Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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| 2009年04月01日(水) |
『現代音楽と現代美術にいたる歴史―動物学と脳科学から見た芸術論』 |

北原惇(きたはらじゅん)という72さいになるおじさんが書いた 『現代音楽と現代美術にいたる歴史―動物学と脳科学から見た芸術論』という本を新宿区中央図書館で手にする。
三層の脳によってそんなに人間は操作されているのかいな・・・。たぶん、そだろな。 大脳の新皮質と、ほかの二層との力学、進歩と退行の理論は、たぶん、そのとおりなのだろう。北原さんの専門だし。
音楽や絵画に対する理論のあてはめは、どうということのない稚拙なものだ、が、 結構共感するところが多い。現代美術、現代音楽、で、おいらにとって「だからどうした?」というものは多いのだ。
爬虫類の脳・大脳辺縁系の脳というふたつの古い皮質に、音楽のプリミティブな刺激が到達したときに、 「ぐっときた」り、「思わず腰をふって」いたり、するのか。
愛だの恋だのプラトニックだの言ってみたところで、 本能に基づいた経験的な動機付けが根底にあって、そこに文字や文化がかぶさっておるわけで。
新皮質が歓ぶ現代美術・現代音楽、というのがある一方で、 爬虫類の脳・大脳辺縁系の脳にも到達する現代美術・現代音楽、がある。
このおいらだって、稚拙な三層の脳の反応にしたがって、この作品はすばらしいだのだめだの言い募っているだけなのか。 たぶん、そだろな。
それで。だから何だって言うんですか。
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