Noir/ Rouge noir
diary index|pathos*|eros*
| 2006年08月27日(日) |
【読書】「聖女ジャンヌと娼婦ジャンヌ」藤本ひとみ |
すごく面白かったです。
フランスとイギリスの百年戦争に於けるジャンヌ・ダルクの 時代が舞台。主人公はそのジャンヌ・ダルク(ラ・ピュセル)と 娼婦のジャンヌ。 神を信じるラ・ピュセルと、神を全く信じずに自分だけを 信じて邁進するジャンヌの対比。
ジャンヌは母親が娼婦だったため、 ずっと従軍娼婦として生活してきた。 その後は街に立って客をとるようになり、 やがて娼館に入り、パトロンがついてからは 自分の娼館「快楽の館」を持つことになった。 自分だけを信じる娼婦とは言っても、 頭が切れて仲間には情が厚い。 イギリス側のスパイをやっていたことから、 オルレアンが襲撃される時期を推測し、 街を脱出しようとするが失敗しかけ、それでも 自分の手腕を駆使し、悠々と常連の貴族を使って街を脱出する。 それをチャンスに、ジャンヌは宮廷に紛れ込む。 一緒に脱出した娼婦たちもちゃんと宿屋に預けたりして 生活をキープさせている。 シャルルとその義母に近づき、なんと ラ・ピュセル(ジャンヌ・ダルク)つきの女官の職を得る。 その後はシャルルの公式愛娼になることを目論み、 知恵を絞って動き回るジャンヌ。かっこよすぎ。 結局はイギリス側のスパイをやっていたことが フランス軍側にばれて、拷問の末両腕を無くす。
でもこの御話、ハッピィエンドで終わるんですよ。 最後に、ずっとジャンヌの心のなかにいた男性が 言った台詞で、私は泣いた。
これは神をひたすらに信じたくて、 最後に信じることができた一人の女性の物語です。 私の拙い紹介では、この面白さが御伝えできなさそうで とても無念です。
これを読んで「英仏合体王国アングロ・フランセ王国」思想 というものがあったことをしり、ちょっと調べてみたいと 思いました。
最近やっとジョナサン・キャロルさんの御陰で翻訳物小説も 読めるようになったので、今はエリザベス・コストヴァの 「ヒストリアン」を読んでいます。 ミクシィのとあるコミュで推薦されていて、読み始めました。 ドラキュラ伝説の元になったヴラド公の伝説を元にした 歴史ミステリー。 こちらも、最初っからすごく面白いですよ!
荒井慶騎と世都セレナ
|