Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2014年11月03日(月) なんか夢みたい Somehow, dreamlike / 井谷享志






つい、府中の大國魂神社(おおくにだまじんじゃ)へ。
帰りは府中街道を北上、小平、清瀬の水天宮、大泉経由。

クルマにCD100枚分録音搭載できるので、いろいろ入れて。
ライブラリー、平田王子「山形」、「目と目」、金石出、ラドカ・トネフ、ブランキージェットシティなどを聴く。

イエーヲン・シンの「ララバイ」は、やはり特別な録音な気がする。




track 396 「尾上の松」箏:渡辺明子 三絃:藤井昭子 尺八:徳丸十盟

You Tube > https://www.youtube.com/watch?v=nwCuI3Xn7_E

昨日までのおいらなら、退屈で寝てしまうかもしれなかったぜ。主幹悠さんのコンサートレポートで、三絃の藤井昭子を知る。このYou Tubeで、これだけわかるのだからライブではさぞかしだろう。

引き込まれる集中聴取。呼吸と瞬間を一致させるように、のめり込んでゆく。ジャズの行くはてにある邦楽の凄みに気付く。これは日本語を身体とするインプロの一形態だろ。

地歌にハマって、さあたいへん、と、言っているばやいではない。





track 397 「石狩シーツ」(Live) / 吉増剛造、渋谷毅、川端民生 from 『しばたやま ── ポエトリー・リーディング/吉増剛造&マリリア』


タガララジオ34(http://www.jazztokyo.com/column/tagara/tagara-34.html)で『石狩シーツ』を掲げたけど、こっちのほうも。

「Disc 1 の聞き物は、渋谷毅(ピアノ)と川端民生(ベース)との共演による「石狩シーツ」の朗読でしょう。」(堀内宏公)
じゃぽブログ「吉増剛造を読む 現代詩の世界」(http://d.hatena.ne.jp/japojp/20111207/1323277164)

You Tube > https://www.youtube.com/watch?v=59-AJZfADlY
朗読 : 吉増剛造
演奏 : 高柳昌行 翠川敬基

時々聴かないと、精神の体調が悪くなる。



track 398 なんか夢みたい Somehow, dreamlike / 井谷享志 2013


You Tube > https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=n8jiEEZUlLc

タダマス14(益子博之×多田雅範=四谷音盤茶会 vol. 14)のゲストでいらっしゃったパーカッション奏者、井谷享志(Takashi Itani)さん。平井庸一グループや都築猛トリオで聴いていたはずだ。この6月にはヴィジョン・フェスティバルに藤井郷子4として出演している。

藤井郷子4は、藤井、田村夏樹、加藤崇之、井谷というメンバー。藤井、田村、加藤という卓抜した意識と視野のある即興演奏家たちと!「すごいレベル高いでしょう?、レギュラーになるのはたいへんなんじゃない?」と、冒頭から失礼な問いをする。ここで「演奏力が高い」というのは、もちろんジャズの演奏であることでもあるし、演奏の可変性の高さ、とか、自在度、とか、聴くほうとしてはいろいろ言いようがあるんだが、一言で言えば“謎の持続力”と言ってしまっていい。藤井、田村、加藤に相応しいレベルのドラマーである、そのことにまず井谷の存在に惹かれる。

パーカッション・ソロ・CDR
『なんか夢みたい Somehow, dreamlike』
1. 千 Sen
2. ラト Lat
3. にちようび Sunday
4. 167
5. 深い大地 Deep ground
6. Electric Whistle
7. 水脈 Water vein
8. 砂粒 Grains of sand
9. 舞台係 Stagehand
10. 業 Karma
11. 深い海 Deep sea
12. 睡眠障害 Sleep disorder
13. 白昼夢 Daydream
14. Under
井谷享志 (perc,ds,all instruments) Takashi Itani (perc,ds,all instruments)
('13.3.8,11,12録音)

これが、何ともいいのだ。技巧も確かなのだが、演奏意識の軽やかな離陸具合がたまらないのだ。特別な録音加工をしているわけでもない。14曲、27分。この唯一無二性は、新しい生命体を想わせる感触もあって、日常のたとえば深夜営業量販店のアルバイトの鬱屈が映る夜空にポッと穴を開けて生まれたてを放つような、天然な自在がある。

藤井、田村、加藤の、他に似ていない、価値体系の尺度に墜ちない即興のありようを、うまく言葉にできない、生き続ける謎のような。

タダマスで井谷さんからこのCDRを買ったとき(税込千円)、詩人の三角みづ紀さんが来店されていてご挨拶。

東京に出てきた頃は『詩芸術』や『詩とメルヘン』を購読していたが。「現代詩って、あまり読んでいないんだ。雑誌の記事で音楽の趣味がいいので蜂飼耳の詩を読んだら、これはすごいと思ったよ。」「あ、わたし、今日の午前中、蜂飼さんと一緒だったんですよー」、なるほど、才能は才能とつるむのかもしれない、「今度読んでみますね」と応答していた。

図書館で『あした、せかいが』を借りて読んだら、ちょっとこれがいいんだな。

9月1日、彼女のFace Book 投稿、「さきほどご連絡いただき、第5詩集『隣人のいない部屋』にて、第22回萩原朔太郎賞を受賞いたしました。ありがとうございます。手が震えています。」

ううむ、タダマス14で、井谷享志の才能に気付いて、タガララジオで取り上げていたら、三角みづ紀の才能を知ることに。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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