Love Letters
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2003年07月13日(日) 暗示


 ビルが建ち並ぶ街角に、

 オーセンティックな雰囲気の

 小さなバーがありました。



 曇ったガラスの扉から

 中を覗くと、

 店内は

 細長くなっていて、

 左側にカウンター、

 右側に小さなテーブル席が三つほどあります。



 いつもは必ず

 カウンターで飲むあなたなのに、

 今夜は何故か、

 一番手前のテーブル席で

 一人で飲んでいました。



 あなたは、私に気付かず、
 
 いつもと同じか、

 それよりも速いペースで

 ウイスキーを飲んでいました。


 『飲み過ぎないでね』


 店の外に佇む私の呟きは、

 あなたに届きそうにはありませんでした。



 しばらくすると、

 あなたの周りに

 気の荒そうな男達が集まって来ました。

 ふざけているのか、

 店の中から

 男達の陽気な笑い声が聞こえてきます。



 やがて、

 笑い声は、

 激しい押し問答に変わっていきました。



 息が止まるかと思いました。



 あっという間に、

 あなたは男達に抑えつけられ、

 殴られ、

 床の上に倒れ込んだまま、

 それっきり

 動かなくなりました。



 私は、

 ただ立ち尽くし、

 呆然として、

 その一部始終を見つめていました。





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 「その後はね。

  まるで、『レオン』のラストシーンのようだったの。(笑)

  私は、

  まるで何も見なかったかのように

  その店の前を立ち去り、

  ひどく悲しい気持ちで

  一人歩き始めるの。」


 「泣いてくれた?(笑)」


 「それが、泣かなかったの。(笑)

  寧ろさっぱりとした表情。

  そして、私は、

  こう感じているの。


  『あなたは、この恋に対して

   いつもどこか醒めていたけれど、

   それは、

   いつかこんな終わりが来ることを

   知っていたからなのね。』って。」


 「ドラマチックだ。(笑)

  だけど、その夢から推測すると、

  別れを予感しているのは小夜子の方なんじゃないの?」


 「そうなのかな。

  私は、教訓かなって思ったんだけど?

  『お酒の飲み過ぎには注意しましょう。』って。(笑)」


 「嫌だ。(笑)

  お酒は飲みたい。(笑)」


 「死んじゃうよ。」


 「お酒で死んだんじゃないでしょ。

  殺されたんでしょ。(笑)」


 「きゃはは。確かに。(笑)」




 初めて

 あなたが出てきた

 私の夢の話です。^^




 「生き返らせてくれ。(笑)」

 
 とあなたに言われたけれど、

 あれから一度も

 あなたの夢を見ていないので、

 私の夢の中で

 あなたは死んでしまったままです。^^;




 夢って、

 見た後にすぐ、

 人に話したり、書き留めたりすると、

 ずっと忘れないですね。




 この夢を見たのは、

 或る土曜日の朝でした。



 前の晩、

 飲みに行ったあなたの帰りが遅く、

 私はあなたと何の連絡も取れないまま、

 少し不安な気持ちで

 眠りにつきました。



 目覚めてすぐに、

 あなたとチャットで

 この夢の話をしました。



 だから、

 この夢の内容は、

 ICQの履歴にしっかりと残っています。



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小夜子

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