Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2012年07月18日(水) ジャズにおける速度

日野グループのベーシスト須川崇志さんから
菊地雅章TPTトリオのライブレビュー原稿を受け取った。
次回更新のJazz Tokyoに掲載される。
須川さんは2日目のトーマス・モーガンに自分のベースを貸している。モーガンが使っている同じ弦を張っているので使いやすかったのだろうと述べている。

須川さんはニューヨークでプーさんとデュオセッションをした際の「速度の違い」圧倒的な違いについて言及している。

そう、それはわたしも、速度、光速としか言い及べないところの感覚だ。

チャーリー・パーカーは速度である。

ジャズを聴きはじめて、後藤雅洋『ジャズオブパラダイス』をめくって「チャーリーパーカーってサックス奏者がすごいのかー」と、貸しレコード店でパーカーのオンダイアルを試聴、といっても店でかけてもらっただけであるが、一聴して「断然速度が動きのモーメントがチガウ!」と、ジャズ初心者が判ったという経験が最初にあるから、チャーリーパーカーがよくわからない難解だという文章を見ると、信じられないと思っている。

速度と言っても、さまざまなフェイズがあるから、マイブラに速度を感じる、ツェッペリンに感じる、能の音楽に感じる、いろいろ形容可能ではあり。

タイション・ソーレイがキクチとのピアノセッションで、まったく入って来ることができなかった、しばらく顔を出さなかった、という逸話も、キクチの速度の存在を示していると思う。そして、そうした速度との遭遇が、演奏者やリスナーの感覚を変容させてしまう。

灰野敬二のノイズギター音にも最初から速度が在った。

「速度」は、なんでも解決してくれるキーワードではないにしても、そうとしかとりあえず書くことができない体感。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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