ところが実際にその後、開拓団が転がっていった方向はまったく逆です。関東軍の代わりではなく関東軍の盾にするために、若者を含む日本人の男子と日本人の家族を入植させる――そんな方向へ進みました。もちろん石原莞爾は想像もしていなかったことでしょう。ここでも彼の、「ヴィジョンを持って何かを動かし始めたら、ぜんぜん違う方向に転がっていってしまった」という運命が発動しています。