「欲望が人間の器を決める」竹村健一 PHP文庫
以前にも日記に書きましたが、私は人間が欲を上手に操る事が自分の人生を満足できるものにするかしないかの大きな要因だと考えています。どんな欲でも結構ですが、欲がなければ人間は行動を起こさないものです。努力という言葉、日常生活の中で使いますが、私は非常に嫌いな概念です。勉強という言葉、日常生活の中で使いますが、いやいや使っています。欲がないところに努力や勉強のような無理強いが働いても決して自分のためにはなりません。時間と労力の無駄です。
「〜したい!」という欲が人間の行動を司るのならば、その欲を自分でうまくコントロールすることで満足行く生活を送る事ができるはずだということを自分に言い聞かせてきました。
竹村氏の本でも同じようなことを言っています。「欲望の開放」こそが何にもとらわれない真の自分らしさにつながるということを言っています。簡単に言ってしまうと「やりたいことをすればいいじゃないか。」「なんでもやってみればいいじゃないか。」ということなのです。
しかし、実はこの欲をベースにすると犠牲にする事がたくさんあります。欲をベースにして生きるということは、周りに多大な迷惑をかける可能性があるということ、それによって摩擦が生じてしまう可能性があることです。また、そうした環境が生まれることにより、欲をベースにして生きる人はみな孤独になる危険性があるのです。竹村氏は充分にこのことについても言及していますが、さて、これが一般的な日本人の感覚にあてはまるかどうかは疑問です。
私のように、日本での窮屈感を隠せないタイプの人間にとっては、竹村氏の言葉は非常に心強い応援のメッセージですが、恐らく普通に読めばそんなの無理だよと言う人の方が多いのではないでしょうか。ともかく、私としては日頃から考えていたことを他の人も感じているということを知ることができたのは自信になりました。
私らしさを充分に発揮するには、やはり自分の欲望を開放させていかなければなりません。ただし、欲望を開放させる生き方を選んだなら、その責任を取るのは自分自身しかいないということを理解しなければならないのです。
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