Love Letters
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私が
あなたの車に乗り込むと、
私達は
癖みたいに
見つめ合って、
どちらからともなく
唇を重ねます。
Kissをする前に
あなたがくれる、
その
絡みつくような
視線が好きなの。
私の本心を
掠め取るみたいな
あなたの視線は
とても雄弁で、
二人が離れていた長い時間を
一瞬にして縮めてしまう…
まるで
私の心の奥の
一番柔らかい部分を
撫でるかのような
あなたの眼差し。
上司からの信頼の眼差しや
父親から注がれる慈しみの眼差し、
10代の恋人に投げられた
剥き出しの欲望の眼差し、
強がりの男が二人だけの時に見せる
甘えたような眼差し…
あなたの眼差しは
そのどれとも違います。
私の
記憶の襞に
絡みついて
離れない
視線。
小夜子
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