夜勤終了。から、1日たってます。今回の夜勤は、重症 患者さん担当。やっぱり、夜は具合が悪くなるんですね。 時間が長いから?人数が少ないから?いやいや、参りました。
脳外科の具合の悪い(危篤状態とかね)患者さんは、 基本的に意識がありません。だから、痛いとか、苦しい とかは、感じていないと思います。というより、外見上、 眠りつづけているように見えます。脳の機能(生命の維持に 関わるところ以外)は殆どダメになっているけど、心臓が 強いから、心臓が動いている限り生きているというほぼ 脳死状態という感じです。
ところが、今回の夜勤では、脳には全く問題がなく、 意識がはっきりしている。そして、悪いのは肺。肺炎 になってしまったんですね。それも、重症の肺炎。 肺炎で亡くなるって、聞いたりするけど本当かな? と思っていました。だって、結構たくさんの人がかかる ポピュラーな病気だから。しかし、その患者さんをみて わかりました。重症の肺炎とは、肺の機能が全く働かなくなる 肺炎のこと。肺胞で空気の交換をしているわけですが、 その肺胞に空気が入らない状態になっているのですね。 肺胞まで痰が詰まってしまったという状態。
だから、いくら息を吸っても、体全体に新しい空気が いかないから苦しい。それで、何回も何回も浅い呼吸を してしまう。それによって、もっと苦しくなってしまうという 悪循環。気道確保して、人工呼吸器につなげても、 とっても苦しそうだった。
気道を確保すると、声が出なくなります。だから、 自分の訴えたいことが、うまく伝わらなくなる。 文字盤(50音表)を使ってみるが、高齢のため、 それもうまくいかず…。バイタルサインを測って、 人工呼吸機の点検をして…、ふと気付くと、患者さんが 必死に私を見ている。あの目、あの目こそ、必死の形相 というのでしょうね。目にものすごい力があるのです。 酸欠状態がから、顔色は悪いし、こういう言い方は あれですが、もうすぐお迎えが来そうな、死相ってい うんですか?そんな感じなんだけど、目はものすごい 力で。
苦しそうで、見てられなくて、訴えたいことも よくわからないから、本当は、早く部屋を出て行きた いんです。でも、その目をみると、逃げられなくなる。 この目を振り切って行ってはいけないって、切実に 思います。何を伝えようとしているか、わからないけど 一生懸命、自分から問いかけたりしました。違うみた いだったけど。本当は、辛い時こそ側にいてほしいん だって思うけど、できなかった…。その呼吸、その目を ずっと見ていることに耐えられなかった…。本当に 苦しむ人を初めて見たかもしれません。そう考えると、 一般病棟で働いている看護婦さん、偉いなぁと思います。 心が強くなくっちゃ、できないもんな。
ここまで書いたところで、兄が乱入。おどろいて、 そのまま閉じてしまいました。そう、本当に苦しむ人を 見るのは、苦しいってことがわかりました。苦しそうな 人を救えないんだな〜って思いました。しょうがないん だけど。ああいう姿を見ていたら、「早く楽にしてあげ たい」と思う気持ちがわかります。っていうか、早く 楽になりたいだろうなぁって思っちゃいます。本当は、 苦しくても生きていたいのかもしれないけれど。
で、昨日(23日。これだって、24日の深夜に書いたんだ けどさ)病院に面接に行ったら、その患者さん、亡くな ってました。やっぱりなぁーと思う気持ちと、意外とも ったなぁーという気持ちと。で、私は患者さんのあの苦 しみながらも必死に訴えていた目は忘れられないだろうなぁ と思いました。以上。
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