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ざまあみろヒコ星オリ姫
2003年07月07日(月)

あたしは最近、金魚が飼いたい。
というのも、室生犀星を読み返しているからです。
『杏っ子』というのが、ほんとうに文章がきれいです。
でもなんか違和感もある。女なんてこんなもんじゃない、と思う。
そして、皆が大好きな『蜜のあわれ』。
ちっこい金魚が出て来て、
「あたい、おぢさまになら、しっぽのぬめぬめを触らせてもいいわ」
そんな感じで、かわいんだか、エロいんだか、やばいと思う。
小説家なんて、きっと皆あんまりカッコよくなくて、しんけんにやばい人だと思う。
いい年してよく書けた。


「ざまあみろヒコ星オリ姫ダハハハハ」
そんな科白が岡崎京子のマンガにありました。
たしか『あたしは貴方のオモチャなの』。

雨振りましたね。
催涙雨。
「7月7日に降る雨は催涙雨というのだ」
これは、『日出ずる処の天子』。
だんだん、オタクっぽくなってきました。

指というのは不思議なものです。

例えば、あたしはタイピングが自己流なので、完全なブラインドタッチはできないのだけど、ほとんど見なくても、かなりの速さでキーボードが打てます。
そういうとき、指が鍵盤に吸い付きます。

頭で考えると、
「Tはどこ」
と考えても、上だか下だか、右だか左だかわからないのだけど、
「つみき」
と考えながら指を走らせると、指がTに吸い付いて、Uに吸い付きます。
可笑しい。わらっちゃう。

楽器を弾いているときもそうでした。
頭で考えると、ピックをどう握っていいのかもわからなくなるのに、
「ここで、ぐっと、うっとりする音を出したい」
とイメージをすると、指がそんな風に動く。

指は不思議。

指は大事。

二十余年もくっ付いていて、この細っこいのが折れないのも不思議。

こいつはあたしなのか?
あたしはどこまでなのか?

指のおかげで、今までたくさん、楽しい思いをしました。




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