2003年07月01日(火)
闘え!起動戦士アサミンジャー 「爆発3秒前」の巻 
連鎖反応の恐ろしさを見る


毎度。
中学の頃の同級生とバッティングしないようにと、予約時間が異様に早まったアサミンジャー。
時間にはルーズな方なんだけど、せめて、病院の予約時間くらいはきちんと守りたく候。
この日も予約時間の10〜5分前までにはクリニックに到着し、
自分の名前が呼ばれるのを今か今かと待ちわびていた。


ところが。
待合のテーブルの周りやソファには人がいっぱい。
こりゃ、相当待たされるな・・・・感が犇いている(苦笑)。
あたくしは暇つぶしグッズや、置いてある電子ピアノでちょこちょこ遊んだりして
何とかその時間を潰したのだけれど、さすがに1時間が限界である。
奇しくも正午過ぎの予約だったので、お昼も食べていない。


クリニックに入った途端、すぐ傍のソファの人が発作を起こして、ヒィヒィいっている。
波長が合って、巻き込まれるとやばいなと思い、ちょっとしんどいのだけど

「よろしかったら横になって休まれたらいかがですか?」

と良い人ぶって、席を譲る。で、自分は背もたれのない丸椅子に腰掛けることにする。
電子ピアノの前では、前にも顔を見かけたことのある若い女の子が、自分専用のスコアを持参で、
一生懸命何かを練習しているようだ。
この頃までは彼女も元気だったのだ。
それがどうだろう・・・・。
その彼女も、1時間後には介助にお母さんらしき人がいないとまっすぐ歩けない状況に陥っていた。
あたくしも、かなりヤバい状況にきている。
プチ発作みたいなものが起きて、息が浅く、もう後一歩のところでぶっ倒れる寸前であった。


実は、ここ数日間、寝つきが悪い上、眠りが浅くて、大変に困っていたのだ。
就寝前に頓服併せて15錠もの薬を飲んでいるにも拘らず、寝つくのに2時間以上かかり、
眠れても3〜4時間で目が覚めてしまい、その疲労がどんどん蓄積されていっている状況だったのだ。

微熱は高熱の領域に達しているし、朝は何ともない・・・・とはいえ、
人様よりもちょっと高めの基礎体温・・・・くらいな体温で、普通でいられるのだけど、
起床から時間が経つにしたがって、あたくしの体温はどんどん上がって、
最終的には下がらない。
外出したらその分上昇し、夕食を摂ったらまた上昇、で、入浴したら更に上昇・・・・
これで、あたくしの体温は、眠る前になると37.8℃とかになってしまうのだ。




あたくしの症状はいいとして、本日・・・・予約時間がガツリと押しているのには理由があるようだった。
一家族だなぁと察しがつくものの、一体この中の誰が患者なのかわからない御一行様がいたのだ。
父親・母親・高校生の女の子・小学生の女の子・お祖母ちゃん・・・・といった構成で、
ハタから眺めていると、本当にどの人が患者なのかわからないものの、
一家総出でカウンセリングを受けないことには収拾がつかないことだけは手に取るようにわかる。
あたくしは、この御家族の誰ともなるべく波長を合わせないようにして(巻き込まれると厄介だから)
観察を続けた。
このお父さんらしき人が、ワーカホリックであるとか、アルコール依存症で暴力を振るったりするのかな?
お母さんが更年期障害で、精神的に参っているのかな?
はたまた、お祖母ちゃんの素行が怪しくなってきたから相談に来たのかな?
それとも、この女子高生のダイエットが摂食障害を引き起こしているのかな?
等々・・・・思い当たることは幾つでもあった。
そもそも、誰が患者なのかわからない中、それを自分の目だけで推理するのは、
プロじゃないんだからなかなか難しいものの、自分の想像力の逞しさには
自画自賛したいほどの「何か」がある(苦笑)。


もう、我慢も限界になって、受付で進捗状況を確認して、クリニックの外へ出て、
タバコを一服することにした。
雨が重い。
こりゃ、これ以上待たされると、最悪の状況になるやもしれんな・・・・。
そんなことを思いながら、1本吸い終わり、自分では心機一転したつもりで
もう一度待合に入る。
と、バタバタと連鎖反応のように他人が調子を崩し始めている。
待たされすぎて、いくら大病院の待合よりかは環境的にマシだとはいえ、
精神的にプレスされ続けすぎて、あたくしだけじゃなく、ここにいる人ほぼ全員が、
限界を訴え始めていたのだ。
ほとんど、歩けない状態で診察室に次々通される中、あの御一行様はどうやら
あたくしがタバコを吸っている間に診察室へ通されたらしい。


随分してから、その御一行様は診察室から出てきたのであるが、
オーアエが、点滴がどうの、注射がどうのとちょっとバタバタしている。
あの御一行様に、そこまで追い詰められた人がいたのか・・・・やっぱりアマチュアだな。
あたくしには見抜けなかったよ・・・・と思っていたら、なんと!!


