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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

(新たなご依頼をいただける場合、あるいは、既刊の作品についてご質問をいただく場合も、
拙著の刊行がある出版社さん宛てにメールにてご連絡をいただけませんでしょうか?
転送してもらえますので、私から返信します)。

作品紹介
2008年07月31日(木)

とりあえず、今までの作品を紹介させていただきたい、と思います。
自由に読んで欲しいので、作者が喋り過ぎると野暮になりますから、少しだけ。

1『人のセックスを笑うな』
主人公は磯貝くん。
タイトルとはうらはらに、普通の恋愛小説です。
私にとっては、25歳のときに書いた、デビュー作に当たるものになります。

2『浮世でランチ』
主人公は14歳の丸山君枝と、
25歳の丸山君枝。
中学生が宗教ごっこをする話と、
会社を辞めて東南アジアを旅する話が、
同時に進む。
昼ごはんを誰と食べるか? というところで、
会社員の方から好評をいただけることが多くて、嬉しいです。

3『指先からソーダ』
朝日新聞土曜版で連載していた「指先からソーダ」に、様々な媒体に単発で発表した散文を加えた、
1stエッセイ集。
毎回、図を描いて、切り口や構成を考えて、下書きをたくさん書きながら作った覚えがあります。
新聞ということで、
世代や性別を越えて読んでいただけるように、
綴りました。
デビューしたばかりの、
異様な緊張感の中で練っていたので、
今や、もう二度とこういうエッセイは書けないだろう、と思います。

4『カツラ美容室別室』
語り手は佐藤淳之介。
オレ、カツラさん、エリ、梅田さん、桃井さん、多彩な友情の模様と、
一年間の話なわりに時間が変な風に進むところを、
描けたので、
私としては、書きたい小説を書けた、
とう感があります。

5『論理と感性は相反しない』
主人公は神田川歩美。
全編書き下ろしの、ふざけた短編小説集。
私としては、「人間が出てこない話」「芥川」「まったく新しい傘」等の、はじけた小品を作りたくて、編んだものです。
笑って欲しい。

6『長い終わりが始まる』
小笠原と田中。そして、「みんな」の物語。
落ち着いた青春小説です。


このホームページの文章は適当につらつら書いてきましたが、
六冊の本は、
平均して、完成原稿の三倍ほどボツ原稿があり、
完成形が定まってきたあとも一行一行、句読点や行がえ、漢字平仮名等の、
見た感じのリズムを磨いて、練り上げてきました。
私は、自意識が弱く、
自分への興味が薄いですが、
「自信のない人は隅で生きればいい」という考えには反対なので、
読者の方にも堂々としていて欲しいし、
私も作家としてはどこへ行っても胸を張っていよう、と思っています。

私は、外界のことが書きたくて、
スピーカーのようになりたい、と考えています。
視線と言語センスにだけは自信があるから、
世界の見え方のひとつを提示したい。
世界で既に鳴っている美しくかつ汚い音楽を、
私の体を通して響かせてみたいです。

作家は、死んだあとに評価されるのもまた一興と思うのですが、
せっかく同時代にたくさんの人がいるのだから、
そのことを面白がりたい、とも感じます。




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