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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

(新たなご依頼をいただける場合、あるいは、既刊の作品についてご質問をいただく場合も、
拙著の刊行がある出版社さん宛てにメールにてご連絡をいただけませんでしょうか?
転送してもらえますので、私から返信します)。

『手』
2009年02月05日(木)




梅の花が、もう咲いていました。


以下、お知らせです。

・小説「あたしはビー玉」 第8回掲載
「星星峡」幻冬舎(2009年2月号)

連載小説の、11か月ぶりの掲載です。

休載していたのは、出版社側でちょっとした変化があったので、「その変化があるなら、ちょっとお休みしてから書いてもいいですか?」と私がお願いした、というのが理由です。
でも、もちろん、ずっと幻冬舎さんとの関係は良好です。
秋には単行本化する予定です。
これまでの分を読み返してみたら、自分でも意外なほど面白かったので、今から本作りの腕がなっています。



・『』文藝春秋(1月28日発売)

単行本を刊行しました。

(表題作は、私の今までの作品と違って、毒があるので、
これまでのものを好きになってくださっていた方が離れていくのでは、
とびくびくしております。
でも、書き下ろしの「お父さん大好き」は、
面白いのではないか、と思います)。


帯文は「日本のロリコン文化を批評する、新しいファザコン小説が、ここに誕生! おじさんは可愛い」にしました。

誤解のないようにここに書いておきたいのですが、
「日本のロリコン文化」というのは、外国などで一般的に言われる「日本のロリコン文化」のことです。
本当の小児性愛のことではなくて、いわゆる「若い女性好き」のこと、「二十代前半の人を”可愛がる”」という文化のことを指しています。

つまり、決して、
「アニメだとか想像だとかで趣味として楽しむ」「頭の中で空想する」ということは指していません。そういう知識はまったく持っていないので、私には意見する権利もないと思います。だから、そういうことに関して、私は何も書いていないし、発言もしていません。

そうではなく、
現実社会の中で、二十代前半の女性を重宝する、という風潮が、会社だとか行政だとかにあって、
そういう雰囲気に対する批評(批判ではない)として、「おじさんは可愛い」と言い張る、という話なんですよ。


それから、私は谷崎潤一郎がものすごく好きで、
「吉野葛」だとか「「少将滋幹の母 」だとか、いろいろな作品で扱われる、
母性憧憬というものに惹かれて、自分にもこういうことが書けたらいいのに、という思いがありました。

つまり、異性に、異性の親を、見ないわけにはいかない、というのが、面白いな、と。

あと、金子光晴も大好きで、
金子も、異母との特殊な関係の中、やはり母親というものに対する屈折した憧れを持っていて、
晩年は、長年の相棒の森三千代と、若い詩人の大河内令子との間で揺れ動きます。
そういうエピソードに興味があって、こういうことを書きたいな、と思いました。




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