【Realistic Pillow】
秋野京



 お昼寝焔金(テトムに振り回される銀に恋)

大木の下、二人寄り添って。
太陽の光と木々の緑が織り成す
コントラストを眩しく眺めていた。
金蝉と過ごす穏やかな時間は優しく。肩にかかる
微かな重みが俺の心を温かく満たしてゆく。
金蝉の顔を覗き見る。端整な顔立ち。
光達が長い睫毛に憩い、桜色の唇からは
規則正しい寝息が零れていた。
知らず、笑みが洩れた。
安らかな寝顔は信頼の証。
<ありがとう>心の中で小さく呟いて、そっと
伸ばした手で金蝉の手を握り締め、目を閉じた。
伝わる、体温。軽く、握り返される感触。
全てが愛しかった。そして夢の中での逢瀬を
祈りながら、俺は眠りに就いた。

2001年10月28日(日)
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