2002年11月10日(日)
サヨコをヒーリング


最近、酷い肩こりと右肘の痛みを訴える、母・サヨコ
あたくしは、珍しく今日は早起きしていた。
昨夜、あんまり眠れなくて、何となくテレビをつけていたら、
NHKでチアリーディングのジャパンカップの再放送がやっていたものだから、
余計に興奮して寝付けなかった(爆)。
やっぱり、上手に踊る人や、プロレベルの演技というのは目の保養になる。


で、いつのまにか眠りに落ちていたわけだが、
どういうことか、日曜の朝は早起きしてしまって、
二度寝が効かない身体になってしまっている。
これは特撮効果だけではないような気がするんだけど・・・・( ̄∇ ̄;)
目が覚めたら、7:30。
布団から出たのが、8:30。


サヨコより早起きしてしまった(笑)














寝不足のわりには割と元気で、昼頃までに、次の水曜締め切りの案件を片付け、
自分の原稿にも少しだけ手をつけた。
眠いはずなんだけどな・・・・。わりと今日は元気だった。


元気ついでに、サヨコの肩もみをしてやることにした。
あたくしのやり方は、そんじょそこらの「親孝行」とはワケが違う。
アメリカ直輸入のアートセラピーの一種を、
演技者用に改造した、身体と精神両方をほぐすために開発されたメソードを
4年間もみっちり仕込まれた上、その後3年間、それを実践してきた実績がある。


演技者用に開発されたメソードとはいえ、
一般人に全く通用しないというわけではないことは、
大学時代にあたくしが書いた卒論でも実証済みで、
時期を見て、カルチャーセンターに売り込みをかけるのも手だな・・・・と
数年前から、この片田舎ででも需要の認識だけはしていた。









実は・・・・。
亡くなったあたくしの恩師は、自分も病んでいたというのもあって、
亡くなる寸前にこれとよく似た企画に着手していたのだった。
現代社会の日本人に、リラックスメソードは絶対に必要である・・・・
そう言って、きかなかった。
あたくしは、最初こそ猜疑心でいっぱいだったが、
先生と一緒にいる時間が結構長かった方なので、
洗脳・・・・とまではいかないけれど、「本当にそうなのかもしれない」と途中からは
信じていた。
周囲にいる大人たちは、先生が病んでいることを知っての上で
架空の会社を立ち上げることを形だけとはいえ支援し、
あたくしたち、元教え子にも色々な活動拠点としてそこを使うように
申し渡して、自分は入院していった。


恩師の指導(事実上、演出家)を失って、次の公演が控えていたあたくしたちは
この時はさすがに困ってしまって、
それこそ、その場しのぎで埼玉の小屋付き(彩の国さいたま芸術劇場)の
演出家の人に頭を下げて、助けてもらって、無事に幕を下ろした。


その次の公演にも、あたくしと先生は関わっていたのだけど、
結局先生は病院からは出ることは許されたものの、
自宅からは出ることを許されなかった。
その皺寄せは、すぐに現場に響いたけれど、それも何とか乗り切った。


芝居がはねて、落ち着いた頃。
あたくしは、立ち上げた架空の会社のことが気になっていた。
誰ももう口にすら出さない。
まるでそのことが「タブー」であるかのように、
あたくしにもその話はしなくなっていた。
大人の人たちも、同級生たちも・・・・先生、「病気」なんだから・・・・って。


夕雅ちゃん、あなた、騙されていたのよ。
先生は病気なの。
あんな話、信じちゃダメ。
巻き込まれて大変だったわね・・・・。


周囲の大人たちは口を揃えてそう言った。



















そんなことを思い出しながら、サヨコの身体をほぐしていった。
サヨコは根っから素直な人なので、こういうヒーリングにすぐかかってくれる。
身体とこころが密接につながり、どちらかを安らかに解せば
もう一方も自然と解れるという方程式を、いとも簡単に実証してくれる人なんだ。


ここから自己暗示をかけることによって、役者はよりリアリティの高い演技に
突っ込んでいくわけだが、一般人にはそこからは必要ない。
これを「催眠」と呼んでしまうと、煙たがられたり、疎ましがられたり、
怪しがられたり・・・・と、何かと厄介だけど、
「ヒーリング」とか、「リラックス」とか言ってしまえば、昨今の健康ブーム・・・・
話は簡単である。


この方法は、事実「催眠」に変わりはない。
だけど、解し終わってホッとしているサヨコを見ていると、
別に何ら悪いことでもないし、害があるわけでもないし、
寧ろ、利の方が多いのではないか・・・・?
これを数年前に立案して実行に移そうとした先生は、皆に変人扱いされて、
挙げ句、自殺していった。


あたくしも・・・・今、同じ所にいる。
同じことをやろうとすれば、同じ扱いを受けるような気がする。


あの人は精神科に通っているから・・・・
あの人は病気だから・・・・
あの人は狂っているから・・・・


あたくしが動けば、そういう言葉がすぐそこで待っている気がする。
あたくしも、そして先生も、間違ったことなんか一つもしていないのに。
でも、あたくしは、初めから考えていた。
このメソードをこの街にも輸入したいと考えた上で、あの大学に進学した。
世間が狂ってきているのを、18歳のあたくしはもう敏感に感じ始めていたのだ。
ただ、自分を巣食う病気の種が、そういう思想だった・・・・それだけの気がする。


あたくしは絶対に、今、死なない。
死ねない。
先生と同じにはならない。誓う。

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まだ沢山勉強もしたい。
自分も癒されたい。
他の人も癒せるのなら、癒したい。
サヨコは、気持ち良さそうにしていた。
それが、素直に嬉しいと思った。

あさみ


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