Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年12月15日(水) 『スマイル』

小谷美紗子のライブは2時間半の彷徨の果てに、アンコールの2曲だけ聴けました。ホットコーヒーブラックで暖を取りながら聴くクリスマスソングはそのようにぼくに届いたのです。たぶんそれは予定通りに。

12月の南青山MANDALAのスケジュール表には、岩崎良美、遊佐未森、山本達彦、知久寿焼、鈴木祥子、柳原陽一郎、斎藤ネコストリングカルテット、原マスミのライブがあった。

部屋で電気ストーブにあたりながらブライアン・ウイルソンの『スマイル』を聴いた。

『スマイル』は、音楽そのものを聴いてはおそらく何も得られないと思う。

演奏は妙にきちんと上手で、これは技術者による再生演奏なのである。
演奏者の意識を60年代半ばへと、転換しなければならない。技術的未熟からの冒険といった成分で組み替えなければならない。
ブライアンの声も『ペットサウンズ』直後にまで戻して聴かなければならない。
70年代からの出来事を知らない意識で、この音楽の骨格を再構成しなければならない。

『スマイル』はそのようにして、聴き手に到達しなければならない。

そして、聴き手はしくじりの甘美と永遠に遠い過去のワンシーンを想起する、その想起の仕方を懐かしい気持ちで手に入れるである。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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