日記のような雑文

2004年05月22日(土) たまには本の感想

 最近読んだ本について。
 感想の目安として、★5つで満点。☆は0.5ということで。

『紅玉の火蜥蜴』秋月涼介 ★★★
 登場人物たちの名前が覚えづらいけど、キャラクターは立っているのでわかりやすい。デビュー作『月長石の魔犬』の続編である。連続放火殺人事件の展開そのものはドキドキしつつ読み進めたのだが、ラストの意外な犯人、っていうのがちょっと唐突すぎたかも。無理にあの人を真犯人にしなくても良かったような。しかし、このシリーズは「凶悪犯人を狩る人物」というのもメインキャラクターのなかに存在するので、善悪の区別もはっきりとはなく、現実的な解決だけでは元々終わらない話なのである。

『臨場』横山秀夫 ★★★★
 「終身検死官」の異名を持つ倉石義男が謎解きの軸になっている連作短編集。検視によって事件の背景や犯人像を見通していく。というとかなり超人的だが(実際天才的に閃くのだが)、現場(と職場の人間関係)を大事にし、ぶっきらぼうな性格ながら情に厚い倉石はあくまでも普通の人間として描かれている。「餞」という作品が一番印象に残った。

『硝子のハンマー』貴志祐介 ★★☆
 今回は本格ミステリだそうである。あちこちで評判がよいようなので、期待していたのだが、残念ながらあまり好みではなかった。犯人の動機の背景については、ちょっと強引。トリックがすごい、というのだけではあまり感動できないし……。(←本当にミステリ好きなのか自分でも不安になってきた)はっきりと二部構成になってしまっているのも効果的ではなかったように思う。もともとホラーとして書かれていた今までの作品もミステリ要素が強かったが(『黒い家』『天使の囀り』など)、展開やキャラクターにはもう少し深みがあったので面白かった。ミステリということでトリックにこだわりすぎた?のであろうか。


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