2003年09月09日(火)
闘え!起動戦士アサミンジャー 「欲求不満」の巻
読書の秋を踏みにじられるが感謝しよう


毎度。
昨日、理由もなく37.8℃も熱を出して、ひとりで「あっれ〜?」と首を傾げていたアサミンジャー


本日。また絶対、予約時間が押し込んで、30分は待たされるのを覚悟で、
この間、たりたさんが貸してくださった本「癒しの光」(上巻)をバッグに突っ込んで、
こういう時こそ読書の秋を堪能しよう♪とばかりに、自転車(¥5500)に乗って
10分遅れくらいでクリニックに着いた。
で、受付に診察券を出して、ふぅやれやれ・・・・と前書きの部分を読み終わった頃に、
名前を呼ばれてびびった。
嘗て、こんなにスムーズに診察室に通されたことなど一度たりともなかったのだ。
加えて、ガッツリと暇つぶしグッズを取り揃えて、待つことを覚悟で来院したのに、
思いっきし出鼻を挫かれてしまった( ̄∇ ̄;)

ある意味で、「こ・・・・このヤロウ」である(笑)。


待たされる時間に比例して、状態も悪くなるので、今日は割とぴんぴんしてオーアエのところに赴く。
ぴんぴんしていたので、色んなことを具体的に話すことも出来たし、
質問にもちゃんとした言葉で答えられたと思う。
いつもは何となくこう感じる、とか、特別な理由なんかなくって、こう思ってる、とか
そういうのばかりで、最近のあたくしのカルテにはどうでもいいことばかりが書いてあるはずだ。
前回は特にグロッキーで、診察中にぶっ倒れているし、
オカンまでクリニックに飛んできた。
今日、血圧も計ってもらったんだけど、上が3桁だったので、頗る健康♪と太鼓判を押してもらって、
帰ってきたところだ。


こんなことを訊かれた。

「つかぬ事を訊くが・・・・キミは空想することが多いかい?」

「あぁ、はい。」

「頻度としてはどのくらい?」

「何も考えていない時間がないくらい。・・・・それこそ、眠っている時すら。」

「テレビを見ている時とか、何か考えてる?」

「えぇ、勿論。言ってしまえば、何も考えないでいることが怖いんです。
だから、本当に色々考えます。」


「例えば、映画なんかを見ていると感情移入とかをしちゃう方??」

「それが・・・・。」

「ん? どうした?」

「それは・・・・あんまりないんです。」

「はぁ???? どういうことだ、それは。」

「うん・・・・映画も本編よりもスタッフロールを凝視する方で、感動する映画も沢山あるんだけど、
例えば『どうして、この役者のこの演技に監督はOKを出したんだろう?』とか
『ここのコマワリと編集は素晴らしい!』とか、
『あたしだったら、このシーンは俯瞰じゃなくてこのアングルから攻めるのに・・・・』とか、
そういうコトばっかり考えてる。」


「( ̄∇ ̄;)傾き加減がハンパじゃないね(爆)。いいよ、そういうの(笑)
あなたみたいな人は少なくないと思うよ。
どうよ? 北野武が監督賞獲っちゃったりしたもんだから、腹立つだろう?」


「それが、あんまり(苦笑)」

「何でだよ。『あんなバカが?』とか思わない?」

「だってあの人は、誰もやってないことをしているでしょう? 羨ましいよ、そういうの。
あたしは日々、そこにあるものを見ては、
未だ嘗て『ないもの』を求め続けなきゃならないところにいるわけだから、
あぁいう人は、素直に羨ましいと思うよ。」


「そういうものかねぇ? で、どうよ?
テレビ見ながら、どうしようもない役者たちには腹立たない?」


「まぁね。正直言うと、それはいっつも思う。だけど、そこへあたしが飛び出していっても
視聴者は同じことを感じると思うんだ。身体を遊ばせておいたからね。
だから、仕方ないって思うようにしてる。」


「おいおい、もっと『そこのけそこのけ精神』でイケよ(笑)。
まぁ、確かにキミの言う通りなのかもしれないな。でも諦めるな。
北野武の良さを認めるのも、小説や芝居の良さを認めるのも、結局はバカな大衆なんだ。
そういうバカを相手に、キミは頑張らなきゃいけないんだから、因果なものだよなぁ。」


「あはは♪ でもさぁ、物事には時流とタイミングと勢いってのが必要なわけでさぁ・・・・
いいものを見つけてパクっても『パクった!』って悟られないように、
自分の中で熟成させなきゃいけないのよ。
うちらは畑の野菜と同じ。
新鮮なのがいいっていう人もいれば、何年物の熟成・発酵したものがいいっていう人もいる。
認められるのが死んだ後っていうのだって決して珍しくない。
だから、諦めてるわけじゃないんだよ。」


「ほうほう・・・・。うまいことを言うね。で、その後どうよ? 調子の方は?」




と、ここであたくしは、先日松本に行ったことを話した。
何となく行かなきゃならないような気がした、とか、
集まることが決まってから、実際に襲撃するまでの時間というのは本当に短かったはずなのに、
どうしてか、行くことを自分の中で決心してしまったこととか。
で、実際に現地に赴いてみて、受けてきた刺激であるとか、感動であるとかも話した。
そして、最近、顕著に変化を来しているとある症状について言及した。


