Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2005年11月23日(水) 奥田民生の「カヌー」 〜 キース・ジャレットの持続音

奥田民生の「カヌー」。

ほとんど同じ音のまわりを持続させる旋律の驚異。奥田民生はやっぱりすごい。

ふと、連想するのは。

キース・ジャレットの『サンベア・コンサート』LP10枚組の札幌パート。Sapporo, November 18, 1976。
この10枚組の大団円(だいだんえん。今まで、だいえんだん、と思ってたー。そんなに結婚したいのかー。もうこりごりだー。)である。

ジャレットは日本ツアーの最後になる札幌公演のエンディングで、一音の連打に縛られ続けるのである。
すべてのコンサートの最期に、必然のように一音に収束してゆく音楽の磁場。
鳴り響いている空間のフェイズがすっと変わって、時間のない虚空で階段に導かれるような痙攣状態に生命力を賭けているジャレットの指。

そして。

それが、この世のものとは思えない美しさ、なのである。

この痙攣するような連打の美しさ。
一音だけで、これだけ胸が詰まる、あこがれの彼女との動かない持続の痙攣のあいだにとどまるような、演奏は他にはない。
美神キースの頂点を、わたしはここに視る。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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