患者は、その家族の中で一番小さい、小学生の女の子だったのだ。
「点滴が怖い・・・」と細々と泣く声が、診察室から聞こえてくる。
で、とられようとしている処置は3つあった。

�‥静�をするか
��注射をするか
��サプリを飲むか

え・・・・??




まさか、この子、摂食障害なの!!??( ̄□ ̄;)
ひょっとして、家族全員でカウンセリングに来ていたのも、食べ吐きの習慣化とか・・・・??
世も末だな( ̄∇ ̄;)
その子は、痩せてはいたけれど、小学生にしてみたらありがちな体型で、
今現場に入っていると、バレエを習っている子なんかはよく似た体型をしている。
たとえ彼女が中学生だったとしても、ちょっと細いかな・・・・程度で、
そこまで病的な印象はない。
だからあたくしにはわからなかったのだ。読めなかったのだ。


グロッキーな状態のあたくしの後ろで、ご両親の説得が続いている。

「いい? 点滴か注射かサプリ、このどれかを選ばないと、あなた、
本当に怖いことになるのよ。自分で決めるの。選択の時なのよ。」


と、お母さん。

「焦らんでもえぇで、ゆっくり決めや。でも、どれかは絶対にやらないかんのやでな。
サプリはレモンスカッシュの味やって、先生が言うとらせったわ。
サプリをちょこっとずつでも食べれるんやったら、その方がえぇしな。
点滴が怖いんやったら、ちょこっとずつでもえぇで、食べなあかんよ。」


と、お父さん。
うぅ・・・・あたくしだったら、そのレモンスカッシュの味とやらのサプリが一番好きかも( ̄¬ ̄*)♪
とか思っても、彼女にしてみれば大問題らしく、しくしくと泣きながら、
選択に困っていた。
お母さんやお父さんの対応を見ていると、何となく拒食症の背景が見え隠れしくるのだけはわかった。
お姉ちゃんらしき女子高生は、体つきも標準以上な感じで、溌剌としているし、
お祖母ちゃんやお母さんを労わる、家族思いな感じのする子だった。
妹は歳が少し離れているようだし、ご両親の年齢からしても多分遅くに授かった子なのだろう。
きっと、必要以上に甘やかされ、可愛がられて育ったに違いないな・・・・。
あたくしは確信に近い何かを感じ取り、早くこの家族が捌けてくれないかなぁと
本気で願い始めていた。
何故なら、自分の状態が他を慮る余裕を奪い、だんだんグロッキーにも拍車がかかってきたからだ。


この家族がどのような選択をして、クリニックを後にしたのか、あたくしは覚えていない。
ただ、午前診察の一番後の枠だったのが、午後診察の一番最初のところまで押し込んでいるのだけは
時計と、一端途絶えた患者の波がまた増え始めたことで感じ取っていた。
くそぉ・・・・もう14時かよ・・・・。
限界はオーアエの声すら遠ざけていた。
呼ばれてもわからなかったのだ。


あたくしは渾身の力を振り絞り、どうにかこうにか診察室に入った。

「本当にゴメン・・・・うわぁ・・・・調子悪いか?やっぱり。」

「調子も機嫌も悪いわ・・・・。」

「それはそれは・・・・。」

「さっきの子、食べ吐きでもしてるの?」

「いや、ただ食えないだけさ。」

「そう。だったらまだマシよね。」



単に食えないだけなら、点滴や高カロリー輸液でどうとでもなるけれど、
食べ吐きや隠れ食いが習慣化している場合には、あのように家族全員のカウンセリングが必要になる。
事の重大さを家族全員にわかってもらい、見張り・・・・ではないけれど、
患者本人の挙動を、同じ屋根の下に住んでいる者全員が把握している必要性があるのだ。
隠れてコソコソと食べては吐き・・・・というのが続くと、体型は変わらない、寧ろ痩せていくのであるが、
脳内物質の分泌バランスが崩れて、本格的な病気になってしまう恐れがあるのだ。
これも「いい子ちゃん」に多い病気で、親も家族もどうしていいのかわからない場合が多い。


あたくしが、食えないだけならマシよね・・・・と言ったことにオーアエはさして驚かない。
必要以上に病気に関しては熟知し、たまに、「あの人は治るまでにまだ相当かかるわね」などと
精神科医の図星を突くような発言もバシバシかましているので、今回あたくしが観察して
得た情報と、オーアエの診断基準はそんなに相違ないというコトになる。

食べ吐きをしていなくても、家族全員が集合できる家庭なんだから・・・・お姉ちゃんなんか
学校休んでまできてたじゃん? あの子の治りは割と早いかもしれない。
ただ、20歳になるまで、あと2〜3度、同じようなことを繰り返すかもしれないだろうが。
(以上は、あたくしの私見。)