「あのね、先生。つい最近気づいたんだけど、
あたし、だんだんエレベーターが平気になってきたみたいなんだ。」


「そうか! それは良かったなぁ!」

「稽古場がスイトピアセンターの5階なの。最初のうちは怖くて乗れなくて、
地道に階段で行ってたんだけど、ある日、エイって乗ってみたら、
やっぱりドキドキするんだけど、だんだんそのドキドキが減ってきた気がするの。」


「それはいい傾向だ。うん・・・・本当に良かった。」

「とはいえ・・・・昨日も熱が何でか37.8℃とか出ちゃってるし、快方に向かってるのか何なのか
自分でも良くわかんなくて、混乱してんだけどね〜♪」


「何じゃ、そりゃ(苦笑)。まぁ・・・・キミのそのわけのわからない熱については
『欲求不満熱』というふうに命名しておこう( ̄^ ̄)」


「何それ〜」

「欲求が満たされないから、熱が出る。だんだん症状が緩和されてきていても、
こう、確実な何かがないから不安定。欲求を発散させる場所もない・・・・だから熱が出る。
こういうメカニズムだろう、きっと(笑)」


「変なの・・・・(-。-) ぼそっ」

「とにかく今日は元気そうで良かった。この前は酷かったからなぁ。
おぉ、そういや、2週間後は休みなんだよ。だから、来週着てちょうだいな。」


「あ、は〜い。あぁそうか・・・・秋分の日ね。先生の夏休みもうまく掻い潜れたから
すっかり見落としてたわ。」


「夏休みは大変だった・・・・(-。-) ぼそっ」

「なぁに? 家族サービスとかで疲れたとか?」

「いやいや、山登りに行ってきたんだよ。白馬の方にね。
それが、大雨が降るし、崖とかは今にも崩れそうだし、めちゃくちゃ怖かったんだよ。」


「へぇ〜。先生にそんな趣味があるなんて知らなかった。」

「私にだって趣味くらいありますよ(笑)」



久々にこの人と『人間同士らしい会話』をしたなぁと思う。
いつも、待たされてグロッキーになって、心安らかに思っていることを話そうと思っても、
それが叶わないでいたから。


会計や薬局の待合の時に、さっきの本を少しでも読み進めようとページをめくる。
と、書いてあることが、今まで自分がどこかで経験してきたことに酷似しているということに気付いた。

・・・・あれだ。

大学時代の演技レッスンプログラムの「リラクゼイション・システム」
最初の数ページ読んだ時点で、ピンと来たせいか、その後数ページが頭の中にすんなりと入ってくる。
昔、叩き込まれた「リラックス」のワザは、時に自分を癒し、時に自分を責める。
リー・ストラスバーグワフターンゴフの記録文を読んだことがあるので、
メカニズムや本能的領域の記述に関しては同じだな、と思う。
前に読んだそれらの文献は、演技者としてかなり改良されたプログラムで、
この大元に、とあるシステムがあるのだということは、大学時代にも耳にしていたことがあったのだが、
どうやら、今手にしているこの文献こそが、その「大元」のシステムのようだ。

あたくしが経験してきたシステムは、自分を癒すだけではなく、
他人の過去を背負う(架空の人物を演じる)のに耐えうる精神力も培わねばならなかったので、
過酷といえば過酷であったものの、うまく利用すれば自己の力で、自分をいい状態に持っていく・・・・
所謂コントロール性が身についたので、『演技者』としてはとてもためになるものだった。
そういうシステムの下、嫌な記憶や素晴らしく好い記憶など、
強烈な精神状態の琴線にも触れねばならなかったのだけど、スコンとハマった時の解放感たるや、
今までに感じたどの快感よりも素晴らしいのであった。
とにかく、それをあたくしに享受してくれていた恩師の突然死で、あたくしは正に
「宙ぶらりん」の状態になったままで、どっちの方向へ進んでいっていいのかわからないまま
今日まで来てしまったのだけど、ふっと思い出すいいきっかけになった。


試してみよう、やってみようとかいう決心とかとは全く別で、あたくしは忘れかけていた何かを
やっと思い出した・・・・。
そうなんだ・・・・これを自分の身体を使って実践し、嘗ては他人に対しても
施しをしていたことがあったのだ。
どうして今、それが出来ない?
いや、出来ないはずがないんだ。だって、長年やってきたことなんだもの。


気付かせてくれたたりたさんに、感謝しよう。
この本はとりあえず、近いうちに全部読んで、昔の勘を取り戻せさえすれば、
あたくし自身が、蘇生する可能性も今までの数倍は高くなるはずだ。
自覚できる・・・・実感が出来る。

↑帰り道が清々しかった♪


読書の秋。
あたくしにとっては、執筆の秋だったりもするが、本から学ぶことを決して垂れ流さないように
細心の注意を払って・・・・。

あさみ


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あなたの毎日にずぅむいん・・・・

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