Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
| 2015年07月26日(日) |
第18回 益子博之=多田雅範四谷音盤茶会 無事終了 |


第18回 益子博之=多田雅範四谷音盤茶会 無事終了 ご来場ありがとうございました!
優勝した白鵬、「前半で、だれとは言いませんが、ちからが落ちたんじゃないかと(会場沸く)、言われたので、これで寂しいことは言わず(画面、苦笑する解説舞の海のアップ)、暖かく見守ってほしい」、大横綱だからこそ、舞の海へだからこそ(勝昭には到底言えない)、言えるニンマリなインタビューだったわ。
プーさん逝去でおれはもうジャズは失われたと思っていた、が、偶然のように現代ジャズの三横綱、ヘンリー・スレッギル、ティム・バーン、スティーブ・コールマンの最新作が最高作である強度を見せつけてきていた。
こういう、鋼のように鍛錬されたジャズの身体でもって、その身体性でしか具現化できない、いわば空間的コンポジション、モーメント的コンポジションとさえ言えるか、「そこに居なくても、カレのサウンドがするというマイルスが果たせた地平」(益子)とまで言える。
ヘンリー・スレッギル、ティム・バーン、スティーブ・コールマン、ほとんどレジェンドになっている40年以上30年以上最前線にいるマイスターだ、それぞれに新しい才能を涵養してグループを前進させていることは驚異だ。
フリージャズも、フュージョンも、ECMも、領土拡張によってジャズ像を更新してきた側面はある。彼らは持ち込むのではなく、上昇する。高度化、抽象化かな。
トマス・フジワラもスレッギルの遺伝子を育むような上昇関脇ぶり。ゲストのフルート女子が聴きはじめてきゃっきゃっと笑うので、きくと、サックス奏者がフルートにスイッチする典型的なサウンドなのがツボだったみたいだ。よく笑う女子はかわいい。すぐにウナギでも食べにと誘うが、人妻だった、益子さんが20回くらい「ごち!」と前進してきた。
デヴィッド・トーンのECM初ソロ作は、いつものドローンECM的展開とつい断じてお終いにしてしまいそうになるが、いいスピーカーで聴くとそのサウンドの厚み、重層、パンの振りが、ケタ違いであり、その集中した孤独な沈黙のような轟音に身動きできなくなる。トーンはスネイクオイルのプロデュースもしており、ECMの重要な潮流に育つ可能性は高い。
蓮見令麻■、ニューフェルド、モーガン、ミンツという録音がここに届いていることに、何かを感じる。蓮見、ニューフェルドはプーさんの最期を看取った二人だという。
ミンツ Billy Mintz の叩きはかなりよい、本人に自覚が無い分さらによい、裏モチアンとまで言いつけたい、とても英文では記せないが。
|