取捨初志シェル。

ふと振り返ってみる。
あの日々が存外に遠くなっていることに些かの驚きを隠せず。
其処へ向け慌てて精一杯手を伸ばす。
価値を侮り置き去りにしたままのあれやこれをかき集める。

埃塗れで色褪せて中には使い物にならなくなったあれやこれ。
あの日々の中ではガラクタだったはずのもの。
今更になって大切に想えたもの。

想い出を懐かしむが故の気の迷いなのか。
捨てた欠片にさえ縋らずに居られないほど追い込まれ失くしたのか。

あの日々の手触りは心地よいのですか。
あの日々の居場所は暖かいのですか。

其処に現実は在るのですか。
逃げ込んだ陽だまりには進むべき先へと繋がる何かが在るのですか。

これまで何時も何処も伸ばす先を掴むものを過って来たこの両手。
其の手が今回に限って正しく伸ばされ過たず掴んだと想えるのか。
疑問にも想うまい。

零と壱の綴れ織。
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