本を購入。「小川未明童話集」
「日本のアンデルセン」(だからこういうネーミングセンスがね…) と呼ばれた、日本を代表する童話作家。
子供の頃に、誰でも一度は読んだことがあると思いますが、 淡々とした語り口で、一見、フンワリとした雰囲気があるんだけど、 拭いきれない寂しさや影を付き纏わせつつ、人間の優しさや脆さを 浮き彫りにするお話の数々は、大人が読んでも胸を打つものがあります。
「牛女」や「野ばら」など、色々好きな作品はあるのですが、 この人の代表作に、「赤い蝋燭と人魚」という話がありまして。
子供の頃、あの話を読んだ私は、怖くて怖くて仕方がなかった。 あんまり怖くて、ずっと怪談だと思ってたほど。
挿絵が暗い色彩のものだったのも一因だと思いますが、 とにかく、優しかった人たちが、簡単なきっかけで豹変してしまうのも 優しい優しい人魚に、みんなが幸せに感じるような結末がないことも、 なにもかもが救いがなさ過ぎて、読んでいて辛かった。
しかも、何故かウチの実家に、真っ赤な蝋燭がありまして。 どこかのお土産らしいんですが、黒い鉄製の燭台に刺して、 父と母の寝室に飾ってあったのね。
怖すぎて話のラストはよく憶えていなかったんだけど、 赤い蝋燭が不吉だ、という強烈なイメージだけ残っていたので 余計怖くて、なんであんなものが家にあるんだろうと、 一人で怯えてた。
で、最近ふとあの話を思い出して、どんなラストだったか 確認してみようと思って、本を買ってみたのです。
流石にもう怖いとは思わなかったけど、やっぱり哀しい話だわ。 童話なので、1話がとても短いし読みやすいので、秋の夜長にお勧め。
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