知らんけど

2003年03月18日(火) 人間の法則

ことばの概念を獲得していく際に、人間は一つのことばの意味を広い範囲に適用してから細かい事物の概念を獲得していきます。例えば、子供がことばの概念を発達させていく際に、「りんご」ということば(単なる音としてのことば)を覚えた際に、りんごの形状に似た物をすべて「りんご」と捉えていきます。そのうちにみかんを見て、周りの大人がそれを「みかん」と言っていることを聞いて、「りんご」のカテゴリーに含まれていた「みかん」が除外されていきます。こうして、だんだんと個々に概念が行き渡り、「りんご」も実はある種類の果物を意味する事だと理解し始めます。

中谷彰宏さんの著書「大人のスピード勉強法」という本を、以前、「何でも感想文」で紹介しました。その中で、中谷さんは「とにかく本をスピードを出して読みきる事が大事です。分からないところは分からないでいいのです。分かるところが分かるところなのです。分からないところは、そのうち分かる時が来ます。」という主旨のことを書かれていました。

これって、まさに人間のことばの概念の獲得プロセスと同じではありませんか。大枠を掴んで、理解できた細かいものを大枠の中から除外していく(整理していく)という作業をすることを中谷さんは言っているのです。実際に、私はそのような方法で同じトピックの本や文献を読みまくるようにしていますが、確かに中谷さんの言われるように、「分かるときは分かるし、分からないときは分からない。」という思考錯誤を繰り返して理解に至っていると思います。

こういった概念の理解一つにしても、私達人間には何らかの法則らしきものがたくさんあるような気がしてならないのです。何かに迷ったときは、ふと人間自身が持つ法則に目をやってみると、何かしらの解決策が見つかるかもしれません。


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