2004年01月11日(日)
ミュージカル、真剣勝負�Α 峪笋�何をしたでしょう?」


表題のような歌詞を、主役のナイチンゲールが唄う。
小鳥のような声で・・・・。


本日はマエストロ初登板で、オマケにいつもの稽古場で少し小返しをしてからは、
同じ建物内のホールに場所を移して、そこでの稽古となった。
実寸より間口が2間狭いが、今までの小狭い稽古場に比べたら、どれだけマシかと思う。


それに、やっぱ違うホールとはいえ、目線の先に調光室や音響室が見え、
客電はついているものの、こちらにも明りが落ちてきているその状態というのは、
あたくしの心をくすぐる。
いつもは出来ない笑顔が自然と出てくるし、いつもヒトミ先生に必ずと言っていいほど叱られる箇所も
難なくランスルーできてしまう。
「劇場」の板の上というのは、そのくらい役者にとって効果のあるものなんだな・・・・と
今更ながらに実感した。


こう、だんだんと興が乗ってきた感じだ。


お昼休みを挟んでの移動となったのだが、板の上に組まれたスロープ代わりの平台の上に
志保さんが、少し深刻そうな顔をして腰掛けていたので、そばに行って話しかけてみた。
志保さんは、お昼休みに入る前、歩き方の講習をトモコさんから受けていたので、
そのことで頭を悩ませているのかもしれないな・・・・そう思って。
彼女は、この公演が初舞台なのだ。


「いいものでしょう・・・・? 本番とは違うけれど、こうして実際に板の上に立ってみるのって。」

「いやぁ・・・・緊張しますよ。ますますどういうふうにしていいのか、わからなくって(苦笑)」

「今は客席に明りがついているから気になるでしょうけど、本番は真っ暗な上、
こちらに向かって、ライトがつきますからね。よっぽど視力のいい人でないと
客席のことなんか見えませんから、大胆になれますよ♪」


「そういうもんですかねぇ?」

「あたしなんか視力がいい方だから、袖からでも客の入りが見えちゃうんですけどね(笑)」

「あたし、今まで見るのが好きで今回こうして挑戦しているんですけど、
見るのと実際に演じるのとではえらい違いますね・・・・実感しましたよ。
次から、舞台を見に行く時に、違うふうな感覚になりそうですもん(笑)」


「本番を終えたら、また違うふうに思えますよ、きっと。
今は緊張なさってるかもしれませんけど、衣裳を着てメイクをして歌やせりふを全部こなして
カーテンコールまで行き着いたら、気分も変わりますよ♪」



志保さんは遠くの方を見つめていた。
午前中に、ヒトミ先生やトモコさんに目線のことも細かく言われていたからだろう。


「ねぇ志保さん・・・・先生は非常口のランプ当たりをって言ってたけど、
実際にはもっと上でもいいんですよ。調光室・・・・あのピンスポの置いてある部屋の小窓わかりますか?
大体、あの部屋を見るような感じで首をくっと上げると、ちょうどいいと思いますよ♪」


「あのへんですか?」

「そうそう♪ そうすると自然と顔に明りが当たって見栄えもするんですよ♪」

「なるほど〜♪」



志保さんの緊張を解きほぐしながら、暫し、平台の上で世間話をしていた。
あたくしは、ここしばらく体調が良くなってきて、ロキソニンも飲まない日のほうが多くなったことや、
本番とは違うホールだけど、実は今日のこのホールの板には前にも立ったことがあって、
それはもうかれこれ12年前になるなんて話もしていた。
彼女は、声が大きなことだけが取得ですとか、今まで出されたダメだしの話をする。

最近、せりふや歌の途中でダメ出しが入らなくなったのは、声を張れることが出来ているからだと
あたくしは彼女に告げた。
彼女は、少し照れ笑いをしていたが、まだ課題が全部克服できたわけではないので、
やっぱり少し深刻げなのだけど、それはあたくしも一緒で、
歌の歌詞やせりふを、済し崩しに誤魔化しているところも何箇所かあるし(爆)
普段の稽古場に戻れば、またヒトミ先生に叱られてしまいそうな振りも沢山ある。
もう、あまり日もないので、安穏と構えていられないのだけど、
板の上に立ったことで、今後の稽古には大きく影響すると思う。




