思えないでしょ。

で、この駅は、さっきも言ったように、改札から外に出られない。
何故かというと、この駅が東芝鶴見工場の敷地内にあるから。
駅から外に出られるのは、この工場の従業員だけなのです。
改札は無人なんだけど、かわりに警備員の詰め所があって、
東芝と関係のない人が外に出ようとすれば、即刻発砲されます(嘘です言い過ぎました)。

潮風が強くて、真っ白なカモメがものすごいスピードで滑空していく。
ジャンボジェットみたいだ、と思ってたら、本物が空高くを飛んでいた。
なんとかして両方を同時にファインダーにいれようと頑張ってみたけど、ついにできずじまい。

駅の奥には小さい公園があって、そこは東芝関係者でなくても入れるというので、行ってみることに。
水色の風車が潮風を受けて猛烈に回っていました。誰も見ていやしないのに回っていました。



公園から駅の方を望む
真ん中に見えている黄色の物体が乗ってきた電車。



おまけ。駅構内にあった看板。
なんだろう。
僕としては「下+カエル」で「従える」と読んだんだけど、読んだところで意味が分からない。

そんなこんなで20分待って、折り返しの鶴見行きに乗る。
そして、2駅隣の浅野で降りてみました。
時刻表を見ると、次の鶴見行きまで1時間。次の扇町行きまでも1時間。
やれやれ。まあ期待通りだけどね。

というわけで、駅で待ってるのも勿体ないので、歩いてみることに。
駅に掲示されている所要時間表を見る限りでは、隣の安善まで2分、次の武蔵白石まで4分だから、
歩いてもそんなにはかからないはず。
目的地は、「おそろしく電車が来ない駅」、大川。
おそろしく電車が来ないので、歩いていこうと。

歩き始めてみると、工場だけではなく、ちゃんと家もあって、住んでる人もいて、
通りかかる人もいくらかはいる。遊んでいる子どもたちもいた。
でも、数が恐ろしく少ない。閑散としている。
こういう場所が都心のすぐ近くにあるということがすごい。
鏡の裏に入れて、そこは誰もいないあべこべの空間だった、っていう話はよくあるけど、
本当にそれを目の当たりにしている感覚を覚えた。

時計を気にしてみるも、次の電車まではまだまだ余裕。
途中、安善と武蔵白石を確認。
地図を持ってこなかったので、当てずっぽうで大川を目指す。

そうやって当てずっぽうで歩くうちに、浜川崎に到着。
・・・アレ?
完全に道を間違えた。
この時点で12:40。次の扇町行きは13:15。
うーん。どうしよう・・・待つのもしゃくだし、大川を見ずに帰るのも残念だし・・・
ということで決断して、来た道を戻ることに。
思えばここで曲がった方がいいかな・・・って思った道が一つあったのです。
あそこの先に大川があるに違いない。

でも問題は時間。武蔵白石から乗るとすると扇町行きは13:10。
大川まで行って、見物して、戻ってきたら、乗れるかどうか微妙なところ。
乗れなかったらもちろん次の電車は1時間来ない。
自然と早足になる。
武蔵白石に戻ってきたところで12:54。
大川までの距離が分からないけど、かなり辛いな・・・。
でもここまで来たんだから、行かないわけにはいかん!

左右に工場しかないまっすぐな一本道を進む。
道と平行して線路があるから、この先が大川なのは間違いない。
時間がない。
焦って走り出す。
誰もいない日曜日の工業地帯を一人、誰に追われるでもなく走る男の画はかなりシュールに違いない。

そして。
ついに辿り着きました、大川。



寂れてる

それもそのはず。



待ったって電車が来ないんだから。




この世界の果て


この雰囲気、空気にもう少し浸っていたかったんだけど、
もう時間がない。
来た道をほとんど休まず走る、走る、走り抜く。
こういう時に限って外は暖かい。汗が噴き出してくる。
久しぶりに思いっきり走った気がする。
大人になるということは、走らなくなることなのかもしれない。

結果:
めでたく扇町行きに乗車成功!

よかったよかった。

さっき歩いてきた道の横を走り、電車は浜川崎に到着。
そして、貨物線の線路に埋もれながら、さらに深く、扇町を目指します。

13:20到着。
折り返しは13:30ということで、駅をぶらぶら。
この駅は、海芝浦や大川と違って、鶴見線自体は終点なんだけど、
まだ先に貨物の線路が続いているから、「世界の果て」感があまりない。

ここに限らず、鶴見線では時間がゆっくり流れているような気がしました。
工業地帯の、それこそアーティフィシャルの極みのような物体たちに囲まれているにもかかわらず、
こんなに心地よいのは、きっとその時の流れの感覚のせいなのだろうと思いました。

折り返しの鶴見行きに乗って、浜川崎で下車。

そこから南武支線(これもローカル線の趣。ワンマン運転)に乗り換え。
25分待ち。
電車が来るのが当たり前でない空間が嬉しい。

14:00の尻手行きに乗車。
車窓がだんだん工業地帯から住宅地帯へと変貌を遂げ、ゆっくりと現実に引き戻されていく。
このプロセスはなかなかよい。
今度来たときは、これで鶴見線に入ってみたい。
京浜東北線でいきなり飛び込むよりも、徐々に非現実へ向かっていく感じが出てよさそう。


というわけで、これで鶴見線の旅は終了です。
期待通りの異空間で、僕は満足しました。

興味を持った方、ぜひ行ってみてください。きっと楽しいと思います。
僕が暇なときならばお供させて頂きます。

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 マエ    ツギ    モクジ



∴オキニイリニツイカ∵
























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