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京都・養老旅行記(第3日) - 2002年03月23日(土)
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7時起床。 そそくさと布団を上げ、着替え、歯を磨き、30分で準備完了。 おおきにおばちゃん(命名)ともお別れ。 おおきに。
朝食にミルクを飲みたいと思い、 京都駅でコンビニなどを探すも、ない。 その代わりスターバックスを見つけたので、開店(8:00)まで待つ。 実はスターバックスにはあまり行ったことがないので、 注文するときにいまだに緊張する。
そのままホームへ。 8:29発の新快速長浜行きに乗る。 始発ではないので、座れず、 立ったまま、ビスケットとカフェモカで朝食。 途中米原で一度乗り換え。
大垣に向かう車中、ようやくうまんといろいろ話す。 考えてみれば、 夜行:乗ってすぐ就寝態勢 京都:疲れていっぱいいっぱい 宿:すぐ就寝 なので、この旅の間、うまんとじっくり話す機会がほとんどなかった。
これでもへっちゃらだから友達少ないんだろうなあ、と自省。
★養老天命反転地 大垣には10:00ちょっと前に到着。 ここから近鉄養老線に乗って、養老町を目指す。 単線ののどかな電車。 養老に何をしに行くかというと、 旅の当初の目的であった養老天命反転地へ。
このホームページじゃいまいち伝わりにくいんだけど、 とにかく異様な空間。 何が異様かというと・・・うまく伝えられない。
ここは、建築家の荒川修作という人が造った。 僕もつい最近この人のことを知ったので、何も言えないんだけど、 間違いなくイッてます、この方。 最初に入った建物で、 NHKが作った「荒川修作と天命反転地」みたいな番組を放映してたんだけど、 思想性が強烈。 「ここに来たらいろんな神様にあえるんだ。しかもその神様のうちの一人が自分だったらいいでしょ」 「精神や魂の救済がないところには、人類の歴史はない」 「...肉体を安らぎの場所に連れていかない限り、僕たちには真の安らぎがない」
荒川は、神が人間に与えた運命(=天命)を自分の手で覆すために、 この場所を造った、とナレーションは言っていた。
うまんがポツリと 「これって、宗教だよなあ」
その通りだと思った。 宗教の定義のしかた次第では、これは間違いなく「荒川教」であり、 天命反転地は荒川教の総本山だ。
思いはめぐり、つたない現代芸術論なんかが頭を駆けめぐる。 まだ勉強不足なのでここには書きません。 いずれ。
ともあれ、この場所は、童心に帰れるテーマパークとして良くできている。 怪しげな隙間に首を突っ込んでみたり、 真っ暗な空間を手探りで歩いてみたり、 変な位置についているいすに座ってみたり、 塹壕のような一本道をひたすら進んでみたり。 結局体で感じられれば、荒川には申し訳ないが、 思想なんてもんはどうでもいいのかもしれない。
思いっきり体感して、最後に売店へ。 天命反転地Tシャツが売られている。 見ると、大きく
「We Have Decided Not To Die/Arakawa, Gins」
(ちなみにGinsっていうのは、荒川の彼女で、創作活動のパートナーでもある人。) という文字がプリントされている。 その時は、「ああ、また観念論だなあ・・・」くらいの感想しかなかったんだけど、 帰って、カノジョと話しているときに突然このフレーズの意味が分かった。 ここで彼らが言う「死」っていうのは 「神(的存在)が人間に与え、人間にはコントロールできない運命=天命」の象徴なのだ。 (あるいは「人間には逆らうことのできない運命=神」か) 荒川はあくまでその運命に抗う。 「decide」とは、言うまでもなく主体的な決断にほかならない。 彼らは、「死なない」ということで、「天命を覆す」という明確な意志を表明しているのだ。
あの番組のインタビューの中で、 「考えるところまではやった。次は行動に移さなきゃいけないんだな」と荒川は語っていた。 彼は、この天命反転地を造るという「行動」で、 神の与えし運命に逆らい、それを反転させることを目指した。 天命反転地は「私たちは死なないことに決めた」という宣言の具象化された形なのだ。
ああ、やれやれ。
帰りの養老線の走る音が、 「猪木、ボンバイエ、猪木、ボンバイエ、猪木、ボンバイエ」 と聞こえてきた。 これも荒川修作のせいに違いない。 きっとそうだ。
★帰路 大垣を14:18に出発。 時刻表とにらめっこして、完璧な計画を立て、 鈍行を乗り継いで東京を目指す。 豊橋、浜松、沼津、小田原、品川で乗り換えて、ようやく新宿に着いたのが21:15。
<うまん(食いしん坊)の本音> 「sjo k.君がいなかったら、今回はもっと食い倒れの旅になっていた」 <僕(ふだん一日二食)の本音> 「うまんがいなかったら、僕はもっと食費を削った」
二人旅は難しいね。 ともあれ、基本的にマイペースを通したのは僕だった。 この場を借りてお詫びね。 どうもありがとう。
うまんと西口で別れ、京王線で帰宅。
というわけで、幕切れ。 すごい旅だった。 きっといろいろ得るものがあった。 おやすみなさい。
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