ユカイニッキ

2003年08月30日(土) モサモサ

頭の中が、モサモサというか、ガサガサというか、
頭の内部がかゆいような、そんなイライラする
1日だった。忙しかったよー。手術後の人が4
人いたし、(慣れない他科の患者さん含)、
「家に帰りたい」と言い出し、聞き分けのない
お年よりたち。そのうちの1人につかまる。

午前中から「家のものが来ない」と落ち着きが
なかったが、それはいつものこと。なだめて
落ち着いても、もう5分後にはまた涼しい顔を
して、「家のものが来ない」と訴えに来る。
実際には、面会に来てるのよ。でも、覚えてな
いの。しかも、結婚していることも忘れてるし、
息子が来てるのに、自分の弟が来ていると思っ
ているし。何回も何回もなだめてました。こんなの、
毎日だから、いいです、別に。

午後になり、やっとお待ちかねの息子さんが来る。
息子さんに午前中の様子を話していると、いきなり
「何言ってんのよ!バカ!!」とか言いながら、
殴ってきた(驚)渾身の力で。ぐぅで。私は、息
子さんに向き直っていたから、全然、気がつかなくて、
いきなり、殴られた。「何でそうやって、口裏合わせ
してんのよ!!」とか言って。ボカボカと。80歳の
30Kgに満たないおばあさんに殴られても痛くないけど、
ものすごーーーく怒ってる。声を荒げてるし、ビビル。
息子も、「ほらね、病気なんだよ、困っちゃうなぁ」
と怒り気味。同室の患者さんは「コワイ」とか、言っ
てるし。

私がこのままいても、おばあさんが興奮するだけ
だと思い、部屋を去る。何となく、イヤな気持ちに
なりながら。殴られるようなことなんてしてない、
むしろ、おばあさんのためになるようなことを息子
さんに話しているところだったのに。何にもしないで、
放っておいたほうが、興奮させないでよかったんだろ
うか?とか、後味の悪い思いだ。

その後、おばあさんは荷物をまとめ、外に出ようと
する。が、どうやって外に出ていいのかわからない。
(ボケてるんだもん)面会の人に、聞いてみたりして
るが、身も知らぬおばあさんに聞かれて、みんな
困惑気味。遠目から、看護婦が見守ってるし。結局、
エレベーターホールまで行きつく。家に帰らないよう
説得を試みるが、失敗。業を煮やした息子が、無理やり
部屋に戻そうと、力づくでひっぱる。抵抗するおばあ
さん。声を荒げ、怒鳴り合う2人。呆然とする隣の
病棟の患者さんとその面会人。私ら看護婦もビックリ。

おばあさんをなだめ、息子をなだめ、やっと落ち着く。
でも、イヤな後味が残る。おばあさんは、7月中旬
から入院しているが、もうすっかり良くなっている。
でも、ボケてるから(この時点では、軽度のボケ)
家では面倒見れないと、転院先をさがしていた。
みつかるものの、一向に転院日が決まらず、ずっと
2週間くらいよけいに入院しているのだ。入院が
長引くと、それだけボケも進行。もはや、家に帰れ
ない状態。軽度のうちに帰ってれば、ボケも進まな
かっただろうに…。

おばあさんは、「この先、もう1・2年だから、
家に帰りたい、家で死にたい」とか言ってるし。
自分の家に帰るのに、どうして嫁に頭を下げなきゃ
いけないんだ、とか、だまされて、もうずっと長いこと
こんな島流し(都内ではなく、田舎だと思ってるらしい)
のめにあってるとか、言っている。
おばあさんの言っていること、わかるけど、どうにも
ならないもん。私らに言われたって。息子さんとこだ
って、共稼ぎだから昼間、おばあさん1人になっちゃうし、
ぼけてるから、そんなことできないだろうし。息子さんの
立場もわかるけどさ。

はっきり言って、もうそんなのどうでもいい。帰り
たければ、帰って、でも家に帰れなくて路上で警察に
保護されるなり、何なりしちゃったって、いいじゃん。
もう病気じゃないんだし、本人が家に帰りたいって、
言ってるんだからさ。本人に怒られて、すんごいイヤな
思いまでして、病院にいてもらわなくてもいいですよー
っていう気分になります。白衣を着て、明らかに病院
関係者だから、殴られたり、怒鳴られたりしても我慢
してるけど、そうでなかったら、ブチ切れますな。
っていうか、もう面倒を見きれないよ。老人虐待してし
まう気持ちもわかります。あんなこと、四六時中されたら。
責任感があるから、ちゃんと見れるけどね。

あぁー。でも頭がモサモサする。イヤな気分は晴れない。
明日も勤務だ。がんばろう。


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