ウソツキ日記
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2001年09月22日(土) 長い鼻毛

その男性は電車の中にいた。
ボクのとなりに座っていた。
年の頃なら40代後半といったところか。
深緑のポロシャツにスラックスという、
休日のカジュアルっぽい服装だった。
中肉中背で、やや髪の毛が薄くなってきている。

ボクは電車で文庫本を読んでいた。
まだ半分くらいのページだったので、
佳境とはいえない。
だから、めちゃめちゃ集中していたというほどではない。

突然、となりの男性がくしゃみをした。

ボクはビクっとなった。
その男性の顔を見た。
その男性は鼻毛を抜いていた。
右手の親指と人差し指で鼻毛をはさんでいた。

やけに長い鼻毛だった。

空気が汚い場所に住んでいると鼻毛が延びるという話を
聞いたことがある。
ここはそれほど空気の汚い土地なのか。

ふとボクは自分の鼻の下に人差し指をあてがってみた。
鼻の奥にすこしむずがゆい感触があった。
鼻毛がこんにちはしているということだ。

もう一度となりの男性を見た。
もう1本長い鼻毛がのぞいていた。

ボクは自分の鼻毛を鼻の穴の中に押し込んだ。
家に帰ったらはさみでちょっきんしようと
心にに誓った。

となりの男性がまたくしゃみをした。


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