そういう、少し晴れやかな気分にさせてくれる本日の稽古の一方で、
実は、とんでもないバトルが繰り広げられていることを知らされてしまうのである。

午前中にヒトミ先生からも聞かされたのだけど、
応援として侍従役に、既に岩倉で公演を終えた男性メンバーが何人か入ってくれるのだけど、
その岩倉チームと、元々の大垣の侍従チームの間で、どうやら火花が散っているらしい。

いつもは穏やかで、真面目でコツコツ稽古している侍従長の古橋パパが、キレそうになっているのだ。
今まで付けられた振りを、岩倉チームがあれこれ言うせいで、もうここ何回かの稽古で
コロコロ変更されてしまっているのだ。
古橋パパはいつも、メンバーの中では一番こまめにメモをとり、復習もきちんとしてくる人で、
最近はずっと、古橋パパにビデオ撮影もお願いして任せていたのだけど、
その撮影されたビデオで練習をしてきても、全く報われないことが増えてきた。
せっかく、動きも彼に合わせたものが沢山あったのに、
岩倉チームの合流で、それが今グチャグチャになっているらしい。

前に撮ったビデオをダビングして欲しいと頼んだことがあったのだけど、
岩倉チーム合流後、ビデオが全く無意味になってしまうことが多いので、
あたくしも古橋パパも、ダンスの部分ではどこをどう変更されたか、というのが
理解できていないことが格段に増えたのだ。

奇しくも、侍従長&女官長は、他の人たちとは違う振付で当初から付けられていることが多く、
あたくしと古橋パパというセットで同じ振り付け・・・・というのも多々あるのだけど、
それを岩倉チームが引っ掻き回そうとしているので、実はあたくしにもその波及がやってきているのだ。
他人事と笑ってはいられず、侍従長が変更されれば女官長も・・・・ということになりかねないので、
ここにきて、あたくしも危機感たるやを感じている。


結構、煮えくり返ってきている古橋パパにとりあえず声をかけておく。


「侍従長〜、大丈夫?」

「まだ・・・・何とか・・・・(苦笑)」

「あんまり、根詰めすぎないでくださいね・・・・。」

「もうさぁ・・・・岩倉の人たちのせいで大変だよ。
あ、そうそう、日野さん! M20の振り、あれってどうだっけ?」


「へっ??」

「確か、女官長と同じタイミングで膝をつくはずなんだけど・・・・」

「えぇ、あたしもそうと聞いてますけど??」

「それが違うと、後ろからやいやい言われるんだよ(怒)」

「だってあれは、悟朗さんからミザンス的問題を指摘されて
かなり前から、あたしと古橋さんの振りは変わってないはずですけど・・・・?」


「あと、立つタイミング!」

「それも一緒ですよ?」

「ですよねぇ??」

「あたしも女官たちと振りが違うとこがあるんで、古橋さんに合わせて付けられたところが結構あるし、
それが違うとなると、こっちも変になっちゃうんですけど・・・・。
うち(女官)と一緒で、侍従は侍従で、侍従長とは違うんだし・・・・。
女官長&侍従長みたいな感じのところ、結構ありますよ??」


