とあるクリエイターさん・・・・いや、アーティストなんだろうな、あの方は。 ひょんなことがきっかけで、あたくしはその人から、4人の少女の肖像を頂戴するに漕ぎつけた。
あたくしのサイトを隅から隅までご覧になっている方々なら、既に完結した 短編オムニバス、「ガールズライフ」の存在もご存知かと思う。 この作品についての出来不出来に関係なく、あたくしは常々、自分の「絵心のなさ」には ほとほと呆れているほどで、 文章ではなく、絵で表現できたらどんなにいいだろう・・・・と思うこと数多。 あたくしの「作品」を評価してくださる方もいるにはいるが、 あたくしにしてみれば、コレは絵で表現した方がうんと良いに決まっている、という 「文章」の作品も多々あるのだ。 それは特に短編に多く、長編の挿絵は欲しいと思わないけれど、 短編については、端的に表現してくれる挿絵みたいなものは、 どれだけ沢山のモチーフがあっても足らないくらいだと思っている。
あの「4人の少女」を書き上げた時に、まず物足らなさを感じたのは 彼女たちの具体的な顔があたくしには見えているのだけれど、 他の人たちにはどう見えているのだろう・・・・?という不安感だった。 文章に登場する人物というのは、読む人たちがそれぞれ空想して頂くのが一番いいのだけど、 あたくしにはまだそのパワーが足りないような気がしている。 例えば・・・・。 この話に出てくるこの女の子は、今芸能界にいる女優さんなら、この人のイメージにピッタリだ、とか そういう、具象的なものがなく、とても不安定で、淡い。 それが、却って空想力を斯きたてるから良いのだ、というご意見もあろうことと思うが、 発表してしまった時点で、自分の手から巣立ったことになるあの少女たちが 一体どんな顔をしているのか、たまに自分でもわからなくなることがあるのだ。
今回、頂戴した肖像は、「正にコレ!!」というわけではないのだけど、 何だか、根底に流れるものがとても近いなぁ・・・・そんな感じがして、 インスピレーションまかせで、この方にお願いして、頂いてきたものだ。 あたくしが書いた作品に付けてくれと言って注文したものではないので、 多分、些かの「ズレ」は生じるだろうが、それでもあたくしは、 彼女たちを書き上げてから随分経って、この「4人の少女」に出会い、 とてもよく似た血を持っているに違いないと確信にも似た衝撃を得て、 あの作品に挿し込むことを決めた。
随分、勝手な話を、この方は快諾してくれた。 なかなか出来るものではない。 しかし、この方が挿絵を提供してくれたことで、良くも悪しくもあたくしの作品はきちんとした変化を遂げた。
不安定で淡かったものが、とりあえず確かなものになった。 ただ、文章だけで訴えかけている時よりも、文章そのものの力は失せたかもしれない。 でもあたくしは、それでもいいと思った。 なぜなら・・・・。
要するに、「記録」が「現在進行形」になったということ。 この劇的な変化は、あたくしを刺激する。 挿絵を提供してくれた方には、心から感謝をする・・・・。
ちなみに、自分で一番マッチしたと思ったのは「風美」で、 ある意味で良い裏切り方をしたけれど、一番気に入っているのは「花世」だ。 今にも語りだしそうな口元と、然と呼吸していそうな鼻がとても気に入っている。 ちなみに、原題は「嘘」と表されていた。 この原題と、「花世」のイメージがあたくしの中では見事に合致した。 きっと、彼女が「花世」なんだ。 そう思ったことがきっかけで、この人に「4人の少女」全てを貰い受けた。
いつか、この人と合作めいた・・・・コラボレイトでも果たせればいいな。 あたくしに1つ、夢が増えた (*^ ^*)
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