にのらの日記

2008年05月04日(日) こもりたい



野球を続けるのんって、

「刃物の上を素足で歩いてる感じや」

青波は言う。
今更気付いたのか。正直意外だった。
青波の言動は、瑞垣のそれを超えて抽象的だったし、それだけに
洗練されていない陳腐を感じることも多かったけれども、常に
核心を突いていたし、時には予言者のように先を見越していた。
海音寺と話すのとは別の意味でひどく緊張感を感じている。

誰もが野球に強烈な夢を描いている中、青波だけはそんな事とっくに
気付いて理解していると思っていた。

「瑞垣さんは、刃物の上を歩きたくなかったから、辞めたんじゃろ」

「違うな、アイツらより早く、刃物を上を歩いてたから
  もうアカンって、気付くのも早かっただけや」

そうなんだろうと思う。己の肉体の限界におぼろげながら気付き
始めるのは、最も顕著な成長期を迎える中学時代。でも、俺は、
もう随分前から、自分の一番愛していた世界ですでに絶頂を迎えて
しまっていたのだ。

「青波やって、そうやろ。その髪の毛、もう野球してへんやん
 兄貴みたいにやったらええんじゃ」

「僕は・・きっと、瑞垣さんが門脇さんに感じてたんと一緒やで」

・・・それこそ、青天の霹靂やった。

けれど、すんなり納得したりもして。




青波も、肉体の成長と共に少しずつ兄に対していかんともしがたい
気持ちを抱いてたら良いなあ・・。あんなセンシティブな子が、
いつまでも小学校4年のハートを持ち続けることも無いしなあ。

どうも、バッテリーを読んでいると、小説の中でキラキラしている
登場人物達のほとんどに、「今が絶好調・後は無い」みたいな
切羽詰ったような感じを受けてしまいます。こんな事思ったら
夢無いかもしれないんですが、早熟な巧なんかは特に、中1の今が
絶好調な感じで、これからどんどん周りが巧に追いついてきて
(じいちゃんが言ってた少年のミラクルってやつ)、そういう現実を
あんな感受性の強い青波が見てたら、もうどうなっちゃうんだろう
とか、考えてる間にひどくおなかが空いてきたぜ




出かけてきます・・。続きは後で。


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