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ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
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2001年05月20日(日)
ロトのテーマ

 もう書かなくてもお分かりかもしれない。
 今日の日曜日も上多さんと岩登りに行ったわけだ。
 初心者に毛の生えた程度のレベルしか登れない私は、
 今日もそれほど難しくない岩で(←一般的には)力一杯粘っていた。

 その時、昔聞きなれた懐かしい音楽が流れる。
 
 チャッチャ、チャンチャンチャンチャン、チャンチャーーン♪
 チャッチャチャーン、チャ、チャララランラーーン♪

 この擬音だけ見て分かった人は私と心が通じているとしかいえないが、
 ドラクエのテーマ曲である。
(タイトルがネタをばらしているか。)

 普段は岩登り中は電源を切っているのだが、今日は音まで鳴らしている。
 連絡入るのが分かっていた証拠だ。
 が、携帯電話はザックの中。
 私は岩の途中。
 出られるはずもなく放っておく。

 もう一度鳴る・・・・ロトのテーマが。
 だから・・・・。
 今冒険してるのは勇者ロトじゃなくて私自身なんだって!
 意味不明な突込みを心の中で飛ばしながらまた岩に取り付く。

 結局まともに登れないままロープで降ろしてもらい、
 早速ケータイで連絡をとる。
 
 倉林君だ。

 朝、遅れるとの電話を頂いて以来の会話になる。

 「今どこにいてんの?」
 
 不動岩は多数の岩が適度に分散しているところだ。 
 岩の周囲には木が鬱蒼と生い茂っている為、
 特定の誰かを発見するのは困難である。

 「MCフェース(岩の名前)って分かる?」

 分からないらしい。
 しかし彼はたどり着いた。
 刑事顔負けの聞き込みの腕を披露して。

 ちょっと待て!
 と思うかもしれない。
 私も思った。

 いったい誰に聞き込みをしたのだと。

 周りにたくさんいた見知らぬクライマーである。

 5月である。
 もうすぐ梅雨がくると雨で登れない。
 その後は暑くて登れたもんではない。
 岩が鉄板のように熱くなる(かもしれない)。
 だって・・・砂浜の砂だって熱いでしょ?
 とにかく今はとてもよい季節である。
 
 しかも恐ろしく良い天気である。
 恐ろしく混雑していたわけだ。

 想像できるでしょうか?
 30〜40メートルぐらいの高さの岩壁。
 横一列に10〜20本のロープが上から垂れている。
 その全てはいずれかのクライマーの体に結ばれている。 

 ・・・・。
 そうめん。

 奇しくも昨夜の夕食を思い出す。

 この光景は・・・・流しそうめんだ。
 またはスダレともいう。
 
 この状態が正面壁という最もポピュラーな岩で起こっていたので、
 私たちはマイナーなMCフェースへ避難していたのだ。

 そら倉林君も我々を見つけ出すのに苦労する。
 反省。

 結局ドラクエのテーマがこの後2回ほど流れたが、
 私はその時常に岩の上にいた。 
  
 倉林君は自力でたどり着きたくてたどり着いたのではなく、
 自力でたどり着かざるを得なかったのだった。

 反省(2回目。)。