で、だ。
あたくしはここ数日の睡眠障害と、薬のバランス、
そして、微熱とはとても言えない高熱の事に関して、オーアエに相談する。
この間も、息は浅く、グロッキー状態からは立ち直っていない( ̄∇ ̄;)


「これ以上は、薬は出せないぞ。もう無理だ。出せるとしたら、
朝夕でバランスをとっていかないと、夜だけで15錠はちょっとなぁ・・・・。」


「やっぱ、異常よね・・・・?自分でもそう思って、減らそうとはしてたんだよ。」

「寝れない時、何か考える?」

「そりゃ、もう色々・・・・。」

「1つのことじゃなくて、色々考えるのね。」

「うん。・・・・本当に色々考えちゃって。頭の中がおかしくなりそう。」

「多分なぁ・・・・新しいことを始めたから、それで刺激が増えたせいかもしれんぞ。」

「なるほどねぇ・・・・。」

「あと、そんなに体温が下がらないんだったら、寝る前は運動や入浴は避けたほうがいい。
体温が一時的に下がっていかないと眠れないし、もう、これ以上薬は出せないんだ。」


「そう・・・・。」

「諦めろ(苦笑)」

「・・・・(―_―メ)」

「呆れて黙るのはやめてくれ(笑)」

「よく呆れてたってわかったね(笑)」

「今も調子悪いか?」

「調子も機嫌も悪いままよ!! さっきもさぁ・・・・」

「どうした?」

「小さい子が、待合ではしゃいでたのよ。・・・・こっちはもう自分に余裕がないじゃん?
思わず投げ飛ばしたくなっちゃったわよ。」


「来たなぁ♪ 暗黒ヤロウ♪ 投げ飛ばせ♪投げ飛ばせ♪」

「先生さぁ、無責任にそういうこと言うけどさぁ・・・・実はあたし、本当に投げ飛ばせるみたいなのよ。
この間から、どうもそれが気になっててさぁ・・・・。
衝動的に、相手の急所を攻めることが出来るみたいなのよ。
だから、あんな小さい子、ひょっとしたらあたし、殺しちゃうかもしれないんだよね。」


「子供に対しての殺意って常にあるの?」

「ないよ。今の現場、子供だらけで、だけど凄く楽しいし、
元々子供は好きな方だし・・・・。ただ、今余裕が全然ない状態だったからね。
本当に殺しちゃ不味いから、今もなるべく気にしないようにはしてたんだけど。」


「この暴走性を食い止めるから、熱もどんどん上がってくんだよ。
発散させなきゃダメなんだよ。」


「( ̄ー ̄)ニヤリッ 先生。人間の急所ってどこだか知ってる?」

「急所????」

「体の中心線はどこも急所なんだってさ。彼氏に教えてもらった。
この間も、絞め技が決まらなくて、思わず突発的に彼の鼻っ柱に正掌食らわすところを
寸止めしたんだ・・・・あぁ、ヤバイなって(苦笑)。
どこで教えてもらったわけでもないのに、運動力学っていうの?
染み付いちゃってんだよね・・・・だから暴走して、殺しちゃ不味いでしょ。」


「・・・・・・・。」

「今は読み取れないけど、呆れてるか怖いかのどっちかよね、その無言は。」

「キミにはかなわんな( ̄∇ ̄;)」





そんなこんなで、コンスタンとデパスを倍量にしてもらうことには成功したものの、
あたくしの睡眠障害そのものの解決の糸口は見つからないままだ。
運動や入浴を避けろだなんて、最終手段もいいトコじゃない?
待たされたツケの最後のわがままで、今日も血圧を計ってもらうことにする。


「そんなに低くはないと思うんだけどなぁ・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・。
・・・・82の48だ。大丈夫か!?」


「限界ギリギリってトコだね。何とかなるでしょ。帰って寝るわ。」

「限界に挑戦とか、無理はするなよ。」

「わかってますって。」



プチ発作の影響か、本日、やたらと血圧が低く、加えて低気圧・・・・。
低気圧の時は正比例で低血圧のようだ(爆)。


やられたのは診察だけではない。
7月から値上げされたのはタバコだけではなかった。

↑7月がイタイ・・・・イタすぎる( ̄∇ ̄;)

久々の発作で、完敗のアサミンジャー・・・・。
帰るや否や、コンスタンとデパスたった1錠ずつで、4時間も眠れたこの不条理さに
あたくしは、幾許も納得しきれていない。
帰宅してから、爆発3秒前状態がまた復活したのを感じ取った1日・・・・。
暴れる宛てもなく、無情に時間が流れていくのを待つしかないのでありましたとさ。
(寝る前の体温・・・・37.2℃)
(昼寝をしたので、薬を飲んでも以降3時間、眠れず・・・・)
(薬の追加(安定剤2錠)でやっと、幾許かの効果あり・・・・)
(目覚めて、オーアエを恨んだのは書くまでもない(核爆))

あさみ


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