にっきちゃん。

2002年02月18日(月) 日が昇る




朝方、日が昇るか昇らないかの黄昏の時
ベランダに出てみた。
すぅっと身にしみる透き通った空気。
わたしが少しでも呼吸をしたら崩れ去ってしまうほど
もろく、薄いガラスでカラダを覆われているような錯覚。
そのガラスは触れられず、なんの意思も表す事が出来ないけれど
私をやさしく包んでいた。

そのまま異空間の道は解き放たれ
こんな、時間と時間の狭間のような空間を、
ダイスキな人と過ごした記憶へ私を導いた。
想いがカラダ中を貫いた。

涙がでそうなのに、目の裏で眠っている水たまり。


日が昇るまでの四次元の空間を私たちは
ただ横にいるその人に自分の全てを委ねて
ふたりで通りぬけた。


記憶がダイブして
あの人と過ごした風景が次々にカラダ中に入りこんでくる。
記憶の麻酔注射を打たれてカラダ中の血液が私を食べようとしてる。


部屋の中のカーテンの隙間から二人で立膝して覗いた夏の花火。
山の空気で深呼吸した、ペペロンチーノでいっぱいのお腹。
目が覚めたらわたしを覗き込んでいたあの人の顔でいっぱいだった昼下がり。






私は今現実世界に生きる。
あの異次元は、もう手放してもいいんじゃないか。

だけど、できない。
どうしてもできない。


現実世界で私は、あの空間を大切に大切に、保存する。
私たちの、透明にかすんだ時間を
保存する。
ハチミツのように甘く、しつこくコクのある、
せつない味。






日が昇るまえになると体を貫く、
そんな 思い出。



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綾 [MAIL]

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