にのらの日記

2003年05月06日(火) あとせんらんど(死にネタしかも老後注意)

電車で跡部と千石の老後を考えた。随分余計なお世話さまです。

跡部と千石は、まあ、限られた人間の頭の中では三者三様に
愛し合い、その、まあ、いろいろ厭らしい行いなどをもって
確かめ合い、まあ、なんですか、クンズホグレツの関係で
生きていくのですが、結局は少・年・愛。気付けば時は経ち
お互いがお互い無しでも生きて行ける術のようなものを得て、
そうなると逆にお互いが不必要または足手まといな存在に
思えて来て、そうなると、一番美しかった時間は矢のように
過ぎ去り、美しかった時間は美しいものとして永遠にして
おきたいがゆえに二人は一生涯会わないで死んでしまうと思われる。

会わなくなった空白の意識の中にに、少しずつ大人社会の
余計なものが入って来て、思い出したくないのも手伝って
次第に彼らの恋愛は幻みたいにおぼつかない記憶になってしまう。

それでもあの時感じた情緒だけが多分その後の彼らの心にも
強く根差してしまっていて、跡部はそのせいで次々恋愛に失敗。
親の勧めるなんのスリルも得られないお嬢さんと一見完璧な
結婚をして、でも結局彼女の前では上手く情動を盛り上げることが
できなくて、失ってしまい、一生独り身を余儀なくされる。

いっぽう千石は、付ける薬も無いくらい浮気性のすごい美人と
結婚してラブラブ。お互いの浮気にさんざ泣き喚きながらも
今際の際まで手を握り合って恋を囁き会う大恋愛をする。

お互いが妻を無くし(推定80歳)、そろそろ忙しかった
人生をふと振り返ってみようかという気持ちになる。
跡部は平凡で優しかった妻を大事にしてやれなかった事を悔やむ。
千石は愛する妻より先に死ねなかった自分を悔やむ。
2人とも、星の数ほどの恋愛をしている。あまり成功は
していない。

それなのに、自分がものすごく満足していることに気付く。
いっそ、何十年も昔から、満たされていた事に気が付く。
でも、どんなにゆったりとした考える時間が老いた彼らの
周りを回っていても、その理由が分からない。何十年の昔に
あったことがその老いた記憶力の中から引き出せないのだ。

その疑問は彼らは息を引き取る瞬間、長い人生に存在する
ほんの数年間を思い出した時に明らかになる。
千石は跡部の結婚記者会見をみた時に感じた満足感を思い出す。
いかにも周囲の勢力の後押しでそのひな壇に座らされている
跡部をみて、千石は結局彼が自分以外の人間とは恋愛すら
できなかったのだ。彼の一生は終に自分以外を情緒の壁の中に
囲うことができなかったのだとふいに口の端を持ち上げた
あの時の満足感。ようやく千石は跡部を思い出して、
ああやっぱりホントに好きだよと思いながら死んでいく。

跡部は千石よりももう少し長く生きる。
そして跡部は千石を忘れてはいなかった。
ただ、もともと想像力に欠けるので、ずっと触れていない
憧れの存在として手のひらにどうにか感触が残っているという感じ。
跡部は千石以上にいい思いをさせてくれる人間についぞ出会えなかった。

あの休暇で訪れたニューカレドニアを思い出す。
いやそもそもめったにない休暇にあんな暑苦しい別荘を
選んだのはどうしてだったんだろう。

どうして自分は千石の新婚旅行先に別荘まで立てて出向いたんだろう。

ああどうしてあの時、美人妻がエステに行ってしまって
ひとりになっていた千石に声をかけなかったんだろう。

そんな事を想ううちに、

「・・・なんだ全然忘れられなかったんじゃねーの」

と思って一人涙する。自分がどこかしら満たされて生きてきた
のは、いつまでたっても好きであると思った時に分泌される
あのもどかしい情動のせいやったんやなぁと思うわけだ。

跡部景吾92歳。萎えた足を支えるのは91歳の樺地。

そしてにのら101歳。

ゾっとするわ!




ジローが誕生日とか言って、かわいいな。
仏滅では彼は2歳なので、3歳になったのか。






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