また眠れなかった。
マイスリーの他にアモバンを2錠も飲んだのに、眠れなかった。
今、あたくしとぷよ2は共通の友人の相談にそれぞれ乗っている。
あたくしの意見や提案と、彼のそれは真逆に近い。
それが、相談してきた当人を随分惑わせてしまっているようで、とても反省した。
と、同時にあたくしはぷよ2に対して、
何でかわからないけれど、物凄い憤りを感じていたのである。
相談してきたのは女性で、あたくしともぷよ2ともとっても仲がいい。
あたくしなどは、彼女の家に泊めて頂いて、お昼までご馳走になったこともあり、
色んな意味でお世話になっている。
彼女もまた、ちょっとした病気を抱えていたので、互いに症状を窺ったり
どっちかがヤバい時は、相談に乗ったり乗ってもらったりというのが常だった。
今回、彼女が持ち込んできた件はかなり厄介で、
あたくしは、自分なりにかなり慎重に対処しなければなと思っていた。
彼女が、同時にぷよ2にも相談していることもちゃんと知っていた。
あたくしは、そのぷよ2が、明らかに
無神経なアドバイスをしていることに気がついて、それで憤慨してしまったのだ。
今、その彼女は、とある男性と同棲をしながら暮らしているのだけれど、
その男性が自分の事を、異常なレベルで束縛したがる、
オマケに彼には自殺願望があるらしく、いつ死んでしまうかわからない、
彼女は彼の束縛がたまらなく嫌で、逃げたくてしかたがないのらしいけれど、
彼をおいて、独りでどこかへ行ったとして、それがきっかけで
彼が自殺してしまったら、自分が殺したようなもんだ・・・・
彼女は彼のことを好きなのかどうかわからなくなってきたけれど、
この先、自分の事をちゃんと愛してくれるのは彼しかいないのかもしれない
と考えると、逃げるのさえも怖い・・・・
などなど・・・・何が最初の原因なのかわからないほどにややこしい。
そして、少々ヘヴィな問題なのである。
彼女は、多分パニックになって、疲れ、そしてぷよ2に言ったのだろう。
「ぷよ2の部屋じゃ問題あるから、
(ぷよ2の)実家に匿ってくれないか?」
あたくしは、基本的にこの案には反対なのである。
地方都市に逃げてきたって、誰かに送金できるほどの稼ぎを出そうと思ったら
体力も精神力も必要だ。東京とはまた実情が違う。
だからあたくしも、なかなか定職に就けないでいるのだから。
彼女もまた、体力や精神力にはあまり自信がないと言っていたから
尚更、こっちに避難してくることは、あんまり意味がないように思えたのだ。
あたくしは彼女の身の上を案じ、同時に自分の身の上も案じた。
言い知れない怒りみたいなものが込み上げてきた。
電話でぷよ2を責めてみる(笑)
「どうして、そんな無責任に承諾とかしちゃうわけ?」
「いや、今すぐってわけじゃないし・・・・おふくろも
時期的にそろそろ独りになっちゃうし・・・・」
(ぷよ2パパは猟期になると、銃を担いで山にこもる人なのだ。)
「私、一生懸命、『逃げないように』って説得してたんだよ?」
「相手の男とかのことを考えると、避難させた方がいいかと思って。」
「だからさぁ、離れるにしたって、
色々と整頓しなきゃいけないことがあるでしょ?
男の目線だけで物事考えてんじゃないよ!!」
「う・・・・・うん。」
「それと・・・・。彼女がもし名古屋に来たら、
私の生活にも少なからずとも影響が出るって、わかってやってるんだとしたら
私に対しても、彼女に対しても、それってすごく失礼なことだと思うんだけど。」
「あ・・・・あぁ。ごめん。」
「ここにも、病人がいるんだよ・・・・・・・。」
そんなことを言ってしまったら、涙が出てきてしまった。
ぷよ2もかなり反省している模様で「ごめん・・・・ごめん・・・・」と繰り返していた。
あたくしは、彼と出会った時点で、もうかなり病状を悪化させた状態で、
いつ発作を起こすかわからない、いつ意識が飛ぶかわからない、
でもそういうのを全部ひっくるめて、
一緒にいてくれているものだと思っていたのだが、
それでも油断はしなかった。
いつ、この男と別れても生活のサイクルにさして支障がないように
なるべく自立を目指した。
こっちから、もたれっぱなしのつきあいなんて、真っ平御免だった。
今も自立とは遠いところにいるあたくしだけど、
あの男なしでは生きていけない・・・・などという
情けない女には絶対になりたくなかったから。
「あのさぁ、私に対してもそうだけど、
中途半端に優しくしたり、同情してるんだとしたら、そういうの、もういいから。
誰にでも優しいのはあんたの長所だけど、
こっちから見てて、時々プライオリティがわかんなくなるのは、
致命的な短所だよ。全体を見てない証拠だよ。」
「ごめん・・・・あさみにそういうふうに思わせてたのは、
確実に俺が悪いわ。本当にごめん・・・・。」
「別に、彼女を匿うのが悪いって言ってるんじゃないの。
それによって何が起きるのか、どうなっていくのか、
最後まで考えていないとこが、すごく腹が立った。
彼女だって、そんな安請け合い、可哀想やわ。」
「これからは・・・・・気をつけるよ・・・・。」
それから、ぷよ2は、弁解するように
今、一番重きをおいているのは私だと、言い切った。
あたくしはそんな言葉なんか要らなかった。
今まで出会ってきたのは、
そんなことを言っては、あたくしを結局は独りにする男たちばかりだったから。
ま、「独り」が好きだから、あんまり堪えないんだけど
口だけでなら何とでも言えるんだということを20歳の時にもう悟ってしまった
この代償は大きい。
男に対して、夢を見ることもなかなか難しくなってしまった(苦笑)。
多分、相談してきた当の彼女もこの日記を読むかもしれない。
誤解がないように、先に言っておくなら、
あたくしも彼もあなたのことが大好きで、とにかく今、すごく心配してて
どうすれば一番いいのか、こっちでも話し合ってるところなんだ。
辛いかもしれないけど、苦しいかもしれないけど、
もう少し頑張って欲しい。
あたくしたちも、ない知恵しぼって、一生懸命考えるから。
他人のプライオリティは、いつも自分のものと違う。
だから、人間関係って難しい。
でも、それがあるから、生きていられるんだとも思う・・・・。