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ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
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2001年06月01日(金)
内定辞退。

まぁ・・・なんていいますか。
世の中難しいもんだなぁと思う瞬間。

やっぱりひとつ内定をもらって、そこに就職しようと決めたら、
別の会社を断らなくてはいけません。
非常に・・・難儀です。
贅沢な悩みと言うなかれ、難儀なんだ、ほんまに。

でもこういうのは早いほうが良い。
早めに断っておこう・・・と今日の昼間、電話してみる。

内定した事実、そして辞退したいという旨を伝える。

「向こうの会社のどこが良かったんですか?」

なんかこう・・・・2人の求婚者から1人を選んだ結果、
もう1人にごめんなさいの電話をしている気分だわ。
って、似たようなもんだけど、そんな良いもんでもないね。

因みにここで私はなんて答えたかと言うと・・・

「向こうの方が山っ気があったから。」
「・・・・」

さすがに返す言葉もなかったらしい。
普通の人は安定を求めますよね・・・。

でもそうなんだ。
全国区で異動があるだろうことや、
よくも悪くも毎年大きく変化のありそうな点。
結局これらが大きな要因になっていたと言わざるを得まい。

まー、他にも色々あるけどね、
環境問題に対するスタンスとか、食品に対するこだわりとか・・・
でもそんなのはやっぱり些細な味付けに過ぎない。
大事なのは変わるもの、変わらないもの、そこにいるかもしれない自分の姿。
それらをどれくらいイメージできるかって事。

そんなわけで残念ながらもう一社にはこうして断りの電話を入れることになった。

「そうですか、わかりました。」
もう決意してしまったものを、これ以上説得しても仕方がない。
そうして入社させても意味がない。
そういうことは彼らのほうが良く知っている。

「どちらにしても同じ業界ですし、がんばってくださいね。
 またどこかでお会いすることもあるかもしれませんし。
 またうちの店舗も利用してくださいね。」

ちゃっかりしてる。
この業界の人々、総じて引き際が鮮やかだ。
本社に呼び出されてまた1〜2時間説得されることぐらいは覚悟してたのに。
ちょっと拍子抜けした気もする。

でもとにかくこれで一番気がかりなことも消化できた。
ある意味で就職活動はここまで続いていたんだなって気がする。

内定で終わりじゃない。
就職先を決定することってのはここまでを含むってことよね。

駅の公衆電話の受話器を置いて、
私はいつものクライミングジムへ向かう。