「もう・・・・参っちゃうよ。」

「とにかく、もう一度そこのところだけでもヒトミ先生に確認を入れておきましょう。
ほら、悟朗さん指令でついた振付だから♪」


「そうしましょうか・・・・。」



一応、古橋パパの言っていたことの方が正しくて、何とかここの部分は事無きを得たのだけど、
残り少ない稽古日程で、もうこれ以上、あれこれ変えられたのでは埒が明かない。
ヒトミ先生だって、一所懸命に作った振りを、今までに何度となく破棄されているのだから、
岩倉チームに引っ掻き回されて、面白くないわけがないのだ。
幸い、あたくしも古橋パパもスコアに同じ内容のメモが残してあるので、
そういう部分については、こっちで打ち合わせさえしっかりしておけば大丈夫なんだけど、
女官と侍従に別れてやるところなんかはもう大変だ。
女官と女官長で違う振り、侍従と侍従長で違う振り、しかもシンメトリーになるように
立ち位置は決められていて、それによって、膝をついていたり立っていたりすることで、
ミザンスが決められている部分なんかは、あたくしも古橋パパも自分ひとりだけの振り付け・・・・
ということになるので、他に頼ることが出来ない。
しかし、他から「間違っている」と指摘されるべき部分ではないのだ。
それを指摘できるのは、ヒトミ先生だけで、彼女からのOKが出ていれば万事解決・・・・なのだけど。

しかも、思い切ってやりきってしまえば、ランスルーできてしまうとこだったりするのだ・・・・
そういう箇所に限って(苦笑)。

私は女官長だから( ̄^ ̄) 俺様は侍従長だから( ̄^ ̄)

というエラっそうな部分を常々主張しておけば、まず演出家からNGは出ない。
ともすれば、ヒトミ先生だって誤魔化しきることが出来るかもしれないのに・・・・(-。-) ぼそっ

くっそぉ〜。これ以上余計なことを言ってくれるなよ、岩倉チームめ( ̄― ̄メ)

古橋パパと2人で、何でか知らないけれどナイチンゲールのソロ曲が口をついて出てくる・・・・。


「♪わ〜た〜し〜が〜な〜に〜を〜〜〜 ♪し〜た〜で〜〜〜しょう〜〜?♪」

「♪わ〜た〜し〜は〜な〜に〜も〜〜 ♪し〜て〜い〜〜ない〜〜〜♪」

「♪ちゃ〜 ちゃらら〜〜〜♪」
(伴奏のつもり)

「♪ちゃ〜 ちゃらら〜〜〜♪」(伴奏のつもり)


互いを見遣って、にやりと笑う・・・・(爆)。
ホント、うちらは先生に付けられた振付を忠実に行なっているはずなのに、
何でかこんがらがるようなことを言う人がいるので、余計にごちゃごちゃしてしまう。
しかも、こうやって口をついて出てきた歌詞は、本来、こういう意味で使われているものではないのに、
今の我々の気持ちを、正に抜粋しているとも言えて、苦笑を誘う。

と、そこへ楽士長の森(♂)ちゃん・・・・

↑悩める人、ここにもひとり(爆)

森ちゃんは、自分のせりふや歌で躓いて、昨日も檄を飛ばされたのだけど、
他の人のソロ曲は口をついて出てくるこの不思議に首を傾げていた(笑)。


「いっつも耳で聞いて、それで覚えちゃうんだよ(笑)」

「そうそう(笑)。あたしも無意味に子供たちの歌を覚えちゃってるもん。」

「そういうもんっすかねぇ?」

「私も死神の歌が頭から離れなくてねぇ(笑)」

「あ、僕もです(笑)」



この市民ミュージカルに明日はあるのか・・・・!?(爆)
暴走癖は、何も女官の女子高生たちだけに言えた話ではないということを、舞台の袖で悟ってしまった。
えぇ・・・・3人とも、いい大人ですとも(爆)。

今日はほぼ立ちっぱなしな上、稽古が20分押して、ヘトヘトに疲れました。
化粧のために早起きしたアサミンジャーの稼働時間はとっくに終わりを迎えております。
化粧のために6時起きってどうよ!!??

↑主役のユキちゃん、昼休みになって焦る(爆)

必死になってた(爆)。
オンナと役者は顔が命だものね・・・・(苦笑)。
特に記録に残るものに関しては、汚点を残したくないものである。
尚、これは当日配られるパンフレットに印刷されるものなので、あたくしもかなり念を入れた。
(普段ノーメイクなので、気合を入れると本当に化ける( ̄∇ ̄;))

あさみ


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