Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2015年06月07日(日) 松籟夜話 第三夜 に出かける。





駆けった、聴いた、熱帯雨林の謎。


マイクの違いだけでそれは加工されているという考え方もあるな。

なぜ熱帯雨林なのか。タイコや笛、ビリンバウみたいな楽器を単体で、つまりスタジオ録音だけで把握していたのは間違いかもしれない。鳥や虫の轟音のような鳴き声の気圧を、演奏によって空間を切り裂いているのだ、立体的にミカンの袋が空間に分割されているようなイメージだが、そういう営みこそが演奏行為なのだった。

耳を制圧するような濃厚さをたたえていたクワガタ盤が、スピーカーが異なるとじつにクリアに聴こえた驚き。じつに多くの鳥や虫が絶妙なタイミングでインしてアウトする、これはダビングによる構成ではないかと思うくらいに見事に完成されたコンポジション感覚さえあったのだ。

聴くたびに様相を変化させる音楽。

鳴っているのは同じもの。違うのは、聴くその時その日その瞬間のワタシの生命力とか免疫力とか空腹状態とかちんこの硬さといったものかもしれない。

あなたが音楽を聴いているのではない。音楽があなた聴いているのである。

資料には金子光晴をはじめ古今東西の熱帯雨林幻想が。言葉によって世界が拓けている。拓くのはワタシであり、じつはワタシはテキストなのではないか、と、告げられている。


「地形や大気の湿度、地表の材質の種類も、特定の空間にすむ動物と同じくらい本質的で明確な要素だ」

マイクの種類も、スピーカーの調子も、再生空間に誰が居るかも、ガラスの向こうから射す夕陽の反射具合も、思念と視線の触発もまた。



松籟夜話 第三夜 に出かける。


昼寝をしてしまったら17時30分の田柄通りサイレン。環八、青梅街道で57分に到着。





Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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